8通りの本の読み方 (中編2):蔵書3000冊超のボクの読書
つづきものです。8通りの本の読み方の「本読みの基本スタンス」と「順序(図の右側)」「向き合い方(左側)」まで説明しました。
前編超まとめ
「自分にとって”いい本”の”いい部分”だけを、たくさん、ラクに読むため、まず最初に”聴く読書”を行う」 詳細はこちら
中編1超まとめ
「朝食時テレビニュースを見るが如く、まずは流し聴きを専らとし、自分が反応した情報、考えのみに意識を向ける、自分の血肉としたい情報、考えは効率的にGoogle Keepに残しておく」 詳細はこちら
今回の(中編2)では、実際の[読み方]を説明しながら、[向き合い方]で触れなかった「能動的(主体的)」な本の読み方についても解説していきたいと思います。本を読めない娘に、どうすれば本が読めるかについては、(後編)で考えてみたいと思います。
実際の本の[読み方]
図の下の方(レベルの低い読み方)から説明していきます。[割合]はイメージです。合計しても100%にならないと思いますが、そこは含みおき下さい。
8.とりあえずキープ、積読
ボクの場合は、まずは聴く読書から入るので、本をテキスト化しておく必要があります。紙書籍の場合は、裁断して、スキャンして、OCR処理をし、テキスト化します。デジタル書籍の場合は、画面キャプチャーを撮り、OCR処理をして、テキスト化します。少々手間ですがこれをしないと”ボクの読書”はスタートしないので、まずはこの作業を行います。読む前の準備です。
大袈裟にいえば、いつ何時でも本を聴けるように本ストックを貯めておく作業と言えます。特にKindle Unlimitedの場合は、対象期間が過ぎてしまうとサブスクでは読めなくなってしまいます。気になったらすぐに保存しておく必要があります。そういう意味でもボクにとって”積読”(作業)は重要です。
Kindle Unlimitedの合法的保存方法についてはこちらを参照下さい。親切、丁寧にまとめて書いています。どうやらGoogleの検索上位にヒットするようで、ボクの記事の閲覧数No.1のnoteですw
7.聴くのを途中でやめる
”積読”しているストックの中から”読もう”と思った、その時に興味のある本をピックアップします。大抵の場合は、最近OCR処理をしたものからピックアップしがちですが、2-300冊ぐらい”未読”の本があるので、その中からもピックアップします。
本当にときたま、既読の本からもピックアップします。「あれ、この点について、あの本ではどう語られてたっけ?」など、良書、超良書は自分が必要なときにその存在を思い出させてくれます。当然、Google Keepの読書メモも頼りにしますが、良書、超良書は内容の全体イメージを記憶できているようです。
ピックアップした本を聴き始めると、のめり込んで聴くものもあれば、予想に反して面白くない、全然引き込まれていかないといった本も、ある程度はあります。最悪の場合は、全く共感できない、といった本もあったりします。そんな本に出会ったら、すぐさま聴くのを辞めてしまいます。その本を聴かなければならない積極的理由などないからです。
(前編)でも書きましたが、同じテーマについて書かれている本は世に複数存在します。あえて、感性が合わない本を読む必要はありません。すぱっと、読むのを辞めてしまいましょう!
