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漫画好きの、漫画好きによる、漫画のミライを考えるイベントが今年も開催されます

こんにちは、ナンバーナイン取締役CXOのころくです。早いもので2024年もあと1ヶ月を切りました。寒さもギアを上げてやってくるでしょう。

みなさんが年末と言われて思い出すものはなんでしょうか。忘年会、クリスマス、紅白歌合戦、旅行……etc. 楽しいことはきっと色々ありますよね。

僕にとっての年末は、漫画家ミライ会議です。

無料のトークイベント「漫画家ミライ会議2024」、開催します

新型コロナウイルスが猛威を振るう2020年12月に始めた漫画家さんのためのオンライントークイベントが、今年もやってまいりました。

<漫画家ミライ会議とは>
電子コミック市場の急伸や海外読者の増加など、成長を続けている漫画業界において、最前線を走るクリエイターたちが何を考えながら漫画と向き合っているのか。「漫画家ミライ会議」は、激変の渦中にある漫画家や漫画業界の”いま”について、様々な角度から意見をシェアし合う漫画家のためのトークイベントです。

今年のメインテーマは、「ターニングポイント」です。メディアミックスの是非やwebtoonの盛り上がりなど、 漫画業界では今年もさまざまなニュースが飛び交いました。そこで今回は、ターニングポイントをキーワードにした5つのセッションをご用意。セッションを通じて、漫画にかかわるすべての方々が少しでも未来に向けたヒントを得ていただけたら嬉しいです。

イベント当日はYouTubeで無料生配信予定ですので、是非いまから予約しておいてください! ※もちろんアーカイブもあり

2年ぶりの開催となった今年は、12月8日(日)の12時15分から20時まで約8時間で5つのセッションをお届け。このnoteでは、各セッションを企画した背景についてご紹介させていただきます。

【SESSION 01】 12:30-13:45 デジタルからリアルへ、多角化する漫画の広げ方

毎年数多の漫画が誕生し、熾烈な人気争いを繰り広げています。本セッションでは、紙もデジタルもリアルも、多角化している漫画の広げ方について、デジタル書店、リアル書店、漫画家それぞれの立場から考えていきます。

最初のセッションは、「漫画の広げ方」です。

紙の単行本から電子コミックに売上のシェアが遷移している昨今ですが、SHIBUYA TSUTAYAがIP(Intellectual Property、知的財産)に注目したIP書店のフロアを新設したり、リアルな店舗で漫画を広く届ける取り組みも見られるようになってきました。

そこで今回は、「漫画の広げ方」をテーマに、電子コミックストア、書店員、そして漫画家の三者の視点から語っていただくセッションをご用意。特に漫画家として出演いただく矢野トシノリさんは、商業だけでなく同人作家としても人気を集めており、個人でも売り方、広げ方を意識して活動されている方です。

ストアや出版社だけでなく、漫画家さん個人としても「自分の漫画をどう広げていくのか」を考えられるようなセッションになれば嬉しいです。

【SESSION 02】 14:00-15:15 『ねずみの初恋』はなぜ、ヤンマガ史上最速でヒットしたのか

ヒットする漫画の裏側には、漫画家と編集者の幸せな関係があるはず。本セッションでは、ヤングマガジン史上最速でヒットを記録した『ねずみの初恋』作者の大瀬戸陸さんと担当編集・白木英美さんに出演いただき、「漫画制作プロジェクトを良い方向に向かわせる」ためのヒントを探っていきます。

2つ目のセッションは、漫画家ミライ会議でも過去に実施した「漫画家と編集者の幸せな関係」シリーズです。

2021年は『チ。―地球の運動について―』の作者・魚豊さんと担当編集の千代田修平さん、2022年はBL漫画『百と卍』の作者・紗久楽さわさんと担当編集・小林愛さんにご出演いただきました。

漫画に限らず、いい作品は作家と編集者のいい関係の上にある。そんな仮説に基づいてシリーズ的に追いかけている本セッションですが、第3弾は『ねずみの初恋』作者の大瀬戸陸さん、担当編集の白木さんにご登場いただきます。

南勝久さんの『ザ・ファブル』がメガヒットして以来、「殺し屋」が一つのジャンルとして確立されつつある昨今の漫画界。そんな中、突如流星の如く現れた『ねずみの初恋』は、連載開始当初から大きく注目を集め、ヤングマガジン史上最速のヒットを記録しました。

