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パニック再発の危機 その6 家族の統合失調症 その1#50
再発の危機その2(#39参照)で話していた妹の精神病院入院のまでの話がほったらかしだったことと、これも下書きに残ったままだったので、後半書き足して記しておこうかなと思います。まぁ、今思い出してもドキドキする内容ですが…
妹の様子がおかしい
結婚して実家を出る頃に海外で暮らしていた妹が帰ってきて、ウサツキ的には実家が寂しくならずにすんだなぁと安心していました。寂しくならずには済んだ反面、父と兄と妹はなんとも言えない関係で、時々紛争が勃発していました。
そんな中、日本で働き始めた彼女に少し怪しい変化がありました。もともと自由奔放で親戚からは変わり者扱いだったので、まぁ、彼女だからと気にしていなかったのですが、発言が徐々におかしく。彼女が東京の叔母のところへ遊びに行った際に、叔母から後日連絡があり、「妹ちゃん、ちょっとおかしいで。気をつけてみてあげて。」と深刻そうな声にまさかーと思いつつも、思い当たることがいくつか。
私は監視されている
陰謀説を語り出すと危険信号。人は脳がダメージを食らうと「信用する」ということが出来なくなるようになっているのでしょうか。車に盗聴器がないか調べて欲しい。見られているからカーテンを閉めて欲しい。国家の陰謀で私は監視されている。…一体、明るかった妹はどこへ?これはいよいよ、まさかーなんていってられなくなってきたなと思っていた頃、通勤中に貧血で倒れ病院に運ばれたのでした。
兄が迎えに行ったときも、一緒に連れ添ってくれていた同僚に「私は分かってるねん。そうやって見張ってるんやろ。はっきり言って。」と言いながら泣いていたそうです。兄がその子たちに聞いても、何のことかわからないと言っていたそうです。どう言った仕事だったのかよくわかりませんが、秘書で会社内でも秘密ごとの多い職場だったようで、おそらく彼女の性格にはあっていなかったんでしょう。とりあえず仕事をやめてゆっくりしたら??ということで、しばらく休養することに。
家にいても悪化
休養していても誰かに監視されている感覚はずっとあるようで、彼女の部屋に入ると窓という窓に暗い生地のカーテンが昼間から閉められていて、入った瞬間に「まじか!この部屋にいてるだけで病むわ!」とカーテンを開けて回りました。ウサツキと話しているときは割と普通で「大丈夫だから。ちょっと疲れてるだけ。」を繰り返す。そんなある日に父が彼女に「気分転換に旅行でもしてみたら?」と言ったのが悪い方向への分かれ道でした。
旅先での錯乱
遠方の友人のところへ出かけていき、一泊して帰ってくる予定でした。ところが、友人と会ったあと、少し予定より帰りが遅くなり、ホテルの近くまで来たあたりで迷子になったようで「どうしよう!どこかわからない!携帯の充電も切れそう!」と錯乱気味に携帯から連絡が入り、とにかく落ち着いて、近くの大型施設みたいなところに入って、そこからタクシーを呼んでみたら?とアドバイスしたものの、落ち着きをなくしている人間に何を言っても無駄な感じで、ウサツキの頭もだんだん焦りが…。
運良くというと失礼ですが、たまたまその旅先がセイくん(大変お世話になった仏のような理解者#19あたり)の地元だったのもあり、慌ててセイくんにヘルプを出したところ、近くにいるから迎えに行ってくれるということになり、無事に合流でき、ほっと胸を撫で下ろしました。
なぜーーーっっ?!
ホテルまで連れて行ってもらったら落ち着くかなぁと思っていたら、セイくんからの連絡。「信号待ちをしていたら急に降りてしまって、車をすぐに止められず見失ってしまいました。探します!」…なんで?なんで降りるのー!!国家の陰謀でこのまま連れ去られると思ったのか。もう、ウサツキの頭は最悪の結末までもを想像してしまい、パニックだけど、パニックになってる場合じゃない!と必死。かなり遠方なので、今はセイくんに頼るしかないともう神頼み。父や兄にも連絡を入れて、彼女の携帯を鳴らし続けました。
なんとか救急搬送
しばらくしてセイくんからもらった電話は無事保護されたという連絡でした、警察に…。
セイくんがたまたま通りかかったパトカーに事情を説明していたら、交通量の多い国道をフラフラ横切っている若い子がいるという通報が入り、それだ!と向かったらビンゴ。錯乱状態なのと、今までの経緯から精神的な問題だなと家族で判断し、父が病院への搬送をお願いしました。父は朝にその病院に着けるよう、夜中に車で出発しました。
これは現実なのか?
この後は面会につながるのですが、このときの迷子電話からの行方不明、からの保護されるまで、当然ながらかなりきつかったです…。頭がちょっと離れたとこにあるような、どうにもできないもどかしさで声にならないといいますか、まさにパニック。私が錯乱してる場合じゃないという責任感の中で、何かを間違えたら終わってしまいそうな恐ろしさと、彼女を止めるのは自分しかいないという使命感とで、もう頭がショートしかけで。ほんとあの時はどんな映画よりも緊迫したわ。
落ち着いた面会時には、知らない土地で携帯が切れかけたら誰でもパニックになるやーん。と笑って彼女は話していましたが、いや、普通はそんなぐらいでパニックにはならないから…。壊れてる。こころがじゃなくて、脳が。私はどこも悪くないのに無理矢理入院させられた!としばらくは父を恨んでいました。父いわく、最初の面会時、父に何度もほんとに父なのか?偽物じゃないか?としきりに言われ、歯を見せてとか言われたらしく、父はだいぶ凹んでいました。もともと父に対して不信感があったからだと思いますが、私も面会時に言われるんじゃないかとかなりドキドキしました。大丈夫でしたが。
退院後のこと
ここから、彼女は療養にはいるのですが、この入院以後、通院以外で2回病院に駆け込みました。そのうち1回は入院…そのたびに私も危機をむかえたわけで。でも、最初の入院から今日まで7年くらいでしょうか。いろいろ失敗を繰り返しながらも、今は元気を取り戻し、普通に仕事をして活動的に過ごしてます。
ま、備忘録として。その2に続きます。