短歌 鳥来月の湯 #あたたかな生活 #シーズン文芸

note文芸部が新たにお送りする #シーズン文芸 創作企画!
3・4月のテーマは「あたたかな生活」。

本日はこの方、辰巳ろんさんです!



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風からの虹色せっけん泡立ててさくらの国へ出かけるよサァ


あたらしい傷をカモミールで温湿布ぬるいお湯に沈めるハート


チューリップ弥生貝殻ティーカップしゃぼんのへやのお茶会についた


旅立ったコリアンダーはどうしてるおなかがすいたら帰っておいでよ


夢見月ボディの泡に思い出すむかしはわたしも魚だった


たしかめるなでしこリップのアンジェリカ天使がきっと守ってくれるから


ポンポンポンシャンプーポンプで占うのあしたはリボンを結べるか


かわいいマヌカ春の雨と踊ってる耳に大きなオパール下げて


ぬくとぉいおふろのふねで川下りリンゴのなる木に伝える真名


泣き笑い足りないトルソを温めてあの陽のラベンダー待っている

 

寒かった夜空の名残もとけていく鳥来月の湯に羽をなびかせ
−鳥来月(とりくづき)


背を伸ばす森のレモングラスじぃんわり熱もつ裸足は汚れない


シャワーからあつい真珠をふりかけて今夜わたしキレイになりたい


イランイラン一番好なミルク色スポンジあてる胸のやわさ


ただいまと曇りかがみに挨拶しカーテンひかる屋根裏部屋に帰ろうか


貝寄風と君を追う日は茉莉花茶ネイル整えきっと追いつく
−貝寄風(かいよせ)


ひなたのタオルでふやけた体をつつみこむあの花畑を思い出しつつ


つやつや春風ふろあがりのジンジャーはぽかぽか眠る夢も見ず

 


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辰巳ろんさん、ありがとうございました。
それでは次回もお楽しみに!

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