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ボラは節約術じゃない
先日、僕はこんなことを書いた。
https://note.com/no1_luckyguy/n/n7d611c98a424
平た〜く言うと無料ボラは後進のためにもうやらないということなんだけど
今までのトラフィックを見てるとバッコーンと伸びていて共感してくれた人も多いのでちょっと驚いてます。
と、同時に「やっぱり同じように考える人っているよなぁ」ということにもなるので複雑な心境になっています。
さらに言うと個人的な繋がりのある人から「よく言ってくれました!」という声と「調子づいてんじゃねーぞ」という2種類の声やらメールやら届くようになっています。
後者についてはシリアスなニュアンスではないものが多いけど「食いっぱぐれそうなんすか?」みたいなものから「だったらピアスタッフになるべき」というものや
「ついにあれか、実績できたからタダではできねーってことか」とまで実に色々。
特に最後のやつ。
これはもう…唖然とした。
実績ができてもタダでやり続けないとダメなんだって。
…ん?そこのところはきちんと理由を書いたはず…
あぁ、そうか。
見出しだけで中身を読んでないのかもしれない…
だとしたらスポーツ新聞くらいのインパクトはあったということにしておこう。
実を言うと僕は小学生の頃から何かしらのボランティア活動をしていたことがある。
というのもボーイスカウトに所属していたので「社会奉仕」は常にセットでユニセフの街頭募金や街の清掃などなどあれこれやっていた記憶がある。
と、街ゆく人に褒めてもらったりすんげぇヤンキーが大量に小銭を入れてくれたりと大変なこともありつつ気持ちが良いこともたくさんあった。
誰もがちょっと嫌がることを率先してボランティアでやるわけだから逆の立場だったら僕だって褒める。
だから僕はボランティア活動というのは尊いことだと今も思っている。
そういう僕がボラやめましたと宣言することに矛盾を感じる人もいると思う。
そこがたぶん日本の歪んだボランティア像だと僕は思っている。
社会奉仕活動や慈善活動を受け付けている団体の多くはそこで働いている人がいるので財源がある。
なので街の清掃ならホウキやゴミ袋を用意していたり募金であれば募金箱などは用意してくれていることが多い。
もちろん自主的に清掃をするときは家から持っていくけれどね。
それこそユニセフや赤い羽根共同募金は詐欺ではない証明として募金箱などは必ず用意してくれる。
つまり厳密に言えばボランティアを依頼するにあたって全くお金をかけていないわけではない。
当たり前なんだけどね。
が、しかし。
僕が続けているピアサポートにおいてはそうじゃないことが多いのでボランティアでは引き受けないことにしたのだ。
自分の働く施設に呼んで利用者や同業者に話をする。
ありがとうございましたと見送る。
それだけ。費用ゼロ。
駆け出しの頃はこうした機会を設けてもらえるだけで十分だと思っていたけど半年もしたら疑問を抱き始めていた。
呼ばれて行けば行くほど財布と口座が軽くなっていくので何か変だな…と。
その違和感が確信に変わったのは逆の立場になったときだった。
ある日、僕はかなり大きなフォーラムの分科会に演者として呼ばれた。
その時は職場の上長と共に登壇したので公務扱いとなり僕は給料をもらいつつあちこちから集まってきたピアスタッフやピアサポーターの話を聞くことができた。
ところが運営に携わっていた仲間はみんなボランティアだったのだ。
労力としては仲間のほうが遥かに大きいにも関わらずボランティアで1時間くらい話してぼんやりしていた僕には給料が出ている。
どう考えてもおかしな話だと思う。
貴重な休日である土日を返上してボランティアという行為は尊いと言えるだろうか。
それは搾取なんじゃないか。
悪意はないけど善意でもない。
そう思わざるを得なかった。
今後の精神保健福祉にピアサポートは必須になるとあちこちで耳にはするけどこれじゃ普及しない。
むしろ衰退する。
とはいえお金について話を切り出すというのはけっこうな勇気もいるしイメージも良くないから頭ではわかっていてもなかなか実行に移すのは難しかった。
その頃は僕もまだバカ謙虚だったので前例にならうことを重んじていた。
こういう時期もあったんです。
それがいよいよマズいなと思ったのは前にも書いた通り他ならぬカミさんの一言である。
「お金にならないことばっかりやらないで」
実に痛烈。痛いところに五寸釘を打ち込まれてしまった。
けれどその言葉で僕は覚悟ができた。
依頼をすべて引き受けるのではなく同じボランティアでも優先順位を付けて実利がないものは断ることにした。
そこから少しずつ交通費や図書カードだったりご飯をごちそうしてくれたりと色んな形でお礼をもらえるようになってきて今に至ります。
そんな僕が1年ちょい前に仲間と立ち上げたのがオンラインフリースペース。
もちろん参加費は無料。
なので運営チームはボランティア。
「おいおい話が違うぞ!」と仰るでしょう。
でも仕方がない。財源がないわけですから…。
けれども。
今、仲間と共にこの活動の意義やコンセプトを丁寧に伝えて助成金や補助金を取るべく画策している。
どんなに有意義でも無料ボランティアでは続かない。
続けられない。熱意で家賃は払えないしお腹も満たされない。
その経験があるからどうにかしたい。
今はまだ耕しているところだけどいつか必ず支えてくれている仲間には恩返しがしたい。
自分が辞めたことを仲間にお願いするのは矛盾してるよなと思うところもあるけれど今しばらく付き合ってくれたら…と思っています。
おぢさん、頑張るから!何とかすっから!
…そのまえにすっからかんにならないように頑張ります。
これで他のところでもボランティアやってたら破産しちゃうからね!
カミさんに笑顔でいてもらいたいし。
ってなところで今日はこれまで。
ではではアディオース!