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疑う、自分を信じる

誰が言っていたのか忘れたけれど
「私の常識は誰かの非常識」みたいな言葉を何度か見聞きしたことがある。
実際そうだろうなと思う。
それこそ海外の人が日本に来ると色んなことに驚いているし、逆も然り。
もっと言うと同じ日本でも地域によって違いがある。
そのくらい常識というのはあやふやなものなんだろうな。

僕はピアサポートであちこち出向いて話をしてきたけれど自分が正しいと思ったことはあまりない。
むしろ自分が話してることに対して常に疑っていたりするくらい。
「いやいや、それじゃ困るよ」と言われるかもしれないけれど僕はカミサマでもホトケサマでもないから
そんなことできるわけがないと思っている。
それに自分が正しいと思っていたら他人の言葉を素直に受け入れられないんじゃないかな。
たまにいる批判に弱い人ってだいたい自分の発言を全力で信じているような印象を受ける。
強いといえば強いけど危ういことこの上なしだと思う。
だから僕はいつも自分の発言をどこか疑っている。
どうしても引っかかったときは訂正をさせてもらうこともあったし、批判されたときに「仰る通り」という感じだったので後日、改めて話をする機会を設けてもらったこともある。
最初からもっと考えて話すことができれば良いに越したことはない…ですが。

考えてみたら常識や価値観って自分の育った家庭の常識が最初にあって、それが学校など社会に出たときに揺らぐことで「おかしいのはどっちだ?」みたいな感じで常にアップデートしていくものなのかもしれない。
家族内での謎ルールなんてものがあるくらいだし。
例えばお味噌汁の大根は縦切りかイチョウ切りか…とかね。
どっちでも良いと思うんだけどなぜか律儀に守る。
しかもそれで家庭内のバランスが取れていたりするから不思議。
改めて常識とか価値観は本来あやふやで曖昧なものんだろうね。
けれど僕らは気づけばそうしたことを明確化して枠を作り上げてきていないだろうか。
その結果、世の中の常識から外れた人や行為を過度に責めたり叩いてしまうような気がする。
そしてお決まりの「なんか最近、生きづらくなった」というワードがわんさか出てくる。
ここ数年ありとあらゆることに秩序を設けて曖昧さを排除していく方に進んでいて自分の首を絞めているような気がしてならない。

価値観は人の数だけ存在しているから面白いし困惑する。
100人いたとしたら1人か2人くらいしか理解できない価値観もあると思う。
その価値観に対して周りがとやかく言っても本人からすれば余計なお世話の連打なので揉めると思うし信頼を失うこともあるだろう。
以前も書いた通り「良かれと思ってはたいてい良くない」と僕は常に思っているので譲り合うとか相手の気持ちを考えて着地点を探すようにしているけれど、
相手がそう思ってなければ成り立たない。

たぶん…それが会話だったり対話なんじゃないかな。
たとえ自分の価値観で理解できないからといって相手を真っ向から否定していたら傷つけあってオシマイ。
だからお互いに「私はこう思う」というアイメッセージでやり取りすることで理解を深め合うことが大切だと思っていつも話をしている。
それこそ不倫していようが借金していようが法に触れているわけじゃないから僕がとやかく言うことじゃない。
倫理的に問題はあれど倫理観は人それぞれだから。
相手の倫理観と大幅にズレているから理解不能だけど否定することはできない。
「家族が泣いてるぞ」とか言ったところで本人には全く届かないし、もしかしたら頭のどこかで罪悪感は覚えているかもしれないし。
本人の中には何かしらの理由があっての行動だから背景を知らない他人が自分の正論をかざすのはある種の暴力に近いと思う。
何よりも無責任だよなと。
責任感から取っている行動が無責任に繋がるかも…と意識することで伝える言葉選びが変わるし、
そうすることでお互いを理解できるような気がしている。
だから僕は常に自分を疑っているというわけです。
じゃないと最終的に自分がぶっ壊れてしまう気もするし…。

自分の正しさを振りかざすと相手が失敗したときに頭に浮かぶのが「ほら言わんこっちゃない」になってしまう。
何かそれって失敗を待っていたような、不幸になるのを待っていたような感じがする。
けれど相手の気持ちなり考えを知っていたらそこで救いの手とまでは言わないにしても力になろうと思う…というか僕はそうしてきた。
ま…バッサリ否定したほうが簡単だけどね。
けどそれだとどこかの情報ポータルサイトのコメント欄と変わらんよなぁ…と。

もしかしたら僕はこうして綴ってはみたけど半年後に読んだら「何言ってんだオメーは」になるかもしれない。
それでいいんだと思う。
常に自分を疑いながら色々と吸収したから考え方が変わっただけの話。
開き直りではなく。居直りでもなく。
だからとりあえずはしっかり相手の話に耳を傾けておこうと思う。

ってーなところで今日はここまでにします。
今回も最後まで読んでくださってありがとうございました。
本当にいつもありがとう。

では…アディオース!

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