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【イベントレポート】島の魚と出会う特別な夜 〜40名の参加者と考えた海士町の食の現状〜【No Fish No Life活動日誌 vol.12】

こんにちは!
未利用魚加工事業「No Fish No Life」です。私たちは「使われないをなくす。〜自分たちで獲った資源への責任を持つ〜」というビジョンを掲げて未利用魚の加工事業に取り組んでおります。

今回は、大人の島留学生の立場で運営に関わっているレストラン船渡来流亭にて11月30日(土)に開催された「島の魚と出会う特別な夜」イベントについて、その様子をご報告させていただきます。当日は「大人の習い事シリーズ」過去最多となる40名の方にご参加いただき、大変な賑わいとなりました。

イベント概要
日時:11月30日(土) 18:00-20:00
場所:レストラン船渡来流亭(セントラル亭)
参加者:40名
テーマ:海士町の魚の未来について考える

イベントのチラシ

当日ご参加いただいた方、ありがとうございました!
今回は当日のイベントの様子をお伝えします🤲

▼イベントの詳細はこちら


開催の背景と目的

今回のイベントは、レストラン船渡来流亭(セントラル亭)が主催する「大人の習い事シリーズ」の一環として企画されました。レストラン船渡来流亭(セントラル亭)は、1次産業(漁業)、2次産業(水産加工)、3次産業(飲食店)のそれぞれが今後連携し、支え合うことで、より豊かな食の循環を生み出すことができると考えています。このようなつながりを作っていきたいという想いから、今回のイベントが企画されました。

本イベントでは「普段なかなか知ることのできない海士町の漁業の今」を知っていただき、実際に海士町産の魚を味わうことで、「海士町の魚の現状」について共に考えるきっかけ作りの場として開催されました。

私たち「No Fish No Life」は今回、未利用魚の活用という視点からイベントに参加させていただきました。「未利用魚」は味には問題はないものの、さまざまな理由によって市場には出回らず使われていない魚のことを指します。これらを今回のメニューの中心に据えることで、漁業のひとつの課題でもある「未利用魚問題」についても知っていただき、持続可能な漁業を考えるためのきっかけになればと思っています。

レストラン船渡来流亭(セントラル亭)は、食を通じて島の人々やものが繋がり、新しい循環を生み出していくことを目指しています。だからこそ、レストラン船渡来流亭(セントラル亭)と私たち「No Fish No Life」は、それぞれの立場から海士町の食の現状に向けて、さまざまな取り組みを続けていきたいと考えています。共に目指すのは、持続可能な漁業と、豊かな食文化を育む地域づくりです。

このような想いのもと、当日は以下のようなスケジュールで、多くの皆様にご参加いただきました。

イベントハイライト

タイムスケジュール
18:00〜19:00 第1部:海士町の漁業を知る
漁師さんから直接聞く、海の今
・新しい水産加工の取り組み紹介
・質問タイム

19:00〜20:00 第2部:美味しく語らう交流会
特別メニューを囲みながら
・少人数のテーブルで
・参加者同士の自由な対話

16:00 食材の仕込み&会場準備

未利用加工事業「No Fish No Life」の商品を使用した特別メニューの準備に取り掛かりました。40食分の準備は大変でしたが、参加者の皆様に喜んでいただける期待に胸を膨らませながら丁寧に仕込みを進めました。

40食、9種類のお料理を次々に仕込んでいきます!
これだけ多くの方に向けて、お料理をご提供することの大変さに色々な気づきがありました。

17:45 イベント受付開始

続々とご参加者の方がいらっしゃいました。

イベント準備の様子

18:00 第1部:海士町の漁業を知る

①漁師さんから直接聞く、海の今

地元漁師の方から、海士町の漁業の現状についてお話いただきました。

漁業についての説明

まず、海士町の漁業の今を知っていただくため、地元漁師の方から現場の現状についてお話いただきました。定置網漁の仕組みについて、実際の模型を使用しながら、魚の回遊経路や漁獲のタイミングなど、専門的な視点からの解説が行われました。

