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medetaico
『台にアニバーサリー』(毎週ショートショートnote)
「う~ん、困った、、、」
美味しいと評判の洋菓子店。
厨房で頭を抱えている彼はこの店のオーナーパティシエで、
目の前には今日のパーティーに出すケーキ。
大きなスポンジ台にたっぷりの生クリームが塗られ
フルーツやエディブルフラワーなどで
色とりどりの飾りつけがされていて
真ん中にチョコレートで「アニバーサリー」の文字。
どこから見ても完璧なケーキを前に
頭を抱える彼の姿を見て店員が声を掛けた。
「こんなにきれいに仕上がったのに
気に入らない点でもありましたか?」
そして、そばにあった生クリームを一口。
「美味しい!オーナーの作る生クリームってホント
ふんわりなめらかでとても口あたりがいいんですよね」
すると彼は言った。
「スポンジ台の焼き上がりは完璧。
デコレーションの出来も満足しているんだ。
しかし、、、
大切なお客様の記念パーティーだというのに
名前に引っぱられてしまった、、、」
彼が指さしたのは、アニバーサリーの文字。
いや、、、カニバーサリー!?
(410文字)
<あとがき>
たらはかにさん、2周年おめでとうございます。
これからもよろしくお願いいたします。