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脂質10gたんぱく質を20gで理想の栄養素を実現?島で挑む未利用魚の新たな可能性【No Fish No Life活動日誌 vol.6】

こんにちは!
未利用魚加工事業「No Fish No Life」のメンバーの乙川 翔太郎です。

私たちは「使われないをなくす。〜自分たちで獲った資源への責任を持つ〜」というビジョンのもと、未利用魚を活用して新しい価値を生み出す取り組みをしています。

今週も色々な進展がありました!新しい仲間の参加や、商品開発に向けた調査など、活動がますます充実してきています。今回はその報告をさせていただきます。
ぜひお楽しみください!


今週の活動内容報告

①新メンバー加入!

まずは、今週からメンバーに加わった10月の島体験生阿部くんのご紹介です!

・名前(なまえ):阿部龍亮(あべ りょうすけ)
・出身:東京都葛飾区
・趣味:釣り、競馬、最近は料理にもハマっています!

・来島した理由
大学を卒業してから、水産系の食品メーカーで働いていました。でも、工場での仕事をしているうちに、入社前に描いていた理想とのギャップに悩むことが増えていきました。その結果、モチベーションが低下し、退職を決意し、今、本当にやりたいことや好きなことを追求するために、島に来ることにしました。

・島でやりたいこと
この島での目標は、「水産業界の知見を深めること」です。具体的には、漁業を体験したり、鮮魚店で魚を捌いたり、販売を手伝ったりしながら、生産者の目線を持って業務に関わりたいと思っています。そうすることで、水産業界が直面している課題を理解し、私がどのように貢献できるのかを考え、行動に移したいと考えています。

プライベートでは、「釣りの技術向上」も目指しています。隠岐の素晴らしい海でしかできない釣りに全力を注ぎ、一人でも多くの人に釣りの魅力や魚食の楽しさを伝えられたら嬉しいです。

・3ヶ月の島体験への意気込み
「何事にも恐れず、チャレンジしてみる」というのが私の信念です。やらない後悔よりも、やる後悔の方がずっと価値があると思っています。この短い3ヶ月間の中で、挑戦を繰り返し、貴重な経験を積み、自分自身を成長させていきたいです。そして、島に対しても自分なりの形で恩返しができるように頑張ります。

これからの3ヶ月、皆さんと一緒に活動できることを楽しみにしています!どうぞよろしくお願いします。

②個人の強みを活かし、楽しみながら責任感を持つ仕組み作り

これまでの活動では、チーム全員で情報収集やレシピ開発、デザインに取り組んできました。メンバー全員で協力し、足並みを揃えて進めたことは一つの強みでしたが、ふと疑問が浮かびました。

「メンバーそれぞれの強みを、本当に最大限に活かせているのだろうか?」

さらに、全員で動くことで、一人一人の責任感が薄まり、「誰かがやってくれるだろう」という甘えが出てしまうことも感じていました。

強みを活かして役割を明確化

そこで、メンバー個々のやりたいことや得意分野を活かしつつ、責任感を持って楽しめる体制にするために、役割の明確化を進めました。こうすることで、メンバーが自分の強みを活かしながら、チーム全体のパフォーマンスを引き上げることができると考えました。

メンバーの役割紹介

  • 瀧 直人:筋トレが趣味で栄養管理に興味がある瀧は、魚の栄養素の分析を担当。また、動画編集が得意なので、TikTokやYouTubeショートでの発信も担当します。

  • 前田 博登:元パティシエで料理が得意な前田は、メニュー開発を担当。同時に、財務にもチャレンジしてみたいという希望があり、数字の管理も担当します。

  • 阿部 龍亮:水産業に興味を持ち、前職で魚の加工業に携わっていた阿部は、水産業界全体の課題整理と衛生管理、食品表示の確認を担当。また、Instagramでの広報も担当します。

  • 乙川 翔太郎:組織や経営に関心があり、事業づくりをすることに興味がある乙川は長期の経営戦略や構想を練ることを担当。また、文章を書くことにも関心があり、noteでの活動発信も担当します。


チームの強みを引き出す仕組み作り

このように、各メンバーの関心と強みを最大限に活かせる役割を設定したことで、一人一人が責任感を持ちながら、楽しんで活動できるようになりました。結果として、チーム全体の動きもスムーズになり、スピード感が増していると感じています。

今後も、それぞれの強みを活かしながら、さらなる成長を目指していきたいと思います。

③島民のための起業セミナーに参加!

