1.家族とT教が吸い取ったお金
Yくんは現在44歳。今から17年前に統合失調症で仕事を辞めることになり、K市のM病院の精神科に入院していました。まだ退院してはいけないのに、T教信者で教会に住む母親に言われるがままに医師の反対をおしきって退院しました。それから5年間、Yくんは母のいるT教の教会に住むようになりました。
Yくんは精神障害者となり、Yくんの母が障害年金を申請しました。それは申請日より5年遡ったものなどをまとめて支給されて353万円になりましたが、全部T教にとられました。最初にとられた230万円は、退職金の50万円、ゆうちょ銀行の定期預金90万円、個人年金90万円です。さらに車を売った17万円、失業保険14万円を3ヶ月分、2ヶ月に一度入る障害年金22万円を2年間分、T教がYくんの通帳を取り上げて奪いました。当時は病気のため、失ったお金の正確な金額を把握し難しく、総額はだいたい700万円以上にはなった計算です。T教には弁護士もおり、違法にならないためのテクニックを少しは知っているためか、お金の受け取り方も独特でした。教会長の配偶者が無言で手を出し、母が引き出した現金をその手の上に乗せて手渡しました。
あるときタバコをどうしても吸いたいYくんは、知人に以前貸していた10万円のうち、1万円を返してもらいタバコ代にしようとしました。電話で知人に連絡して、教会まで封筒で送ってもらうよう頼みました。しばらくしても何の音沙汰もなく、裏切られたかと思っていたら、母がYくんあての封筒を勝手に開けて、お金が入っていたのでお供えにしてたというのです。
またあるときは 、Yくんと懇意にしていた信者が教会を出るとき、世話になったYくんにお礼をと、5000円を姉に預けたました。やはりそれはYくんに渡ることなく、お金は無断でお供えになりYくんの手に渡る前に消えました。
このようにYくんの家族、母と姉は事あるごとにYくんの多額のお金を無断で奪うというひどいことをやりました。しかしそんな目にあっても、Yくんが抵抗する気力はなかったです。病気を患うYくんに絶え間ない布教活動を強要するT教が、Yくんのお金も時間も奪いつづけたので、逃げるとか拒否するとか、なんらかの行動を起こすことも、考えることさえもできなかったのです。不満を持ちつつも、全てがT教と姉と母の言う通りに行動してしまいました。