割合的には10ー20%と、結構ありますw このぐらい途中で聴くのをやめる本があります。しかし、世の中には読みたいと思う本が何冊もあるので全く問題ありません。
*ここまで書いて気づきましたが、「割合」が「割当」となっていたり、「7.聴くのを途中」が「7.聴くの途中」と図内の誤字がありますね。元ファイルを誤って消してしまったためにBitmap修正しなければなりません。時間かかるので、後日ということで、お許し下さい。。
6.聴くだけ
一番多いパターンです。ボクの、本を読むスタンス、向き合い方は、まずは受動的に聴くことです(中編で詳しく記載)。ネガティブ(聴くのイヤ)やポジティブ(「おぉ!すごいいい!メモメモ!」とか)に反応せずに、耳心地、脳心地よく、娯楽として一冊を楽しむ感じです。
ビジネス書であれば、ビジネス系のテレビを見るような感じです。わざわざメモを取るまではしないが、60分間ずっとテレビを興味深く見る、といった行為に近いと思います。具体的な番組名でいうと、”カンブリア宮殿”とか”ガイアの夜明け”等を見ている感じです。
一方、小説であれば、テレビドラマや映画を見るように、物語を楽しむ感じです。この頃、箱根への長距離ドライブ頻度が多いので、メモをとる必要がない(メモをとりたいという衝動に駆られない)小説は意図的に”積読”量を増やすようにしています。気に入った作家さんが出てくれば、過去の作品を入手し、片っ端からテキスト化、運転中に聴く読書すれば、有意義なドライブ時間が過ごせます。しかし、そんな作家さんは、なかなか出現してくれません。小説ストックだけは枯渇状態です。。
5.聴くだけ、要点数個
メモをとりたいという衝動に駆られた本に対しては、受動的な耳で聞く読書にプラスアルファして、能動的、主体的アクションを行います。Google Keepを使って音声入力でメモをとります。
音声入力でメモを取る理由は、入力が圧倒的に早いのと、歩きながらでも長文のインプットができるからです。
この「5.聴くだけ、要点数個」は、実は「4.聴きながら音声入力」と内容やアクションはほとんどかわりません。メモ量の違いだけです。ただし、ボクの中での位置づけはだいぶ異なります。
5.に該当する本は30-60分聴く読書をしながら、参考になる箇所を数箇所程度、Google Keepでメモをとります。あとで読み返すほどではないが、ある部分、あるフレーズについては、自分にとって未知の内容、忘れかけていた内容があった程度の本です。そのため、人に薦めることもありません。
箇条書き本、キュレーション本に多い感じです。20-30個の内容を網羅的に書いているのですが、二番煎じ的な内容が多く、新たな視点はほとんどありません。薄っぺらい主張、どこかで聞いた内容がほとんどです。ただし、自分が知らない、忘れてしまっていることが1,2個ある。そんな感じの本です。
そんな本でも、素直に、自分の足りない情報をメモにとり、自分をアップデートさせていただきます。
4.聴きながら、音声入力
ここに該当する本はボクの中では「良書」と位置づけています。実際に読むほどではないけれど、聴きながらGoogle Keepにメモをとりまくる状態の本です。あるいは、聴き心地がよく、気分を高揚させてくれる本です。再読することもしばしばある類の本になります。
この「良書」は、主張の論理展開が明確で、それほど抽象度が高くなく、聴くだけで理解できるのが特徴です。
耳から聴く読書は、一定の速さで情報が提供されるため、その情報をそれと同等の速さで理解しなければいけません。そのため、筆者の論理展開を正しく理解する脳の処理力と、次にくるであろう主張や情報を受け入れられる脳処理のバッファが必要になります。
ボクの場合は、3倍速で聴いてこの一連の処理を行っています。最初から3倍速で聴くことができたわけではなく、1.5倍速、2倍速、2.5倍速、3倍速と速度を上げていくうちに、3倍速が当たり前になってきました。聴く能力が向上したというより、聴いた内容を理解する脳処理能力が向上した、あるいは、脳処理能力とバッファの持ち方のコツを掴めるようになったため、3倍速で聴く読書ができるようになったのではないかと推察しています。
このような聴く読書をしていても、当然、前段の論理展開から次に結論や筆者の主張が来ると予想できます。その内容が脳バッファに入り、言語処理された段階で、予想通り重要であると感じた、あるいは自分にとって未知な内容であった場合、その内容をメモに残しておこうという衝動に駆られるのだと思います。
この発生頻度が高い本をボクは「良書」と言っています。
別の側面、時間価値から「良書」を考えてみます。「良書」は、より多くのメモを取ることになります。ボクの場合は、Google Keepの音声入力でメモを取るので、手で書く、キーボード入力するよりは、圧倒的に速く、どこでも行えています。しかし、それなりに能動的、主体的なアクション、時間を必要とします。この労力をかけてまで行いたいと思わせるのも「良書」の特徴です。
今回「8通りの本の読み方」を紹介したいと思った理由でもあるのですが、ボクは、読書は時間効率を意識した読み方が必要だと考えています。速く読む、飛ばし読みする、じっくり読む、といった既存の読み方分類は粗すぎます。本を読む目的に即した、より効果的な読み方をすべきだと考え、実践してきました。その方法をご紹介しています。
*読めない娘への読書は、この脳処理とバッファがキーになるのではないかと考えています。この内容は(後編)で!
