【過去記事】2013/11/19 買わせる戦略
電通PRセンターの社長だった永田久光の『PR戦略』(1963,東洋経済新報社)という本を読み、企業の販売戦略を知った。今からすると、これらは特別なことであったり、PRや広告の世界に限った話ではなく、「売る」ことの全てに使われている手口だと思える。
その販売戦略を大まかにまとめると
1.もっと買わせろ
重複して買わせる。一家にひとつだったものが、一部屋にひとつ、一人にひとつ、さらには一人で複数個へ。 携帯電話などがまさにそれ。
2.捨てさせろ
モノを使い捨て化させる。使い捨て容器、使い捨てカメラ、使い捨てコンタクトレンズ...
3.計画的陳腐化
イ. 物理的陳腐化 壊れやすく作る
ロ. 機能的陳腐化 よりよい機能を持った製品の導入で、旧製品を古いタイプにする
ハ. 心理的陳腐化 特に重要。旧製品を流行遅れだと思わせる。携帯電話、PC、
ファッション....
4.混乱をつくりだせ
価値の判断を鈍らせる。「無料サービス」やファストフード店のセットメニューなど
5.買える状況をつくれ
クレジット払いや分割払いなど
6.気安く買わせろ
イ. 倹約を軽んじる社会のムードをつくる
ロ. 浪費の口実を与える 「本日限り」、「記念日」など
ハ. 便利さの提供 デリバリーサービス、ネット販売など
8.季節を忘れさせろ
例えば「夏の飲み物」だと思われていたものを、どの季節でも飲むように仕向ければ、
それまでの4倍の売りあげになる
である。
この中でも「もっと買わせろ」や「心理的陳腐化」や「倹約を軽んじる社会のムードをつくる」あたりは現在かなり使われている方法なのではないだろうか。
今持っていて十分機能しているものでも、とにかく買い替えることばかり奨励される。
しかし今や私たちは、このような手口を知ったのだから、もう乗せられることもない。
「今すでにあるものでどうするか」とか「どこまで自分たちでできるのか」を考えればいいのだ。
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