『晩年のカント』 - 中島義道
「哲学者は精神の黄昏といかに向かい合ったか」と煽りが入ってる。2年前くらいに買って中盤で投げ出していたやつ。なんで途中で読み進められなくなったかというと、カントの哲学や業績についての概説が割と長くて読んでいられなかったからだ。正直カントのことなんて全然知らない。ただ昔の高名な哲学者が老境に至ってどう過ごしていたか、如何に強いて仕事を続けていたのか、人間としてのその営みに興味があっただけだったのに、難解なことで有名な(らしい)カントの哲学について説明されても全然頭に入らない。
所々に出てくる小話も面白かったし、言葉の定義をいちいち気にして念入りに理論を織り込んでくるあたり、やはり哲学をやってる人の文章は面白いなと思うところもあった。しかし自分にはちょっと難し過ぎた。
そこで僕は飛ばすことにした。頭から精読しようとするから途中で挫折してしまう。本をわざわざ通読する必要などない。面白そうなところだけつまみ読みすれば良いと多くの人が言っている。
「第八章 老衰そして死」から最後までを読んで終わりにした。
自分の好奇心が直接に満足されたかというとそうではないのだけど、まあ読んで良かったという気になった。人の名前が覚えられなくなって全部メモしていたとか、コーヒーをすぐ欲しがるとか、チーズを食べすぎるとか、晩年のカントの様子が分かって良かった。
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