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バンコクの渋滞は大したことない
バンコクのスクンビット通りの渋滞は、もはや観光地化している。先月、イサーン地方から友達の両親がバンコクへ来た際、見事に渋滞にはまり、たかが数キロ(エガマイからプロンポン)の移動に1時間も費やした。移動に疲弊しきったと思いきや、渋滞の写真を撮ってはFacebookでシェアするなど、田舎からバンコクへ旅行に来た人たちにとって、バンコクの渋滞は良い話題になるようだ。
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トラフィック・インデックスを計算するNUMBEOによると、バンコクの指数は世界25位。バンコクの淀んだ黄色い空気、鳴り止まないクラクションを想像すれば、この結果に違和感はない。この指標は通勤時間、交通に費やす時間に対する不満、CO2排出量、交通システム全体の非効率性などを考慮した複合指標で、都市の全体的な交通状況を把握できる。一位はナイジェリア最大の都市ラゴス。
だが実際にはバンコクより深刻な渋滞に苦しむ都市は山程ある。tomtomによると、バンコクは57位で、10km移動平均時間が20分40秒だとか。ちなみに1位はロンドンで36分20秒と、バンコクと比べると16分も多く費やす結果となっている。
世界6大陸56カ国390都市をカバーするTomTomは、6億台以上のGPSとフローティング・カー・データ(FCD)プローブのグローバル・コミュニティを活用して、流速を測定し、道路上の渋滞やその他の事故をリアルタイムで検出している。
このデータを複数の情報源から収集している:
・スマートフォンのパートナー
・人気のライドヘイリングおよびナビゲーションアプリケーション
・自動車パートナー
・車両管理システム
・TomTom接続ナビゲーション・デバイスおよびスマートフォン・アプリのGPSプローブ
以下の二つの表(上バンコク、下ロンドン)は10kmあたりの所要時間を曜日ごと、そして2時間間隔で集計されている。バンコクでは通勤時間帯に合わせて移動時間が長くなる傾向が見られるが、ロンドンでは朝8時以降から夜20時までずっとラッシュアワーが続いている。
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バンコクでの10kmあたりの所要時間を表示
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ロンドンでの10kmあたりの所要時間を表示
多くの都市が渋滞軽減の取り組みを進めているが、解決策は単純ではない。公共交通の整備、道路インフラの改善、適切な交通ルールの制定など、多岐にわたる戦略が求められる。ロンドンは交通渋滞税の導入など、一歩先を行く渋滞軽減策を展開している。上記の集計結果を見ると、渋滞税の効果を薄いようだが。
渋滞は単なる時間の無駄ではなく、経済的な損失、健康への影響、環境へのダメージなど、多岐にわたる問題を引き起こす。バンコクが世界と比較して渋滞がさほど悪くないとしても、今後の成長と共に、より賢明な交通戦略が求められる時代が迫っていることを忘れてはならない。