実際のプレゼン

特に印象的だったのは、近年の海の変化についてのお話です。「獲れる魚の種類が昔と変わってきている」という事実は、気候変動が確実に地域の漁業に影響を与えていることを実感させるものでした。これからの漁業のあり方を考える上で、重要な問題提起となりました。

スライドの写真

また、網のメンテナンス作業についても詳しく語っていただきました。早朝からの重労働や、天候との闘いなど、普段は知ることのできない漁業の裏側について、臨場感のある説明に参加者は熱心に耳を傾けていました。

②新しい水産加工の取り組み紹介

No Fish No Life プレゼン

続いて、「No Fish No Life」からは未利用魚を活用した新しい取り組みについて発表させていただきました。未利用魚が生まれる背景や現状について、実際の写真を交えながら説明を行いました。特に、なぜ美味しい魚が市場に出回らないのか、その構造的な課題について、具体例を挙げながら共有させていただきました。

未利用魚の説明
実際の未利用魚の写真

また、私たちの活動として進めている加工品の開発過程や、実際に行っている取り組みについても紹介させていただいたことで、未利用魚の新しい可能性を探る私たちの想いを丁寧にお伝えすることができました。

スライド①
スライド②

19:00 第2部:特別メニューを囲んでの交流会

トークセッション終了後、いよいよ未利用魚を使った特別メニューの提供が始まりました。この日、参加者の皆様に味わっていただいた料理をご紹介します。

本日の特別メニュー

・三種の昆布漬け(イシガキダイ、カワハギ、アカバ)
・マルゴの練りゴマ漬け
・ヒラマサのカルパッチョ
・ムロアジの甘辛煮
・鯖の味噌煮
・カワハギの香草揚げandムロアジの香草揚げ
・温泉卵
・アボカド
・特製あら汁

「これが未利用魚なの?こんなに美味しいのに!」「昆布漬けの味付けが絶妙」「香草揚げの食感が新しい」など、参加者の皆様からは驚きの声と共に、たくさんの嬉しい感想をいただきました。

お食事の様子

会場では参加者の皆様がそれぞれのテーブルで、和やかな雰囲気の中、お料理を楽しまれていました。

特に印象的だったのは、地元の高校生や島の子どもたちも参加してくださったことです。様々な世代の方々に海士町の魚の魅力を知っていただく貴重な機会となりました。この日の出会いや気づきが、海士町の食の未来につながっていくことを願っています。

感想と今後に向けて

今回のイベントを通じて、私たちが目指す「食を通じた地域の繋がりづくり」の第一歩を踏み出すことができました。40名もの方々にご参加いただき、海士町の食の現状について共に考え、語り合える貴重な機会となりました。特に印象的だったのは、未利用魚に対する皆様の反応です。「こんなに美味しいなら、もっと活用すべき」という声を多くいただき、私たちの活動の意義を改めて実感することができました。

メンバーの集合写真

また、2歳のお子様3名を含む10名のお子様から大人の方まで、全ての方がお食事付きをお選びくださったこと心より感謝申し上げます。さらに、イベントのアンケートでは「これを通常メニューに加えてほしい」というありがたいご意見を複数いただき、島内での魚料理への需要が幅広い年齢層にあることを実感できました。味付けについても貴重なご意見を数多くいただき、今後の改良に向けての具体的なヒントを得ることができました。皆様からいただいた温かいお言葉とご指摘を胸に、より良い料理を提供できるよう努めてまいります。

このイベントで実現できた1次産業、2次産業、3次産業の連携、そして未利用魚の新たな可能性の提案。これらは一つのイベントで終わらせることなく、継続的な取り組みとして育てていきたいと考えています。レストラン船渡来流亭(セントラル亭)と私たち「No Fish No Life」は、それぞれの立場から海士町の食文化をより豊かなものにしていくため、これからも様々な挑戦を続けていきます。

最後になりましたが、ご参加いただいた皆様、ご協力いただいた関係者の皆様に心より感謝申し上げます。これからも海士町の食と現状について、共に考え、行動していけることを楽しみにしています。

今後とも「No Fish No Life」をよろしくお願いします。

アンケートのご回答と、沢山の貴重なご意見をありがとうございました。
自宅に持ち帰り、じっくり読ませていただきました。

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