見出し画像

開設4年にして、7事業所出店!(※FC事業所・来月予定含む)FOOTAGE社のティール経営とは。

こんにちは。ティールコーチの小河節生(Sam)です。
今回は、名古屋の訪問看護ステーションFOOTAGE社での自律分散型経営であるティール経営の実施をご紹介して行きます。

初めての方のために、くどいかもしれませんが、訪問看護とはこういうものです。

訪問看護は、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、利用者の心身機能の維持回復などを目的として、看護師などが疾患のある利用者の自宅を訪問し、主治医の指示に基づいて療養上の世話や診療の補助を行います。

厚生労働省ホームページ

そして、ティール組織とは、最初にあげる特徴としては”自律分散”というように、組織のメンバーに決定する権限を分散していることです。

2番目に全体性・ホールネスと言われる特徴があります。近頃は安全安心の場とか心理的安全性といったことが組織には必要という考え方です。

3つ目ですが、存在目的です。英語ではEvolutionary Purposeなので進化的目的になります。「ティール組織」によるとこう書かれています。

「自分の組織が世界の中で何を実現したいのか」という独自の目的をあなたや同僚が感じ取り、自分の会社は一つの魂と目的を持った生命体であるととらえられるようなものだ。あなたは、自分の組織がどうありたいと願っているかに耳を傾けられるだろうか?

フレデリック・ラルー,嘉村賢州. ティール組織 マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.7968-7969). Kindle 版.

FOOTAGE社がティール組織のような自律分散型組織を導入しようとしたきっかけは、2018年に会社を設立して同業者を見渡すと、お金儲け第1主義、拝金主義的なところばかりだったそうで、社会的に意義のある会社に自社は変えたいということでした。

ティール組織を知ったのが2019年ごろで、立ち上げたばかりで、すぐにマネジメントの作り直しに取り掛かります。

組織のコンセプトは、「広域マネジメント+プロフェッショナル領域+支援」の3つからなります。

最初にあげる特徴、”自律分散”に関しては、組織のメンバーに決定する権限をどう分散しているかについてです。

「ティール組織」(フレデリック・ラル著,鈴木立哉訳、嘉村賢州解説)でいうところの助言プロセスに相当する提案制度があります。この本では提案者が決定者になり責任を負うことになっていますが、FOOTAGE社では違いがあります。

意思決定のプロセスがあって意思決定がされます。提案内容によって決定者が異なります。例えば、看護のプロフェッショナル領域には看護師の資格のない人は口出しできません。

また、提案者が期限を切って決済することはなく、原則として合意形成していきます。この間は検討プロセスが見えている方がよく、発言しにくい人たちからの意見の汲み出しにも注力している。合意ができないときは経営者が乗り出すこともあるということです。

合理的な理由があれば決済できる範囲などを決めておくことは必要そうです。

提案は、マネージメントがサポートしつつ期待される成果が明示されます。
週に2~3件ぐらいの提案があり、職場の身近な改善が多いそうです。

2番目の全体性・ホールネスについてです。どんな工夫をしているかPRTIMESの記事から拾ってみました。

Footageでは「あなたらしい、笑顔のある人生を。」を理念としており、利用者やスタッフに対しての判断基準となっている。
運営上で理念に対しての不一致や改善点があれば、スタッフ各々が自由に問題提起し、毎日実施されている会議である「FootageTime」や1週間に1度の運営会議である「VisionTime」を通して、方針の決議や行動の明確化を図っている。この際もエゴに基づいた合意形成をするのではなく、前述の理念に基づいてファシリテーターが会議を進行する。
議題もサービス・業務・教育に関してなど、様々にわたるため、毎日実施していても議題が尽きることはない。

Footageでは全員が事業所の数字と向き合い、サービス・教育・営業・広報・事業所運営、チームメンバーの給与でさえ、全員で決定していくため、バックオフィスは存在しない。勿論決定するには情報が必要な為、全ての情報が開示されている。
「経営者以外は正しい判断を下せないことも多いから、スタッフは現場業務に従事していれば良い。」と耳にする機会も多いが、情報が開示されていなければ正しい判断など下せるはずがない。
全員が情報に触れた上で、SlackやChatwarkなどのグループウェア上で議論しあい、オフラインの会議を持って決定していくのだ。

在宅医療×松下村塾 時代を駆け抜ける訪問看護ステーション
Footage訪問看護ステーションの挑戦。
2020年4月16日PRTIMES

3つ目の存在目的です。こちらはFOOTAGE社のホームページによるとMission、Vision、Valueをこう設定しています。

MISSION
笑顔のある、あなたらしい人生を
対話を通して人生史を知り
あなたらしい人生を選択できるように支援します。

VISION
あなたの物語が 光射す方へ
すべての物語が 紡がれた未来へ

わたしたちの価値観
VALUE
 Change
  楽しむことを忘れず、希望を持って変化し続ける
 Natural
  個々の価値観・違いを認め合い
  欠けのない存在として愛を持って接する
 Pride
  自身の行動に責任を持ち、誇りを持って成す

これに加えて事業所ごとにPurposeを作っています。

 Value→Changeの取り組みとして、自己実現に向けた取り組みをしている。

Footageでは自己実現に向けたプラットフォームとしての役割も会社が担っている。
1年目は訪問看護師としてサービスの研鑽のために教育を受けるのだが、2年目以降は自身で行動計画を立案し、仲間に宣言して、自身の基本給を決定していく。
具体的な達成目標や必要なサポート・予算等も計画の中に含め、「これだけのことを実施するから、今年の自分の給与は〇〇だ。」と宣言するのだ。
勿論宣言した上で仲間からフィーバックを貰うが、フィードバックを受けて計画や基本給を変更するかどうかも、全ての主体は自分にある。
Footageではこれをアクションプランと呼んでいる。
アクションプランでの約束事として、必ずアウトプットベースで計画を立案すること、毎月事業所の管理者と面談すること、3ヶ月置きに進捗具合をチームメンバーに発表すること、などが求められるが、仕事に関連があればプロジェクトの大きさは問わない。
これにより看護師としてのキャリアアップ は勿論、自分の興味がある分野や未知の分野への挑戦など、幅広く対応することができ、「訪問看護師として。」ではなく「自分は何ができるのか。」を引き出すことができる。
「質の高い看護師を育てる。」のは勿論のこと、「質の高い人材を育てる。」ことに注力しているのだ。

在宅医療×松下村塾 時代を駆け抜ける訪問看護ステーションFootage訪問看護ステーションの挑戦。2020年4月16日PRTIMES

個人としての取り組みだけではなく、チームとしての取り組みもある。全てをご紹介できないが、こうした活動でメンバー個人の成長がチームや会社の業績に結びつき待遇の向上に目に見えてつながるようになっています。

こうした活動が、他社とは違う環境、待遇のFOOTAGE社を形作り、友達を勧誘する動機となって、求職者が集まるわけです。「年間100名を超える看護師の応募あり!」の理由がティール経営にあるのです。

来週3/22には名古屋の訪問看護ステーションFOOTAGE社の大串社長を招いて名古屋駅前のウインクあいちでセミナーを開催します。

詳しいお話をきいてみませんか?

お申し込みはこちらです。

会場: ptix.at/ZK92ds    Zoom: ptix.at/Eo4JoD

こころざし創研 代表
ティール・コーチ 小河節生
E-mail: info@teal-coach.com
URL: https://teal-coach.com/



いいなと思ったら応援しよう!