先日、今後の商品開発や販売の勉強として、「売れるモノはこう作る!お客さん目線のマーケティング基礎 〜島民のための起業セミナー・第3弾〜」に参加してきました。

「マーケティングの基礎」について学び、多くの気づきがありましたので共有させていただきます。

セミナーで学んだポイント

1. 自分目線では売れない

私たちが「これを売りたい!」と思っても、それが必ずしも売れるわけではありません。大切なのは「顧客が何を求めているか」を考えることです。まずは、海士町ならではの強みを見つけることからスタート。そして、それが顧客のニーズに合っているかどうかを調べる必要があります。

2. 具体的な顧客イメージが大切

マーケティングとは、顧客に価値を提供し、彼らを幸せにするための活動です。そのためには、できるだけ具体的な顧客像をイメージすることが重要です。「誰に届けたいのか? その人は何を求めているのか?」を徹底的に分析し、その上で商品やサービスを作り上げることが求められます。

3. 4P分析で戦略を明確に

セミナーでは、商品を売るための基本的なフレームワークである「4P分析」も教わりました。

  • Product(どのような製品を売るのか)

  • Price(いくらで売るか)

  • Place(どこで販売するか)

  • Promotion(どうやって知ってもらうか)

これらを明確にすることで、効果的に顧客にアプローチできるとのことです。

4. インスタ運用の工夫

SNSの活用も重要なポイントでした。特にインスタグラムでは、「どういう思いで、どんな人が魚を獲っているのか」を伝えることで、商品の背景や価値を伝えることが大切です。また、トンマナ(トーン&マナー)を統一することで、ブランドの一貫性を保ち、顧客に信頼感を与えることができます。

【参考】@sandaimeunosuke

このように、セミナーで学んだ知識を活かして、今後の商品開発や販売に役立てていきたいと思います!
改めてこのような勉強の機会の提供ありがとうございました。

④トレーニーが求める理想の商品開発とは?脂質10g、たんぱく質20gがポイント!?

商品開発において、「ニーズをしっかりと理解すること」が重要だと、先日のセミナーで学びました。そこで、実際に食事管理に気を使っているトレーニーの友人にアポイントを取り、ヒアリングを行いました。彼らが日々気にしている栄養素について具体的な話を聞くことができ、今後の商品の方向性が見えてきました。

脂質10g、たんぱく質20gの重要性

トレーニーにとって、一日の脂質の摂取量は非常に重要です。例えば、「痩せたい人」なら一日の脂質量は40g、多くても50gに抑えたいとのこと。そのため、1食あたり脂質10g以内が理想だそうです。

魚は一般的にヘルシーなイメージがあり、トレーニーにも推奨されることが多いですが、鯖などは脂質が多いため、食べる量には注意が必要です。一方で、鶏むね肉は脂質が少なく、たんぱく質源として人気があります。しかし、鶏むね肉だけでは栄養バランスが偏りがちだという問題もあるとのこと。

魚の加工品に求める条件

ヒアリングの結果、理想的な魚加工品の条件は、脂質10g、たんぱく質20-30gを含むことだと分かりました。この条件を満たせば、トレーニーも購入を検討する可能性が高いようです。特に、オメガ3脂肪酸を含む魚は健康に良いため、鶏むね肉よりも優れた選択肢と感じる人も少なくありません。

「鶏むね肉は脂質がほとんどないけれど、魚の方が栄養バランスが良く、体に必要な脂質も手軽に摂れる。だから、脂質10gで価格も安い魚の加工品があれば、ぜひ買いたい」といった声がありました。

脂質は減らしすぎないことが大切

脂質は、ホルモンの材料にもなるため、特に女性にとっては適切な量の摂取が欠かせません。女性の場合、1日の脂質摂取量の目安は30-45gで、これを下回ると健康に悪影響を及ぼすこともあるそうです。脂質を極端に減らすダイエットは避け、バランスよく摂取することが求められます。

たんぱく質の多様性が必要

たんぱく質の摂取に関しては、アミノ酸スコアを気にする必要があるとのこと。アミノ酸スコアとは、たんぱく質を分解したときに得られるアミノ酸のバランスを示す指標です。鶏むね肉だけではこのバランスが偏るため、魚や卵、納豆など、さまざまな食品からたんぱく質を摂取することが推奨されます。

まとめ:トレーニーに支持される魚加工品とは?

今回のヒアリングを通じて、トレーニーが求める魚加工品は以下の条件を満たすことがポイントだと分かりました。

  • 脂質10g以内

  • たんぱく質20-30g

  • オメガ3などの良質な脂肪を含む

  • 価格が手頃

これらの条件を満たす商品が開発できれば、鶏むね肉に代わる新たな選択肢として、トレーニーにも支持されるはずです。今後の商品開発に大いに役立つ貴重な意見でした。

感想

今回の活動では、新しいメンバーが加わり、マーケティングについて学びながら、トレーニーのニーズ調査も進めることができました。それぞれの経験からたくさんのヒントを得て、今後の商品開発に向けたアイデアが広がっています。特に阿部くんが加わったことで、チームに新しい視点が入り、新たな風が吹くことが予想されます!

ただ、「消費者が抱える明確な負」についてはまだ明確にできていないので、もっと調査したり、実際に声を聞いたりして、自分たちが提供できる「価値」について考えていきたいです。そのためにも、前回水谷さんから学んだ「誰にどんな価値を提供したいのか?」をしっかり突き詰めて、私たちの事業構想を「シャープに」していきます。

改めて、今週も協力していただいた皆さん、ありがとうございました。これからも【No Fish No Life】の応援、よろしくお願いします!

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