ドーモ、@RIGNMです。これは「ニンジャスレイヤーTRPG」のシステムに「のびのびTRPG スチームパンク」のカードを用いたコンバーション・ソロアドベンチャーのリプレイです。念の為「のびのびTRPG スチームパンク」内容物のネタバレにご注意ください。
◆ハウスルール確認な◆
グリッドマップを使用しない戦闘
この場合、キャラの位置関係は「離れた状態」と「隣接状態」だけに単純化される。
詳細なルールは11−4:グリッドマップを使用しない戦闘を参照
ダンゴウ時、PC1人につき3D6を振り、出目が奇数の場合「のびのびTRPG」の闇カードを、偶数の場合光カードを1枚ずつ付与する。
光/闇カードの効果はこのシナリオ中のみ(余暇パートの完全終了時まで)有効とする。
また、場面カードと光/闇カードの関連付けはシナリオ中何回でも可能。
のびのびTRPGの「力」はニンジャスレイヤーTRPGの「カラテ」、前者の「技」は後者の「ワザマエ」に読み替える。
NPCに光/闇カードは付与されない。NPCとは「PCではないキャラクター」すべてを指す。
場面カードの目標値は目安として10~13をNORMAL、14~16をHARD、17をU-HARD、18をU-HARD2、19をU-HARD3と読み替える。それ以外の判定はNMの裁量に委ねられる。
◆はじめよう◆
キャラクターメイキング&ダンゴウ
キャラクターメイキングは基本のランダム作成方式です。
なお、初期装備アイテムは光/闇カードによって入手できる場合もあり得るため無しとしました。
◆ダイノレクス(種別:ニンジャ)アイコン:恐
カラテ 4(+1) 体力 4 名声 1
ニューロン 4 精神力 4
ワザマエ 1(+2) 脚力 2/N
ジツ 3 万札 0(ローン10)
近接/射撃/機先/電脳 5/3/4/4
回避/精密/側転/発動 4/2/2/7
緊急回避ダイス 0
即応ダイス 5
◇装備や特記事項
『▶サイバネアイLV1』
『☆ヘンゲヨーカイ・ジツLv3』
光カード『○飛行石』:ワザマエ+1
『○気高き心』:カラテ+1
闇カード『○暗い瞳』:ワザマエ+1
◇背景情報や外見
『肉食恐竜に変化できるニア30代の男性』『爬虫類の瞳』『中性的な』
シナリオ本編
◇場面カード
『月面着陸計画』
『巨大飛行船に潜入せよ』
つまりこうだ
重金属酸性雨降りしきるネオサイタマ。ウシミツアワーの静けさを乱すものあり。それは……ニンジャだ。
「ハァーッ……ハァーッ……」
これは夢か? 果たして現実なのだろうか? 男は路地裏にうずくまる。
「ワッザ……オレがニンジャ? 恐竜の? ナンデ?」
フラッシュバック。突如としてネオサイタマ市内に現れし肉食恐竜。ガラス越しに映るその異形。鎌首を傾げて。それは自分だった。ナンデ?
はるか原始の時代……さえぎるものの無い太陽と青天のもと、生きたいように生き、そして死ぬ野生動物たち。その王者である恐竜……彼はその血を継ぐ爬虫類が好きだった。今のレプティリアンめいたサイバネアイもその愛好心の表れにすぎない。
しかし今やニンジャは実在すると知った。原始時代にも? おお、ブッダ!
「ハァーッ……ハァーッ……オレが恐竜……解き放たれし……ニンジャの……街を破壊し人を襲う……自由な……」
哀れなる彼、ダイノレクスの意識は肥大化したニンジャ全能感を己の心の闇が生んだ恐竜の夢に読み替えて、目の前の事実と空想の区別がつかない危険な状態にある。
彼は固く握った手を開いた。掌の上には青玉色に光る謎めいたタリスマン。それは天にかざすと彼のサイバネアイを通して拡張現実ホログラムめいた青い月とその位置座標を過たず表示するのだ。フシギ!
これを何故、いかにして手に入れたかはもう覚えていない。ぼんやりと空を見上げていると、徐々に近づいてくるサーチライトの光と電子マイコの声。
「安い、安い、実際安い」「この飛行船は広告目的であり、怪しくは無い。安心です」「バイオ危険生物の放流とハンティングで広告効果が倍増」
欺瞞広告を撒き散らして恐竜ニンジャの混乱を抑えるつもりだろうか。そんなオムラ社のマグロツェッペリン船体が拡張現実の月と直列に重なる。
「……………………」
乱れた呼吸がおさまる。瞬時発火したニューロンのひらめき。
すなわちマグロツェッペリンを用いた月面着陸計画を、彼は実行に移すべく裏路地を色付きの風となって走り始めた。
「イヤーッ!」上空監視の死角を突き、恐竜の脚力でビルの看板伝いに連続跳躍! 飛行船の後部に取り付いた! ゴウランガ!
マグロツェッペリン船内
「グルルーッ!」肉食恐竜に瞬時モーフしたダイノレクスはクローンヤクザののど笛を噛みちぎった。「グワーッ!」即死!
