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【プロンプト付き】AIイラストの表現力、半端ないって!【ミュシャ!アール・ヌーボー!編】

アール・ヌーボー(Art Nouveau)は、19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパを中心に流行した美術とデザインのスタイルです。自然界の有機的な形状や曲線美を取り入れ、植物、花、昆虫などのモチーフが多く使われます。また、流れるような線や非対称のデザインが特徴で、建築、インテリア、グラフィックデザイン、ジュエリーなど幅広い分野に影響を与えました。


本記事はniji・journey(niji6)での生成前提の内容となっております。掲載しているプロンプトはniji・journey以外で生成する場合には調整が必要になると思われます。ご了承ください。

▶アール・ヌーボーをつくる

アルフォンス・ミュシャ(Alphonse Mucha)はチェコ出身の画家/グラフィックアーティストで、アール・ヌーボーのポスターや装飾芸術で有名です。特に女性像を中心に、美しい曲線、植物の装飾、そして柔らかな色調を使ったポスターや広告で知られています。彼の作品は「ミュシャ・スタイル」とも称され、アール・ヌーボーの象徴的なスタイルとして人気を集めました。日本でもややヲタ風味のあるその作風でとりわけ人気の高い作家です。
多くの生成AIは有名作家の名前をプロンプトに加えることで作風を生成に取り込むことができる場合があります。
ミュシャの名もその例にもれず、"Mucha style"の一文を入れることで簡単にミュシャ(アール・ヌーボー)テイストのイラストを作ることができます。

▶作家名を使わないイラスト生成

しかし、特定の人物名をプロンプトに使うことに対して強い拒絶感を持っている人たちも少なくありません。権利的な意識も含めてあまりお勧めしませんし、個人的には使わない癖をつけておいた方がいろいろと安全だと思っています。
そのため今回使う具体的な固有名詞はジャンル名である「Art Nouveau」までに留め、作家の個人名は取り扱っていませんが、niji・journeyは「Art Nouveau」だけでも十分にアールヌーボー…というかミュシャのテイストを醸し出してくれました。

Art Nouveau style,girl --ar 6:5 --niji 6

▶基本プロンプト

シンプルな生成でもそれっぽくなりますが、あえてもう少しプロンプトを練りこんでみたいと思います。

いかにもアールヌーボーという感じの装飾と、太めのアウトラインに縁どられた繊細なタッチの女性像はミュシャの作風を彷彿とさせます。プロンプトは以下のようになっています。

A delicate anime-style illustration of a girl, flowing long hair in an Art Nouveau style,
Art Nouveau frame, The background should incorporate subtle floral motifs and swirling patterns, adding an elegant, ethereal feel that complements the Art Nouveau aesthetic. --niji 6 --ar 1:1

翻訳:女の子の繊細なアニメ スタイルのイラスト、アール ヌーボー スタイルで流れる長い髪、
アール ヌーボー フレーム、背景には、繊細な花のモチーフと渦巻き模様が組み込まれ、アール ヌーボーの美学を補完するエレガントで優美な雰囲気が追加されます

プロンプトを分解すると
前半は「A delicate anime-style illustration of a girl」「Art Nouveau style」でアニメ風のキャラクターデザインとアール・ヌーボースタイルでの描画を指定。
「Art Nouveau frame」以降はアール・ヌーボーの特徴である自然の形や曲線、装飾的な要素が追加されるようにします。
最後に「ethereal feel that complements the Art Nouveau aesthetic」で、幻想的で温かみのある雰囲気を引き出します。

このプロンプトで画風やスタイル重視の指示で、絵の内容に関しては「girl」「flowing long hair」程度しか書いておらず、ほとんどAIに頼っています。

▶アール・ヌーボー=ミュシャなのか?

今回のプロンプトではアール・ヌーボースタイルを強固に再現するため、短めのプロンプトながら三度も”Art Nouveau”を使っています。さらにオリジナリティと日本人好みの柔らかさを出すためにアニメライクなテイストを加えたものとしています。

しかし結果としてかなりミュシャのスタイルに近い形になっています。作家名を使わなかったもののアール・ヌーボーの再現というよりもミュシャの再現になってしまいました。
アール・ヌーボーといえばミュシャだけでなくクリムトやギマールといった有名作家もいるのですが、niji・journeyはアール・ヌーボー=ミュシャという認識のようでした。

▶四季を描く

次はもう少し具体的にイラスト生成してみます。こうなったら逆にミュシャを強く意識して縦長フレームで春夏秋冬をテーマにの4枚の連作を作ってみたいと思います。
それぞれ上記の基本プロンプトにキャラクター設定と季節感の演出を足して構成しています。またパラメータは、サイズ指定の--ar 10:21と特定のsref(4枚とも共通)を入れています。

また、クオリティ系の補強ワードを入れてないため、細部の描写がかなり粗くテキトーな感じになっていますが、今回は作例ということでインペイントやphotoshopなどによる修正は行っておりません。

・春を描く

春の女王

キャラ設定として「beautiful spring queen」、装飾指定に「spring dark pastel colors palette, spring flowers」と、全体的に春の装いにしています。
全体的にはいい感じだと思うんですが、クオリティ無視なだけあってやはりフレームの装飾はかなりいい加減な描写になっています。

・夏を描く

夏の妖精

こちらも基本プロンプトを部分改修しています。キャラ設定は「beautiful Summer fairy」、色指定で「 high contrast with limited color palette」を入れて色数を絞る演出をしています。装飾指定は「midsummer sun, blue sky and thunderclouds, sunflower」。ひまわりなどを入れてかなり具体的に夏を演出しています。
こちらも手や髪、フレームの装飾など、細部はかなりいい加減な描写になっていますが、今回は修正を入れていません。

・秋を描く

秋の女神

秋のキャラ設定は「beautiful Goddess of fertility(豊饒の女神)」です。色指定で「 high contrast with limited color palette」、装飾指定に「autumn leaves, fallen leaves, ripe fruit」としています。紅葉を入れたことで、絵全体が秋色に染まってくれました。

・冬を描く

冬の姫君

冬のキャラ設定は「beautiful winter princess」です。色指定で「 high contrast with limited color palette」、装飾指定に「snowy mountains, shining red sasanqua flower」としています。寒色系に染まる絵面にアクセントとしてサザンカを入れました。狙い通り赤がいいアクセントになりましたが、花の形はけっこうあいまいでサザンカっぽくない感じです。

▶バリエーションを作る

アール・ヌーボースタイルは強力なフォーマットです。それゆえ様々なバリエーションを楽しむことができます。たとえば漫画風との和合。アール・ヌーボーの装飾は日本の漫画絵の柔らかい線と非常に相性が良く、最高のマリアージュを誇っています。
以下に参考作品を掲載しておきます。このような感じでいろいろなバリエーションを作って楽しんでみてください。

今回はミュシャ風味一辺倒になってしまいましたが、クリムトスタイルに挑戦してみても面白いかもしれません!

塗りをちょっと工夫して変化を付けてみる
デフォルメを利かせてPOP寄りにしてもアール・ヌーボーは合う
力作漫画スタイルにフレームを合わせるとけっこう素敵
柔らかいタッチと塗りで和洋折衷の良さを引き出す
構図に一工夫。ネームだけあとからphotoshopで入れている

▶「AIイラストの表現力、半端ないって!」シリーズ


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