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黄色のワンピース、揺れるイヤリング

7月に"ナレソメ"の無料相談を受け、入会を決めた。他にも迷っていた相談所はいくつかあったが、一番最初に無料相談をしたのがナレソメで、しかも面談を受けてくれたのはYouTubeで見ていたあの勝倉さん(a.k.a モテコンサル勝倉)だった。その明快さとなにより「YouTubeで見た人だ!」というミーハー心で、面談中には入会することを決断していた。

そのとき勝倉さんに言われたことは以下3点。
・話が合う人は結婚願望がなくて結婚願望がある人は話が合わないというのは論理が飛躍しすぎ(前記事参照)
・31歳はモテる、年上はもちろん27〜28歳くらいの人も31歳なら許容範囲になり得るので年下もいける
・軸がないなら数を打ったほうがいい

数を打って軸を定め、31歳のうちに頑張ればなんとかなるのかもしれない。画面の向こうで喋る勝倉さんはYouTubeで見るよりずっと柔らかく丁寧で、それでいて発言に迷いがなく、この人になら私の人生を少し預けても大丈夫かもしれないと思えた。

私は自分がどんな人が好きか、どんな結婚生活を送りたいかという軸がほとんどなかったので、勝倉さんに言われたとおり「しっかりプラン(月に100件お見合いを申し込めるプラン)」でサポートしてもらうことに決めた。
初期費用22万円と、写真撮影料が1万8700円。少なくないお金を払って活動するのだから、やるならやり切ろうと決めた。やり切って、それでも私は結婚に向いてないと分かったり、結婚したいと思える人と出会えなかったりしたらそれは仕方がない。そしてプロや私より(それが特定の分野であっても)経験のある人の意見は一旦全て聞こうとも決めた。餅は餅屋が私のモットーだ。

まずは服をどうにかしないといけないと思った。普段の私はジーンズにTシャツのようなカジュアルな格好をしていて、これでは婚活のお見合いやデートで勝てないことは分かりきっていた。
無料相談の1週間後にお見合い写真(プラットフォームで公開される宣材写真のようなもの)の撮影が決まった。撮影する前に、スタイリストの方が「黄色など華やかな色のカラーワンピで目立ちましょう!」と言ってくれたので、血眼で黄色のワンピースを探した。ZOZOTOWNやSHOPLISTにかじりつき、新宿にある全ての駅ビルをまわった。専業主婦の友人にも連絡し、一緒に探してもらった。

アクセサリーなんて普段まったくつけないけれど、勝倉さんに「揺れるピアスがあるといい女感が出る」「撮影用と割り切れば300円ショップで大丈夫」と言ってもらい、言われるがまま300円ショップで揺れるイヤリングを買った。

実際のお見合い写真
肌の露出度が高いと目に留まりやすいと聞いて
迷わずノースリーブを選んだ


撮影の日はとにかく暑かった。スタジオでヘアメイクをして写真を撮るなんて成人式ぶりだった。成人式のときは摂食障害真っ只中で、とにかく早く帰りたい、今の姿を写真に残したくない、死にたいと思っていたけど、10年かけてメンヘラ女は少しだけまともな女になった。今なら人と暮らしてもまあなんとかなるかもしれない。
背中と腹の筋肉が攣りそうになりながら姿勢を保ち(普段どれだけだらしない姿勢かがよくわかる)、撮影スタッフに「可愛い!」「最高!」と褒めてもらい、私の自己肯定感は爆上がりだった。こんなのはきっと七五三ぶりだろう。気分が良かったので帰りにヘアメイクで使ってもらったコスメを一式買った。200枚撮った写真の中から撮影スタッフの方と4枚選び、その中から2枚を仲人さんと選び、お見合い写真として使うことになった。このあとカジュアル写真("お見合い写真"とは別の、普段の自分が分かるような写真)を決め、プロフィール文を作ったら、いよいよ私の婚活が始まる。もう初期費用も支払ってしまったし、後には戻れない。

成婚インタビューを見ていると、15〜20人程度とお見合いし、4〜5人との仮交際(連絡先を交換して仲を深めるフェーズ)を経て成婚に至っている人が多いようだった(もちろんそうではない人もいるが言うまでもなく最終的に最高のパートナーと出会えれば人数などどうでもいい)。好きになれる人に好きになってもらえるといいな。まずは20人と会えるように頑張ろうと決めていた。

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最近は結婚式の準備を進めている。大人になってから着物で写真を撮ったのは成人式と大学の卒業式の2回で、どちらも死にたいと思いながら撮られていた。
もし結婚式を挙げることがあったら和装で、着物写真のリベンジをしたいと思っていた。正直準備はかなり面倒くさい。それでも、死ぬときに思い出す、光る日になるといいなあと思う。

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