隙あらば自炊語り①「フライパンを焦がそう」
まず手始めに、美味しく作れた”綺麗な料理”をご紹介します。
一人暮らしを始めた4月に作ったアジフライ。
トマトのマリネ、冷やしたレタス、レモンもカットして添えています。気合が入っていて美味しそうですね。
そしてこちらが、その一週間前に作ったアジフライです。
入職して2日目の夕食でした。
ただでさえ慣れない新生活、職場、人付き合い。その混乱のなかで、アジを丸焦げにしてしまっていますね。この焦げを剥がしながら、意地で食べたことを覚えています。
料理の魅力に近づく道のりその①、まずは「フライパンを焦がそう」です。
スポーツや音楽や美術となると、ある種の「初めからセンスのある人」というのは存在するでしょう。「キャプテン翼」の主人公、大空翼(6年生)が、第一話で丘の上から数キロ先のライバルの自宅の庭にサッカーボールを狙って蹴りあげた才能のように…。
しかし料理については、レシピも知識もない状態で、綺麗な美味しいアジフライを作れる人は少ないんじゃないかと思います。
そう、料理の魅力は「伸びしろ」にあります。
丸焦げにした1週間後には、綺麗なアジフライにレタスまで添えちゃってますからね。うまくできて、嬉しかったんでしょう。
アジフライを作るのが上手くなったのには、知識を得た以外に理由があります。ずばり、「しばらくアジフライばっかり作った」のです。
たくさんの料理を作れるようになるのはもちろん楽しいのですが、まずは自分にとってカタい料理、間違いない献立をもっておくのもミソだと思います。
そこで、同じものを何回か繰り返して作るという練習。同じことをやるうちに、なんとなく材料を覚えて、なんとなく手際が良くなってきます。
そうして美味しいアジフライを食べたとき、「私って料理上手いんでは…」と思える訳です。料理全般、ではなく、「アジフライが作れるようになった」という意味の上達だったのですが、それで良いのです。
こうやって作れる献立が少し増えれば、あとは応用編。
火加減のコツを掴んで鶏肉を揚げれば唐揚げになるし、油を少なくして”揚げ焼き”という方法を試してみるのも良いでしょう。
(なお私は現在 肉食をやめていまして、またその話も番外編でぜひ!身体は元気です)
そういう訳で、初めから料理がべらぼうに上手い人なんていないはず。
陳建一さんも土井善晴さんも、きっとフライパンを焦がしていた頃があったはずです。
そう、失敗を恐れるな――――。
あの日、焦げた衣は私にそう伝えたかったのかもしれません。やかましいわ。
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いつかの金曜日の献立(粕汁、キムチの盛り合わせ、冷やしトマト、アボカドわさび醤油の共和え)。もはやフライパンを使っていない。
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