春はあけぼの

四季の匂い。

冬の朝 

冬の始まりの鼻を摘まれるみたいなひんやりとして息が細い朝の匂い。 息から何からいろんなものが白くて、青くて。きらきらする。 そっと息を吸い込むと心臓がギュッと掴まれてまっさらな高揚感。 冬は毎朝生まれ変わっていた気がする。 


冬の夜
冬の夜の匂いはノスタルジックだと思う。
冷たくて、でも優しくて、どこか悲しくなる。
一歩ごとに、自転車を一漕ぎするたびに、悲しさと喜びが混じっていく。
もう戻れないぞって誰かに囁かれてるみたいな。それか私が最初から「それ」を知っていて。だからこそオリオン座に目を凝らした。
心臓をギュッと掴まれるみたいな感覚。
広い空に浮かぶオリオンのと徐々に見えるコインランドリーの電灯。

 

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