あったかもしれない日記#5
こんなことがあったかもしれない。
久しぶりにあった友達のJちゃんと、買い物をして、ご飯を食べて、最後に終電まで時間あるからってファミレスでだらだらしてたときの話。
前にあった時、アプリで髪型とか目とか盛れるようになりはじめたくらいの時期で、その頃の写真を見返していた。
「もうこれ、今回も撮ろうよ、ほら、最新バージョン入れてるし」
「いいよ」
Jちゃんが設定を色々いじったまま、二人で顔を並べて、動画や写真を何枚も撮った。
さっそく撮った写真をシェアして、それぞれのインスタにあげようとチェックしていると、
「Jちゃん、これ設定いろいろ変えてるよね」
「うん」
髪型とか、ネコ耳とか、目周りとか、まつ毛とか、Jちゃんがいじる手際があまりにも見事なので、完全にお任せをしていた。
「ちょっとひどいよ~、私の顔、みんな同じ設定のまんまじゃーん」
私の写真の目がみんな同じ設定をしていて、ブライス人形の目を充血させたような、ちょっとどう考えても綺麗というより面白い寄りになっていたし、歯も三角のギザギザの歯が無数に並んでる。
「え、でも」
「なによ、Jちゃん」
「あなた、もとからそんな顔よ」