2ターン目。兵装室へ歩を進めたダイノレクスに、異変を察知したクローンヤクザが2体駆け付ける! そのうち最後尾のクローンヤクザはマシンガンを携えている!「「ザッケンナコラーッ!!」」コワイ!
「グルルーッ!」扉の陰から電撃的にダイノレクスの爪が閃く! 先頭のクローンヤクザは声を上げる間もなくズタズタに引き裂かれ即死! ナムアミダブツ!
「スッゾオラーッ!」BLATATATA! マシンガンヤクザはフルオート連射!
いくつかの弾は逸れ、命中弾も恐竜のしなやかな表皮にかすり傷ひとつ与えなかった。「グルルオーッ!」ダイノレクスは余裕のシャウト!
3ターン目。ダイノレクスは残るクローンヤクザに接近攻撃!
「グルルーッ!」「グワーッ!」クローンヤクザは首をはねられた! その首はゴルフボールめいてツェッペリンの窓ガラスを割った! おお、ブッダ……!
ダイノレクスはついにマグロツェッペリンの機関室へ到達した。
「アイエエエ……」目の前にホールドアップした副機関士。その奥には……おお、見よ!
「フシュー……ドーモ」そのニンジャは副機関士を背後からスリケンで油断なく脅しながらアイサツした。「アスフィクシアです!」
◆アスフィクシア(種別:ニンジャ)アイコン:A
カラテ 4 体力 4
ニューロン 4 精神力 4
ワザマエ 2 脚力 2/N
ジツ 3
近接/射撃/機先/電脳 4/2/4/4
回避/精密/側転/発動 4/2/2/7
◇ジツやスキル
☆カナシバリ・ジツLv3:毒系
○生い立ち:サイバネ賞金稼ぎ
◉知識:危険生物
「名もなき宵霧亭」マガジン読者の方は覚えておられるだろうか? この男はガスマスク状のメンポから悪魔めいた硫黄臭い息を吐くニュービーソウカイニンジャ、ポイズンシャドウではないか!
そう、彼はソニックブームの下でカラテを積み、「窒息」を意味する新たなニンジャネームを与えられて、いまや立派なソウカイニンジャに成長していたのだ!
「ドーモ、アスフィクシア=サン。ダイノレクスです。グルルーッ! 飛行船をよこせ! オレは月に行くんだ!」
「月だと? ハ! そんな映画みたいにうまく行くかよ」アスフィクシアはカラテを構えた。「恐竜モドキめ、オレサマが生け捕りにしてやるよ!」
「どけ!」「アイエッ」アスフィクシアは副機関士を押しのけ、ダイノレクスに急接近!「スッゾオラーッ縦社会!」そしてカナシバリ・ジツを発動! 突き出した右腕の汗腺から硫化水素ガスを噴射した!
「グオオーーーーッ!!」ディノ・ロアー!毒ガスの噴流をとっさに轟音で吹き散らす! スゴイ!
「アイエエエ……」副機関士はドゲザしている!
「グルルーッ!」「イヤーッ!」アスフィクシアは恐竜の尾をブリッジ回避!「イヤーッ!」「グオオーッ!!」ダイノレクスは毒ガスを吹き散らす!
「グルルルーーッ!!」「イヤーッ!」アスフィクシアは恐竜の牙をワン・インチ距離で回避!「イヤーッ!」「グオオーッ!!」ダイノレクスは毒ガスを吹き散らす! なんたるカラテの応酬か!
「イヤーッ!」「グワーッ!」アスフィクシアの毒ガスがついにダイノレクスの呼吸器を捉えた!「ハァーッ……ハァーッ……やったか!?」「グルルル……」硫黄臭いガスの中から恐竜はのっそりと顔を出す!「ハァーッ……おいマジかよ……」
「グルルーッ!」「グワーッ!」ついに恐竜の爪がアスフィクシアに傷をつけた!「畜生が……オレは危険生物狩りには……ハァーッ……慣れてんだよ……」背中を見せずに後退!「アイエエエ! こっちに来ないで!」機関士絶叫!
「イヤーッ!」アスフィクシアはスリケン投擲! しかしダイノレクスの瞳にすら届かず硬い表皮に弾かれた!
「グルルーッ!」「グワーッ! ザッケンナ……ザッケンナコラーッ縦社か」「グルルーッ!」「グワーッ!」「グルルーッ!!」「グワーッ! サヨナラ!」アスフィクシアは爆発四散!
エピローグ
「グルルルル……」
ダイノレクスはうるさい邪魔者を退治した。
毒ガスさえも通じない真の強者である恐竜が弱者を蹂躙する……その恍惚は想像以上であった。
「わかったか! オレを月へ連れて行け! あいつのようになりたいか!」
「「アイエエエ!!」」
彼はツェッペリンの機関士たちを恐怖で従え、月面を目指して飛んでいった。どこまでも、どこまでも……。
その後の彼の行方を知る者はいない。
【ペーパー・ムーン・ゲイズド・ダイナソー】終
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