「殺し屋」と「初恋」をかけ合わせたギャップの魅力はもちろんのこと、ともすると出オチになりかねない設定を凌駕する物語の意外性に毎週目が離せません。

はたして、そんな同作はどんな風にして作られたのか。さらには、大瀬戸さんと白木さんはどうやって出会ったのか。二人の考える「作家と編集の幸せな関係」とは。色々と掘り下げてみたいと思います。

お二人の創作論編集論が垣間見えるYouTubeでも御覧いただきながら、楽しみにお待ちください。

【SESSION 03】 15:30-16:45 令和版・少女漫画創作論

少女漫画は、繊細な10代女性の”いま”を映す鏡のようなもの。では、少女漫画家はどのようにしてその"いま"を捉えているのでしょうか。本セッションでは、『顔だけじゃ好きになりません』作者の安斎かりんさんと『春と嵐とモンスター』作者のミユキ蜜蜂さんに出演いただき、アイデアの源泉や制作のこだわりなどを伺います。

続いては、いまをときめく大人気少女漫画家のお二人に創作論を語っていただきます。

40歳を目前にして、流石に少女漫画を大量に読むことはなくなりましたが、それでも僕は矢沢あいさんの名作『天使なんかじゃない』が今でも読み返すくらいに好きです。

ネットもスマホも携帯電話も、ポケベルすらなかった30年以上前の高校生の生活は、今では考えられないことが起こります。そんな時代を切り取る青春に思いを馳せる一方で、恋に友情に奔走する10代の少女・少年の心のゆらぎは今の時代も変わらないような気もします。

そして、今。令和時代になり少女漫画はどんな作品が愛されているのでしょうか。今回は、実写映画化で注目の『顔だけじゃ好きになりません』作者の安斎かりんさんと、『なまいきざかり。』で大ヒットを記録し現在『春の嵐とモンスター』『野良猫と狼』『営業ですから』の3作品を同時連載中(!)のミユキ蜜蜂さんにお声がけし、「令和の少女漫画創作論」について語っていただきます。

ちなみに本セッションは、安斎かりんさんの担当編集でもある花とゆめ編集部のおばらさんを聞き手にお迎えして、より少女漫画の深いところを引き出していただこうと思います。今回のイベントコンセプトでもある「ターニングポイント」についても、それぞれ語っていただけたら嬉しいですね。

お二人の漫画をいま読んでいるんですけど、恋って素敵ですね……(小並感)。

【SESSION 04】 17:00-18:15 ドラマ「チェイサーゲームW」のヒットに見る、 新しいメディアミックスの形

いいメディアミックスとはいったい何なのか——。すべてのクリエイターが気になるであろう問いに真っ向からぶつかる本セッション。今回は、SNSでも話題となったドラマ「チェイサーゲームW」を題材に、漫画『チェイサーゲーム』原作者の松山洋さん、ドラマ監督の太田勇さん、脚本家のアサダアツシさんという三者の視点から、人気のメディアミックスの裏側について紐解いていきます。

4つ目のセッションは、「メディアミックス」がテーマです。2024年は、良くも悪くもメディアミックスのターニングポイントを迎えた年でした。

今年のはじめに起きた悲しい事件からあっという間に月日が経ちましたが、エンタメにかかわるわたし達はあの事件を決して忘れてはいけません。

わたし達にできることといえば、二度と同じようなことが起こらないよう努めること。そしてそれは、「どうしたらよいメディアミックスをつくることができるか」を考え続けることでもあります。

そこで今回の漫画家ミライ会議では、2024年に取り組まれた「メディアミックスの好事例」としてドラマ「チェイサーゲームW」に着目。漫画原作からドラマ化し、さらにそこからドラマオリジナルシリーズが誕生、つい先日には同ドラマを原作としたコミカライズが発表されました。

漫画原作のドラマ化は一般的ですが、ドラマのオリジナルシリーズが作られ、それが逆輸入的にコミカライズされるという一見トリッキーなこのメディアミックス。その制作の舞台裏について、サイバーコネクトツー代表取締役で漫画『チェイサーゲーム』原作者の松山洋さん、ドラマシリーズの監督を務めるテレビ東京の太田勇さん、ドラマシリーズの脚本家・アサダアツシの三者に語っていただきます。

漫画原作者、テレビプロデューサー、脚本家の三者が一同に介して裏側を語る機会はなかなかに貴重だと思いますので、是非お楽しみに!

