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遠くなる美瑛の風景

美瑛のシラカバ並木が伐採されてしまいます。オーバーツーリズムが要因とのことです。ここ数年、美瑛のこうしたニュースをよく見聞きします。美瑛の風景が好きなものとして、なにができるのか、考えてみたいとおもいます。


美瑛の風景がまたひとつ消えて

美瑛のシラカバ並木は、観光客密集により、通行に支障があり、農家の皆さんの仕事ができなくなるとのことで、伐採が決まったようです。

伝えるニュース記事

2018年には、マイルドセブンの丘の並木が伐採、2016年には「哲学の木」の伐採と、こうした事態がおきています。いずれも、いわゆるオーバーツーリズムが要因です。

寂しい姿になってしまった。2018年撮影

オーバーツーリズムの問題

今回の伐採に当たり、美瑛町は以下の文書を公開しています。

https://town.biei.hokkaido.jp/files/00005500/00005598/2412keikanshingi_kekka.pdf

景観審議委員のコメントを抜粋します。

総じて、「伐採やむなし」という意見のようです。

私自身も、地元の人から見たら、数多くの観光カメラマンの一人だろうから、この件に関して、意見できることはないのですが、やっぱり残念です。

撮影地としての美瑛

ここ数年の美瑛には、あちこちに、こういう看板があって、正直、撮影する気が失せてしまいます。こういう状況は、美瑛町にとっても、美しい景色を観たい観光客にとっても不幸なはなしです。

中国語、英語、韓国語、日本語による看板

有名な撮影スポットの前の道路は、こんな状況です。なかには、道路のど真ん中に三脚を広げている人もいたりします。これではトラクターは通れません。

わたしが、撮影で訪れる際は、なるべく有名なスポットを避けるようにしていて、気に入ったところがあれば、車を止めて、手短に撮影するというふうにしていました。それでも、パトロールの人に「車危ないですよ」と言われることもあり、観光カメラマンのひとりとして見られてしまいます。

年に数回、美瑛に撮影に行くことはありましたが、こんな状況のせいか、昨年(2024年)は、とうとう、撮影目的では、一度も訪れませんでした。

私が写真撮影に興味を持ったきっかけは、前田真三さんでした。美瑛の美しさを、素晴らしい構図と色彩の写真作品で残した方です。

おそらく、美瑛をこのような観光の町として、注目を浴びるようになったのは、前田真三さんの功績が大きいとおもいます。

前田真三さんか、今の状況を目にしたら、どうおもうかと考えると胸が痛いです。

私たちにできること

わたしたちにできることは、きれい事を言うなら、「地元の方に寄り添う気持ちを持つこと」なんだと思います。とはいえ、すべての方に満足いただけることなんてできっこないので、結局、「美瑛を訪問するのをしばらくやめる」が正解なのでしょうか。


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