3.読むだけ
漫画、あるいは雑誌がこれに該当します。情報感度を維持するためにも、雑誌は目を通すようにしています。主張的内容は読むのは大変なので行いません。いいな、と思った場合は、その内容をOCR処理して、聴いています。
ちなみに、noteやブログについても、気に入った方の内容はまとめて聴いています。1000字程度の内容を読んだところで読了感はそれほど良くありません。その1000字の内容をまとめて、たとえば10記事、20記事とまとめて聴くと、意味あるものに感じます。
2.読んで、直接本に書き込む
1.読んで、ノートにまとめる
ここまでお読み頂いた方は理解されていると思うのですが、ボクは、本の読み方に優先度をつけています。「目で読む」という行為は、基本「超良書」にしか行いません。受動的に自分のフィルターで情報を取捨選択した後に、「超良書」とカテゴライズし、自分の時間を割いて、主体的、能動的に読む価値がある本しか目で読みません。
なぜなら、目で本を読む行為は時間効率がとても悪いからです。疲れるし、あまりしたくありません。
いい内容かわからない本に時間を費やすのは博打です。経験的にいうと、「超良書」の確率は数%です。その数%のために、最初から目で本を読むのは効率が悪すぎる、あるいは博打的要素が高すぎると思うのです。
そのため、まずは受動的な耳で聴く読書をした後に、次の事柄に該当しそうな場合には、目で読む読書をしています。
・正しく理解する価値があるが、抽象的過ぎて理解できない
・一方的に聴くフロー情報の咀嚼だけでなく、自分の考えや知識と照らし合わせ、筆者の主張からその内容をさらに深化できないか
・この筆者のやり方、考えを現在検討している事案に応用するにはどうすればいいか
など、読むだけでなく、考えることをしたい場合、自分の考えにインスピレーションを与えてくれそうな本を「超良書」と呼び、能動的、主体的に時間を使って目を使って読んでいます。
読むすスピードはとてもとても遅いです。自分が反応したところを丹念に自分の置かれている状況、あるいは文章上のコンテキストを考えながら読んでいます。読んでいるより考えている時間の方が多いかもしれません。
その際には、躊躇なく本に自分の考えを書き込みます。「超良書」は自分に多くのインスピレーションを与えてくれます。そのインスピレーションを記憶、言語化するためには、メモを取る必要があります。メモを取らないと、せっかくのインスピレーションは、おそらく消えてなくなります。
本を読み、そこで感じたインテグレーションを残さない、つまりメモを取らないのは本当にもったいないことだと思います。本が汚くなるのを嫌がる方が多くいますが、本は飾るものでも、コレクションするものでも、人に見せるものでもありません。自分の血肉になる知識を得るためのものです。その血肉にするために、最適、効率的、そして有効的な方法をとるべきです。メモを取るという行為はこの目的、要件に即した行為です。
自分のインスピレーションで本にどんどん書き込みをしましょう!
*ちなみにボクの本は、6冊を除いてすべて電子化されているので、PDFにタッチペンで書いてます。「超良書」はメモだらけですw
その後、Google Keepにメモとしてまとめます。最初からGoogle Keepにメモをとると、本の文面、コンテキストから得たインスピレーションが消えてしまうような気がします。本は表面的には無味乾燥な文字情報にしか過ぎないのですが、そこに著者の主張や考え、情報が加わることで、インスピレーションを与えてくれます。よく言われることですが、著者との対話の中で感じたインテグレーションをその紙面(ボクの場合はiPad上ですが)に、加工することなく残してしまうのがよいと思います。
Google Keepのメモは、その本一冊の読書メモあるいは、あるカテゴリーに関する”まとめノート”にまとめます。”まとめノート”に新たな情報、知識を加えることで、既存の知識や考えをを深化させることができます。
若い時には、マーケティング、経営学関連の本を読んだ際に参考になった箇所をまとめたノートを作っていました。実際にはMS-WORDにノートとしてまとめていました。音声入力もなく、OCRをかけた本からのコピー&ペーストでもなかったので、そのまとめノートに記入する作業は非常に時間を費やしました。
しかし、このまとめノートこそ、今のボクの知識、経験の血肉を得るのに大きく役立っていると確信しています。