【SESSION 05】 18:30-20:00 どうなる?! 国産webtoonのミライ

『俺だけレベルアップな件』が大ヒットを記録してから、2021年ごろより国内で大きな盛り上がりを見せてきたwebtoon。本セッションでは、ここからwebtoonが日本に根づき、文化として成熟していくために何が必要なのかを、現役webtoonプレーヤーたちとともに真剣にディスカッションしていきます。

漫画化ミライ会議2024のラストを飾るのは、「どうなる?! 国産webtoonのミライ」です。

どうなるもこうなるも、盛り上がってるんじゃないの?と思う方も多いかもしれませんが、僕は個人的にいまの国内webtoon業界の状況を勝手に心配しています。

2021年後半から第二次webtoonブームが勃興し、一時は100以上のwebtoon制作スタジオがしのぎを削っていたものの、いまは少し落ち着きを見せているように感じられませんか?2022年から23年にかけては毎日のようにwebtoonのニュースを目にしていたように感じますが、いまはニュースで見かける機会も減りました。

「いやいやいや、まだまだ全然webtoon盛り上がっていくで!」という思いと、「あれ、このまま自然と撤退トレンドが進むのか…?」という思いが入り混じっているのが正直なところです。多分、高コスト化だったりスタジオ制(原作・ネーム・線画・着色の工程ごとに作家を分けるスタイル)の難しさだったりジャンルの難しさだったりと、いろんな課題が水面下ではあるんだと思います。

そこで、いまも本気で国産webtoonの制作に取り組むプレーヤー4者に登壇いただき、ぶっちゃけどうよ?! と各社の取り組み方や戦略について本音ベースで語るセッションを作りました。

登壇は、『神血の救世主』や『俺だけ最強超越者』、『帰ってきた天才剣聖』など、男性向けwebtoonで実績を残すナンバーナインの漫画編集者・遠藤寛之。

女性向けロマンスファンタジージャンルでスマッシュヒットを飛ばし、海外でのヒットも記録するソラジマからは萩原鼓十郎さん。

2013年のcomico時代よりwebtoon一筋の編集者で、『サレタガワのブルー』を筆頭に多くのヒット作を手掛けるミキサーの北室美由紀さん。

そして、オールジャンルで作品づくりに挑み、『ヒトグイ』でLINEマンガ1位を獲得した元講談社の漫画編集者でSTUDIO ZOONの村松充裕さん。

出自もジャンルもまるで違う4名は、国産webtoonの今と未来に何を思うのでしょうか。

聞き手は、インプレス社「電子書籍ビジネス調査報告書2024」電子コミック・Webtoonパートの執筆も担当した真柴涼さん。スタジオ制や個人制、プラットフォームの偏りなどをできるだけなくし、フラットな視点で出演者に切り込んでいただきます。

webtoonに本気で取り組むスタジオや編集者の話を聞いて、明るい未来を期待できた。セッションを通じてそんな思いになっていただけたら嬉しいです。

12万円相当のワコム製品が当たるプレゼントキャンペーンも!

漫画家ミライ会議初の試みとして、視聴者プレゼントを行います。

5つのセッションすべてで発表されるキーワードを集めて応募するだけで、ワコムさまの有機ELペンタブレット「Wacom Movink 13」(12万円相当)が当たるチャンス!

是非すべてのセッションを見て、刺激を受けて、最新マシンをゲットして、あなたの創作活動にお役立てください。
※株式会社ワコムさま、協賛ありがとうございます!

スポンサーのご紹介

今年のイベントは、以下のスポンサーさまのお力添えにより開催することができました!感謝、感謝です。

12/8(日)開催、参加は無料。一緒に漫画業界の話をしませんか?

先日、セッションに登壇いただく方と打ち合わせをしていた際に「これ、むっちゃ大変じゃないですか…」と言われ、首がもげるほど頷きました。

2020年に軽い気持ちで始めた漫画家ミライ会議ですが、運営チームはだいたい夏の終わり頃から3ヶ月くらいはヒィヒィ言いながら取り組んでいます。最初の頃の思想として、できるだけ多くの漫画家さんに視聴いただきたいという思いから無料で見られるようにしているので、結構採算も度外視してる感じです。

それができるのは、やっぱりナンバーナインは漫画が好きだからなんだと思います。ご用意するセッションも、広くあまねく漫画業界が注目するようなものを考えてはいますが、自分たちが見たいセッションでもあったりします。

そして何より、年末の慌ただしい時期にもかかわらず出演を承諾いただいた漫画家さん、そして業界関係者のみなさんには、感謝しかありません。視聴者だけでなく、演者のみなさんにも楽しかったと言ってもらえるようなイベントにするために、最後の調整がんばります。

公式Xをフォローすれば、イベント情報をキャッチアップいただけます。

ということで、漫画家ミライ会議2024は12/8(日)の12時15分から開催します。日曜お昼にお会いできるのを、楽しみにしております!
※続報は、公式Xよりご確認ください


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