【プロンプト付き】勢いあるPOPな絵を描くために【AIイラストの表現テクニック】
今回はイラストを作るとき、プロンプトをどんな風に組み上げいるのかに焦点を当てて解説をしたいと思います。作例プロンプトを分解し、その構造と効果を具体的に解説してみようと思います。
▶今回の作例
今回解説するイラストはこちら。二色の髪色、眼光強めの釣り目、POPな色使いと勢いある描線という特徴があります。このようなタッチの絵を作るために組んだプロンプトを解説していきます。
それではプロンプトを見てみましょう。
プロンプトは7つのパートに分かれており、それぞれは以下のようになっています。
①bold, edgy anime illustration style,
「大胆でエッジの効いたアニメイラスト風」全体な作風を示しています。今回はまさにプロンプトの通りエッジの効いた大胆なラインを使った描画になっています。
②high contrast with limited color palette,
「限られたカラーパレットによるハイコントラスト」着色系の指示です。色数を減らすこととコントラストを増すことでぱきっとした塗りで、POPな雰囲気を作ろうとしています。
③girl with split hair color (pink and black),
「髪の色が分かれている女の子(ピンクと黒)」
女の子の髪の特徴を示した後、カッコで色を具体的に指定しています。
④wearing a hoodie with graphic designs,
「グラフィックデザインのパーカーを着ている」
かなりざっくりと服装を指定。
⑤sharp blue eyes, expressive smirk, star shaped silver accessories,
「鋭い青い瞳、表情豊かな笑い声、星型のシルバーアクセサリー」
女の子のルックスの特徴を簡単に指定
⑥dynamic brush strokes black and pink highlights monochrome background with splashes of color,
「ダイナミックなブラシストロークの黒とピンクは、色の飛沫でモノクロの背景をハイライトします」
今回は雰囲気重視で抽象的な背景を指定しています。
⑦--ar 8:5 --style raw --niji 6
パラメータ。今回はプロンプトの効果が最大限活かされるようstyle rawを入れています。
プロンプトの構成としては、まず①②で先に画風を定義して、③④⑤でキャラ描写の指示を出し、⑥で背景描写をしています。
キャラ描写に関しては、髪の塗り分け指定以外かなりざっくりとしているので、わりと自由度高めに生成されています。眼の色が髪の塗分けにひっぱられてオッドアイになったり、「エッジの効いた」「鋭い青い瞳」等の他の部分のプロンプトに引っ張られて鮫歯になったりしています。
今回は表現法方の解説重視で、キャラ造形等にはあまりこだわっていないのでこんな感じですが、必要に応じて③~⑤を充実させてください。
▶パートごとのプロンプトの効果を見る:作風
実際に各プロンプトがどんな働きをしているのかを、分解してみてみましょう。それぞれ独立して様々な作品に流用できるプロンプトなので、効果も含めて覚えておくといいかもしれません。該当プロンプト以外に「 girl, --ar 8:5 --style raw --niji 6」を付けて生成します。
まずは①、②の作風指定の部分。
①bold, edgy anime illustration style,「大胆でエッジの効いたアニメイラスト風」のみで生成したイラストです。けっこう尖った画風になっていますね。これだけでもかなりPOP寄りになっていますね。作風の指定プロンプトは背景にも影響が出ていることが見て取れます。
続いて②high contrast with limited color palette,「限られたカラーパレットによるハイコントラスト」のみでの生成です。全体的に塗りがフラットになっています。
最後に①+②のプロンプトで生成。かなり狙い通りの画風になってきています。
▶パートごとのプロンプトの効果を見る:キャラ描写
つづいてキャラの描写部分です。
③girl with split hair color (pink and black)「髪の色が分かれている女の子(ピンクと黒)」での生成。見事にプロンプトが効いているのがわかります。右下などはsplitが効きすぎて、完全に左右で別キャラになっています。
このプロンプトもいろいろ流用できそうです。
④wearing a hoodie with graphic designs,「グラフィックデザインのパーカーを着ている」。パーカーはhoodieです。衣装設定文だけなので、それ以外の部分はやりたい放題で、実写っぽいのも生成されています。
⑤sharp blue eyes, expressive smirk, star shaped silver accessories,「鋭い青い瞳、表情豊かな笑い声、星型のシルバーアクセサリー」で生成。こちらもプロンプト通りの生成ですね。目つきに統一感がありますし、星形のアクセもいい感じでアクセントにしてくれています。
最後は背景です。⑥dynamic brush strokes black and pink highlights monochrome background with splashes of color,「ダイナミックなブラシストロークの黒とピンクは、色の飛沫でモノクロの背景をハイライトします」というプロンプトで描きだされる抽象的な背景は、色合いといい粗さといい、まさに理想通りです。
▶プロンプトの力
こうやってパートごとに生成してみると、プロンプトの持つ力を感じることができます。なんとなくプロンプトを書いていてもそれなりの絵は作れてしまいますが、それらが具体的にどのように効いているか、相互作用はどうなっているのかなどを把握していくとAIイラスト生成の面白さは爆上がりします。
一度、自分のプロンプトを分解・分析して「狙った絵作り」の醍醐味を味わってみましょう。
▶どんどんアレンジしていこう
今回の作例プロンプトはとてもシンプルで大雑把なものです。細部に手を入れたり、表現方法にアレンジを加えたりしていくことで、絵はどんどん変わっていきます。いろいろ試して楽しんじゃいましょう!
今回のプロンプトは変えずに、srefとクオリティ系の文言などを追加して画風に変化を付けたものを、参考として以下に貼っておきます。
それでは、よいイラスト生成を!
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