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The Wonderland? #4 [Backroomsリスペクト]

Room 3 "Zenius"


「キーンコーンカーンコーン…」


聞けば誰もが同じものを想像するであろう、馴染み深いチャイムが鳴り響いた。見えるもの全てがセピア色に映るこの空間は、まるで、自分たちが思い出の写真の中へ閉じ込められたかのように錯覚する。

「こ、これは"ガッコウ"とかいうやつか?いやじゃ!ワシは勉強は嫌いなのじゃ!」
まるで千年生きてきたとは思えないほど、制御の利かない玩具のように駄々をこねるカンナ、そんな彼女の意志など一切無視され、先生が教室に入ってくる。
「こら、もう授業が始まるんですから、さっさと着席しなさい!」
「!?」
あまりに見覚えのある姿の女性教師が現れ、思わず息を吞む二人
「お前…モニカ、なのか?」
「ちょっと!先生に向かってお前とは何ですか!生意気な態度取ってると、罰を与えますよ!」
どうやら、この"モニカ"も、どこか別の世界からの者のようだ、この世界において、我々が知る"あの子"に会うことなんて、できやしないのかもしれない。

「今日は祇園について授業を行います。さぁさぁ、早く席に着きなさい!」
「なんじゃ、神のことか。鬼のワシには聞き飽きた話じゃな」
「そこ!口答えしない!あなたも罰を受けたいのかしら?」
「ひぃ!罰はいやじゃ!」
こうして、唐突に授業が始まるのだった。勉強を強いられて不満げなカンナに対し、何も知らない学生の時の感覚に包まれ、非常に興味深く授業に取り組もうとしているオーナーが、そこにいたのだった。



「ここからは、祇園に隠された秘密について説明します」


秘密?
ワシも知らん秘密があるとでもいうのか?まぁ、神のことじゃ、鬼でも知らんことのひとつやふたつ、あってもおかしくないじゃろ?
「祇園はシオンと関係があります、つまり、日本の文化にはユダヤをルーツとしているものがあるのです」
ん?ユダヤ?そんなこと聞いたことないぞ?本当にワシの知らんことを話してくれるんかのぅ?
「日ユ同祖論、というのがあります。これに基づけば…」
なんじゃ、話を聞けば聞くほどデタラメばかりぬかしおる。ワシは千年生きてきたオニじゃ、こんな話聞くまでもない。

「お主、デタラメはいい加減にせんか」
「何ですか、授業の途中ですよ!異論があるなら後で聞きます」
「お主の話は全く信用できん、どれ、千年生きてきたオニのワシが、代わりに説明してやってもいいぞ?」
「ほう、そこまで言うなら聞いてあげましょう。ただし、間違いが発覚したら、罰を与える程度では済まないことね」

カンナが無礼にも、先生の話を「デタラメ」と非難したぞ、
大丈夫か?そんなことして、もし退学させられるなんてことになったら…
そう思っていた俺だが、カンナの話は非常に強い説得力を持っていた。知的な話し口調とは程遠かったが、「千年生きてきた」という自身から湧き出る固い確信の思いが伝わる、力強い授業だった。
「…ということじゃ、どうじゃ?ちっとは勉強になったじゃろ!」
「…流石ですね、文句のつけようのない話でした。いいでしょう、貴方の意見を認めます、では今日の授業はここまでです。」
非常に満足気な表情と、ささやかなガッツポーズを見せたカンナが、今はとても頼もしくも見えた。そして、先生が教室を退室すると、部屋の鍵が開く音がした。そう、この世界を抜け出すために通らなければならない、新たなRoomへの道が開けたのだ。


Room3:School
SURVIVAL DIFFICULTY :
Class1 "safe"
学校の教室を彷彿とさせるRoomです。このRoomに入ると、突如として授業が始まります。真面目な性格ほど、この空気に飲まれていき、先生に逆らわなくなります。授業内容は、美術史、古典文学、宗教学、言語学、といった内容が扱われますが、その内容には都市伝説レベルの俗説が混じることがあるほど、学術的に正確ではありません。

Entrance
Room2で、花嫁の誘いを振り切るとRoom3に移動します
Room4にある、ヴィンテージ品を破壊するとRoom3に移動します
RoomWikiで、歴史に関する調査を3時間行うとRoom3に移動します

Exit
授業内容の懐疑的な部分に気付き、反証することができればRoom4に移動します
授業を最後まで聞くとRoom B.C.145へ移動します
先生に最後まで抵抗するとRoom4023へ移動します。