このnoteを読んでくださった、若い方に伝えたいのは、自分が得たいと思っている分野のノートを社会人になってもまとめてほしいと思います。何年か先に、この”まとめノート”が自分の血肉になっていると感じてもらえると思います。
ちなみに、ノートもただまとめるだけではなく、効率的にまとめるべきだと考えてます。本の読み方ではありませんが、派生として「読書ノートのまとめ方」についても考えを書かせていただきます。
読書ノートのまとめ方
何度も書いていますが、ボクの場合は、6冊を除いてすべての本が電子化されており、ビジネス書関連本については、OCR処理(テキスト情報を抜き出せる)されています。そのため、コピー&ペーストはとても容易にできるようになっています。その前提でお読み下さい。
[効率的、効果的な読書ノートのまとめ方]
✔個別の読書メモの他に、分野のまとめノートを作る
✔重要と思い、マークした箇所をまとめる場合は、コピー&ペーストで行う
✔マークした箇所が長文のために要約したい場合は、音声入力で行う
「分野まとめノート」については、上述したとおりです。ボクの場合は、若い時はマーケティングの知識などで行っていましたが、今は不動産投資、それも「土地から新築建築」の知識習得のためにこのやり方を実践しています。「土地から新築建築」については、教科書的な本が存在しないため、複数、それこそ数十冊の内容から知識や情報を抜き出してまとめている感じです。このように、なかなか網羅的な書籍がないときには、この「分野まとめノート」は有効です。意識的に作成するようにしています。
ついでにご紹介すると、この「分野まとめノート」は今はMS-WORDではなく、マインドマップで作成しています。当然手書きではなく、コピー&ペーストができるPCアプリのマインドマップです。関連事項に新たな情報を追記でき、それを俯瞰的に見れるのでマインドマップはオススメです。
ボクの場合は、キーワードだけのマインドマップではなく、センテンス中心のマインドマップです。放射的に要点をまとめることはせずに右側だけに表示させています。そのため、ちょっと長いセンテンスもバランスよく表示させることが可能です。
ほとんどの方は興味ない内容だと思うのですが、参考として「土地からら新築」のマインドマップの一部をお見せします。こんな感じで新たな知識を得た場合は、項目の再カテゴライズ、追加、削除、修正を容易に行えるようにしています。
「コピー&ペーストで行う」は、電子化しているからできる時短ワザです。Kindleでもセンテンス程度のコピー&ペーストはできるの活用するといいと思います。量が多い場合は、コピー&ペーストはせずに、その本でマーキングしたところを素早く見つけられるインデックスやタグなどのまとめを作成した方がいいかもしれません。あるいは、それこそマインドマップで1冊の本を要点だけまとめる(ページ数も記載)、などするといいかもしれません。
ボクの場合は、以前は本一冊のまとめもマインドマップで行っていたのですが、まとめに時間がかかるので、やめました。また、本まとめが分散してしまい、検索性が著しく悪かったので、現在はGoogle keepに集約しています。この場合、まとめが箇条書きになるため、マインドマップのように網羅的には把握できません。検索と網羅性で検索を優先させた結果なのでまー仕方ないかなと思っています。
「音声入力でマーキング箇所を入力する」は、Google KeepあるいはGoogle Documentで行います。電子化していない紙書籍等のマーキングした箇所を読み上げるのでもいいと思います。入力するより圧倒的に速く入力が完了します!
ボクの場合は、歩きながら音声入力したGoogle Keepや、歩きながらコピペしたGoogle Keep内容の誤字修正、体裁統一などが、メインとなっています。音声入力した、あるいはOCR化したセンテンスは、90%以上の精度ではありますが、まだ100%ではないので、このちょっとした修正作業は必須です。
まとめ
この”メモ”を行うのは、読んだ本の20-30%です。”ノートまとめ”までするのは数%です。読んだ本の内容を自分の血肉とするためには、このぐらいの能動的、主体的アクションは行っていいのではと考えます。その分、まずはラクに受動的に本を読み、情報の取捨選択を行うべきだと考えます。
かなり、刺激的な(!)本の読み方の紹介だったと思います。ボク自身ここまで割り切った読み方をされている方は知らないので、初めて聞く内容だった方も多いことでしょう。
少しでも参考になった点があれば幸いです。このやり方をすれば、より多くの本を読めるようになるはずです!