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セフレのススメ


突然だけど、わたしにはセフレがいる。

今のところ1人だけど
とくに上限を決めていないので、もしかしたらこれから増えていくかもしれない。

セフレとは、つまり
恋人関係ではない相手とセックスをするフレンド
を意味する。

当然、わたしのセフレとの関係もおおむね似たような感じである。

「だらしない」だとか「気持ち悪い」だとか
嫌悪感を抱く人が一定数いるのは分かっている。

なので、理解してほしいわけではないことを始めに伝えておく。


賛否両論はあるかもしれないけど、
こういう生き方もあるんだと、知っていてくれればそれで良い。


まず、第一にわたしには結婚願望が無い。

結婚というものに憧れを抱いていない。
まだ未婚者なので“結婚は人生の墓場”だとまで豪語するつもりはない。

だけど、成長するにつれ、
「女」としての役割を求められるにつれ
それらと面白いぐらい“結婚”に対する願望が反比例していった。

もともと家事は好きではない。
そんなことよりは、自分で稼いだお金で好きなものを買う生活の方が楽しい。


ただ、今までお付き合いをしてきた男性たちは、そういうわけにはいかなかった。

わたしが「結婚する気はない」と伝えると

「それじゃあ、付き合う意味が無いじゃないか」と逆上されたこともあるし

「今はまだ若いから実感が湧かないかもしれないけど、そのうち結婚を意識し始めるよ」と嗜められたこともあった。

おおよその人というものは、
ある一定の年齢になると“結婚”を想うらしい。


とはいえ、わたしも一度も結婚について考えなかったわけではない。
婚約を交わし、同棲生活をしてみたこともあった。

でもうまくいかなかった。

「一生この人と共に生きてゆくのか」
と考えると、どうしても許せない部分が出てくる。


一度友人から、わたしのことを
「あなたは完璧主義者すぎるのよ」
と評されたことがある。

人には良いところも悪いところもあるのに、
わたしはその悪いところが許せない。

自分だって完璧な人間じゃないのに、相手には求めてしまう。
良いところも、悪いところも、無償の愛で包み込まれるあの優しさが嫌いだ。


そういうわけで、わたしにはセフレがいる。

確かに彼のことは好きだけど、付き合うとか結婚するとか考えると、途端に面倒になるし、嫌な部分にも目がつく。

セフレであれば、何も求められないし
こちらも求めようとしない。


好きなら、付き合う。
付き合ったら、結婚する。

そういう当たり前なものを、当たり前として扱わなくても良いのかも、と思った。


1人の人と向き合い続けることはしんどい。

人には向き不向きがあるのだから、
それぞれ得意分野を任せた方が効率が良い。

おいしいご飯を知っている人。
連絡がマメな人。
容姿端麗な人。
趣味を一緒に楽しんでくれる人。
性の相性が良い人。

みんな人それぞれ。

“期待”を分散させられるようになった今の方が、心穏やかに生きている気がする。


もしかしたら、いつか考え方が変わるかもしれないけど、それまでは今に甘えて生きてゆきたい。





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