その⑤:すべてはサバンナ脳のせい…!?(サバンナ脳のトリセツ)
こんにちは!
『自由診療で、対話を重視した心療内科診療を提案するnote』の第5回目になります。
今回は、「すべてはサバンナ脳のせい…!?(サバンナ脳のトリセツ)」と題しまして、メンタル不調におちいってしまうメカニズムを…
超わかりやすく…
解説してみようと思います。
まずは前回までの復習になりますが、
うつの診断基準って、覚えていますか?
そう…
1.抑うつ気分
2.興味または喜びの喪失
3.食欲の減退あるいは増加、体重の減少あるいは増加
4.不眠あるいは睡眠過多
5.精神運動性の焦燥または制止(沈滞)
6.易疲労感または気力の減退
7.無価値感または過剰(不適切)な罪責感
8.思考力や集中力の減退または決断困難
9.死についての反復思考、自殺念慮、自殺企図
が、「軽症うつ病」と診断されるのでした。
そして、そのような症状はあるけれども診断基準以下の方は
「診断閾値下抑うつ状態」と診断されるのでしたね。
詳しくは、記事その③「ステキなうつ病治療ガイドラインの歩き方」をご参照くださいませ。
次に「軽症うつ病」の治療について復習してみましょう。
最新版の日本うつ病学会治療ガイドラインでは「軽症うつ病」の治療として何が推奨されていたでしょうか?
薬物?
休養?
精神療法?
…?
そして、心理教育を行う以外には、
うつ病治療ガイドラインにおいて
「軽症うつ病」に対して…
科学的に…
有効であるとして推奨されていた治療法が…
何かありましたでしょうか?
詳しくは、記事その③「ステキなうつ病治療ガイドラインの歩き方」をご参照くださいませ。
そして…
あなたが精神科クリニックで軽症うつ病と診断されたとして、
手ぶらで…
クリニックから帰る…
ということは考えにくいですよね。
そうです。
がなされますね。
詳しくは記事その①「医師による心理カウンセリングの保険診療点数がミラクルな件について」をご参照くださいませ。
そして最後に…「サバンナ脳」って何だったかについては…
覚えてますか?
そう…
そして、そんなミラクルなあなたの脳がどのような時間の大海原の中で進化してあなたの脳になったかといいますと…
ご覧いただきましたのは、1.5万個の点です。
この点1個1個が、
約30万年前にわたしたちの種(ホモ・サピエンス)が東アフリカに出現して以来の1世代を表しています。
わたしたちの脳の基本システム(知性・情動)は、少なくとも約7万年前(サバンナで狩猟採集生活をしていた頃)からほとんど変化していないことが確実視されておりますので…
この1.5万個の点の世代の中で、私やあなたにとってはごく当たり前である…
車や電気、水道やテレビのある世界に生きたのは何世代でしょうか?
では、コンピューターや携帯電話、飛行機が存在する世界に生きたのは?
では、スマホ、フェイスブック、インターネットがあって当たり前の世界しか経験していない世代は?
あらためて事実をつきつけられますと、そのスケール感に唖然としてしまいますよね…
わたしたち(の脳)は今も…数万年前のサバンナに生きている…
で、前置きだけで私はつかれてしまったので…(おい)
これが、
コンピューターのモニター画面がフリーズしている(メンタル不調)のを、医者がなんとか復旧させようとがんばっている…
そんなメタファー(隠喩)のイラストですね。
で…
実は故障しているのは…
医者が必死で直そうとしている…ソフトウェアの方…
ではなくて…
もっと基礎的な部分、
このハードウェアの部分の配線が完成したのは今から約7万年前…
そう、気が遠くなるような時間をかけて…
サバンナの環境に最適化することで…
ハードウェアの配線が組み上がりました。
それは…
私たちの知性と情動の基本システムとして、現在も…今この瞬間も…
わたしやあなたの脳の中で機能しています。
(「蛇」は怖いけど、自動車は怖くないでしょ…という話ですね。脳の扁桃体というシステムが太古の恐怖を記憶していちいち反応しているんですが、実は「孤立」も蛇と同様に、ホモ・サピエンスの根源的な恐怖として刻まれているんです…)
なーんだ。
そういうことだったんだね。
ということで、今回の本編はとてもシンプルですが、
メンタルヘルスサポートの基本は、たったのこれだけで大丈夫なんです笑。
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