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日日是好日

私は自分の顔が嫌いだから、
少しでも周りに不快感を与えないように化粧をしていた。
少しでもましになりますように、
そんな気持ちを込めて顔面を塗装していた。
私にとっての化粧は最早おしゃれではない。

でも化粧って、どこか強さを与えてくれるものだと思う。
化粧をしているときとしていないときでは、しているときの方がお外で顔を上げて歩けるような気がする。

こんなことを今日はずっと考えていた。
使っているコスメの話でもしようか??興味ないね~~~~ごめんね~~
なんで急に化粧のことを考えていたのかって、それはね、
そろそろ髪の毛伸ばしたら?ってお母さんに言われてしまったから。

私はきっとメイクをすることが嫌いじゃないんだと思う。
キラキラしたアイシャドウをつけている友達には声をかけてしまうし、
誰かに似合いそうなリップがあると、その子に話をするのも好きだ。
メイクをしてキラキラ笑っている子が好きなのかもしれない。
私には出来ない「おんなのこ」をなんの違和感もなく楽しんでいるように見えるから。
少し羨ましいな、と思ってしまう。

自分が髪の毛を切って、スカートをはかなくなって、
お母さんが悲しむ顔を何回も見てきた。
だけど、私は正直、今自分がどうしたいのか分からなくなっている節もある。
「おんなのこ」という見た目に頼って生きるのはきっと楽だから。
おとこのこに頼って甘えて、それなりの幸せも得られるんだろうなと思う。
自分で言うのは良くないことかもしれないけれど、私は他人の話を聞くことが嫌じゃなくて、
話が長いとかつまんないとか言われているひとの話でも嫌な顔をせずに聞くことが出来てしまう。
本当に思っていなくても、そのひとが喜ぶような返事が出来てしまう。
私みたいな人間に近づいてきてくれた他人に対して、
特になんの感情もなくても、必要以上に世話を焼いたり、優しくしたりする癖があって、
この上っ面だけの優しさは他人を悲しませるときもあるってことも分かるんだけどね、きっとこわいんだろうなぁ(なにが?)
だけど、この偽りであっても誰かにとっての居場所になることをお願いされることは今でもあって、その度に分からなくなってしまう。
だって、おんなのこらしい恰好をして、他人に頼って生きるのは楽なんだもん。
しっかりメイクをして、赤いリップをつけて、ちょっと甘めの香水を纏って、
自分より背の高いおとこのこにかわいい声で甘えてみたらなんだかんだ生きられるんだから。


分かんないよね、これはもう哲学です すきなひとってなぁに
分かんないことが多すぎるよ
おんなのこが髪の毛短くたっていいじゃんそのひとがしたいならなんだって満点でしょう?
おとこのこがメイクしたっていいじゃんメイクをする理由なんてひとそれぞれでしょう?
おんなのこがおんなのこを好きになったって、手を繋いでいたっていいじゃんなにも間違ってないでしょう?
欲がなくたって、他人のことを好きだという感情が分からなくたっていいじゃんそれだけがあなたの幸せにつながるわけじゃないでしょう?

そうだった、わたしはこういうことを伝えたくて髪の毛を切ったんだった、
堂々と人前で手を繋ぐことが出来る性別が正しいわけじゃない。
法で守られる関係が良いわけじゃない。
なりたい自分を追いかけることはなにも間違ってないと思う。

ひとが誰かひとりと共に生きることを決めることは美しいことだと思う。
だけど、それとまったく同じ質量で ひとりで生きることを選ぶというのも尊いことのはずだよ。
自分が自分の為に変わることは恐れないでいたい。
ひとりがふたりになってもいいし、ふたりがひとりになってもいい。
全ての選択の重さは同じだと思いたい。


今の私は、所謂そういう意味での好きな人はいない。
本当によく分からない。
ただ、この人が泣いていたら涙が止まるまで いや、涙が止まっても隣に居たいと思うひとはいる。
そのひとはそんなこと思ってくれていないかもしれないけど、
一方的でもいいけど、
そのひとがこの世界で1番幸せに生きてほしいと思う。
私とそのひとは絶対に違うひとで、尊敬していたい。
周りのひとがしんどいとき、自分がしんどくたっていつだって最後にはそのひとのことを気遣えるそのひとが私には誰よりも輝いて見える。

𓆟と𓆟の作ったごはんが待ってるから、なんて理由で私のところに帰ってきてくれたら そんな世界線ならどれだけいいだろうな
それだけで私はきっと生きられるんだろうな
そのひとが落ち込んでいる日に、とびきり美味しいケーキ屋さんとか、優しいごはん屋さんに連れて行ってあげたい。
だからいろんな場所の美味しいお店を探したいと思うんだ。

そのひとのことを否定するひとは心が痛いけどいつまでも居なくならなくて、
そのひとと一緒に居る私のことも否定されちゃったりして、
おかしいなぁ私は誰のことも否定していないのに。
私はね、そのひとが本当に離れろって言うまで離れないでいたいんだよ だって私がそのひとを大事にするのはなにも間違っていないと思うから、
私がそのひとを大事にすることで迷惑になるのならもう視界に入るところには一生行かないけれど、今の私は間違っていないと思うから。

誰になんと言われようと、
私の大事にしたいという気持ちが所謂好きと同じかそうじゃないか分からなくても、
イヤフォンをはんぶんこするような、
肩だけが触れ合うような距離感が、
どんなことも許してしまうような甘さが、
今の私にとってほんとうに大事なものだから。



今日はなにが言いたかったの?
って思ったでしょうそこの貴方。
正解です、私もそう思います。
成人式が近づいてきたことで、いろんな大人に 髪の毛伸ばさないの? とか、スカートはかないの? とか、そのままじゃ彼氏出来ないよ とか言われる機会が増えてしまって落ち込んでいました。
私は男の人や他人の為にメイクをしているわけではないんです。
髪の毛を自分の意志で切ってから、好きな色のリップをつけて自分が好きだと思えた香水を纏っています。
自分の為にちゃんと自分で居ます。
自分のことが嫌いでメイクを始めたけれど、それだけじゃないんです。
私の大事にしたいことも、大事にしたいひとも、なんにも間違っていないからです。
私がいくら否定されたって、貴方を知らずに100年生きるよりずっといいと思うから。


さぁ、今日もきっと間違っていないから私は私の好きな服を着て、
私の好きなメイクをして、
貴方の好きなケーキを焼こう。 
いってらっしゃい。⚑


私の文章で人生が小さじ1杯だけでも楽になりますように、そんな思いを込めて記事を描いています。 サポートして下さった貴方と、いつか珈琲が飲めますように⋆͛☽.゚