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わたしと、音楽
なんせ「わたしと、○○」シリーズなもんで、なんてことのないタイトルになってしまいました。
同じようなテーマで、おそらく多くの人が自分の好きな音楽について語れるでしょう。音楽って、それくらい身近な存在。
わたしの場合、あまりにも偏食(?)してきたのか、困ったことに好きなアーティストやジャンルを(たとえ大まかにでもOK、と)尋ねられても「これです!」という輪郭が存在しない。
先に、どんな音楽が好きなのか?と聴かれてもやっぱり困ってしまうので、自分がSpotifyに溜めているプレイリストを付けておこう。
(名前がChillなのは、か〜な〜り広義に「聞いていて自分が好きだと思った音楽」を、随分ランダムにピックアップしているからです)
それでも随分わかりにくいので、半ば無理やりにグループ分けするならば、こう。
邦楽・北欧ポップ(ノルウェー&アイスランド多め)・ジャズ・民謡&民族系音楽(主にバルト三国・北欧・東欧)・フォークミュージック、など
だいぶ凝縮しましたが、今のところそんな感じです。
でも、わたしは小さな頃にクラシックバレエとピアノを習っていたし、両親はどちらも流行りの歌を聴かないタイプだったので、偏っても仕方がなかったのかもしれない。
なので、上に入れてないですが、母親の影響でクラシックも地味に好きだし、洋楽に興味を持ち出したのは父親の影響も(多少は)あるのかも。
なんだかんだで、家庭環境って大きいもののようです。
欧州版紅白・ユーロヴィジョンに見る「文化比較」の面白さ
いきなり本来の趣味とはかけ離れたテーマに入りますが、そろそろ今年もEurovision(ユーロヴィジョン)の季節だな〜と思って語ります。
知らない方のためにざっくり説明しますと、毎年5月に行われる、ヨーロッパ各国代表選の歌のコンテスト、です。
一応ソングコンテストではありますが、2000年代くらいからパフォーマンスへの力の入れようが激しくなっている、ように見える。
これ、日本で言うところの「紅白」みたいなところは確かにあって、欧州+少し中東寄りの国+なぜかオーストラリアから、それぞれ代表が集まってパフォーマンスを披露する。
だから、歌の趣味も概ね流行を意識した雰囲気が多いのですが、時々わたしの心の琴線に触れて「おお〜ステキ」と感嘆しちゃうのもあります。2017年のポルトガル代表(優勝した)とかね。
ちなみに、わたしが初めてフルで観たのは2018年からなので、60年以上?も続いている番組の多くを語れるほど詳しくはありません。
その代わり、準決勝から必ず観るし、この時期だけプレイリストめっちゃ聴くし、なんなら今年はいくつかの国内予選映像からチェックしていたくらい。
ただ、ここで言いたいのは個々の論評とかではなく、個人的にユーロヴィジョンの面白いところって、やっぱり同じヨーロッパ(+アルファ)といっても国によって文化や傾向の違いを認識できる点だったりする。
一見すれば、主にティーンや家族同士で見るもの、というイメージですが、わたしにとってユーロヴィジョンって、もはや音楽をはじめとする文化比較のツールに近いかも。
独断と偏見でいきますが、北欧は比較的センスとウケのよい代表が多く、西欧も大衆向けが多め。ただし、多額の資金提供をしているために直接決勝トーナメントに進出する国々(イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・スペイン)は、母国語ゴリゴリなものが多いかも。あ、ドイツは英語が多いけど。
南欧はもう、めっちゃイケイケ&トゲトゲで、ティーンにウケそうな選曲が多く、東欧は・・歌謡曲ですかね?みたいなものがしばしば飛び出してくる。が、同じくらいフォークソング系も多くて侮れない。中東に近い国は、やっぱりどこかオリエンタルな雰囲気が醸されているな~と感じる。オーストラリアは、人気そうな歌手が多い。
かなり雑に書き連ねましたが、わたしがユーロヴィジョンから感じる、大まかな地域別イメージって、こんなところ。これに加えて、毎年の流行り傾向とか、年によってめっちゃ人気歌手を推してきたり、反対に若い才能を輩出したりもある。
だから、面白いのです。音楽にすべて現れる感じが。プラス、衣装とかステージ演出とか、もっと別の要素も絡んできますが、主にSpotifyのプレイリストを楽しんでいる身からすれば、音から国の文化を知られるのって、興味深い。
最初に「好きな音楽ジャンルが定まっていない」と書いたけど、きっとわたしが音楽において雑食を満喫している理由は、ここに起因しているんだと思います。
つまり、ひとつのアーティストやジャンルを極めるのも楽しいけれど、色々な音楽を聴き比べることで発見できることって、あるんだなって。
言語の違いが生み出す、歌声の質
これももしかしたら、わたしがユーロヴィジョンを通して楽しんでいることに共通するような気がしている。
まず言語のトピックから入ると、わたしが英語を(それなりにまじめに)学んで話し始めた頃って、ノルウェー語で仕事をしていた頃でもあります。
かつ、日常の至る場面で日本語も話していたので、バランスはどうであれ、当時は3言語を操っていたことになる(っていうと格好いいけれど、実際は大したレベルではない)。
このときはじめて、これまでの人生で経験してこなかった「言語によって声のトーンや話し方が変わる」という悩みというか、動揺のような感情がありました。
それでやっと、言語による発生方法の違いを認識したのですが、実はすでに色々な言語の音楽を聴いていて、わたしのお気に入りの多くが、なぜかノルウェー人かアイスランド人ばかりだってことに気が付いたのです。
言葉で説明するのは難しいけれど、2つの言語はものすごく似ていて(ノルウェー語のめっちゃ古いバージョンがアイスランド語、らしい)、マイルドな声質の人が多いように思います。これがわたしにとって、めっちゃ耳心地がいいのです。
思えば、今まで学んできた言語の中でも、ノルウェー語がいちばん好きだもんなあ。
ちなみに、日本語もけっこう好き。でも好きなのは声の質ではなく、言葉のセンスだったりする。
なので、一般的な日本人の歌声が好きかといわれると、けっこう人によります。いわゆるアイドルや流行りの歌を聴くと「く、苦しそう」と思ってしまいます。
ちなみのちなみに、リトアニア語の発音は、北欧語に比べてもっとくぐもった感じ。これもはやりの歌となると、実はあんまり好きではありません。
が、東欧全体にいえる話なのですが、民謡となるともっと地声で歌っているような感じになり、これはめっちゃ好きです。今年のユーロヴィジョンでは、ウクライナ代表がかなり推しです(って、ユーロヴィジョンの話に戻ってしまった)。
自然・暮らしに流れる「音」を「楽」しむ
さて、これまでは「文化」「声」の観点から音楽の話をしてきましたが、実はもうひとつ、わたしが音楽としてとても楽しませてもらっているのが、自然や暮らしから聞こえる音、です。
楽曲として録音されたり、楽器のように演奏される「自然・生活の音」も好きですが、そういうのとは離れて、純粋に日々の暮らしの中に聞こえてくる「音」を「楽」しむ、という行為が好き。
なかなか人に会えなかったり、ふらりと外に出てもそんなに人がいなかったりする、近頃の状況も多少関係あるかもしれません。
人の声よりも、家の中にいれば自分の吐息(ため息)や料理をする音、外なら鳥のさえずりや雨の滴る音のほうが、よく聞こえてくるのです。
でも、わたしにとっては、このシチュエーションがとてつもなく贅沢で。
日本、特に東京の実家にいると、ほとんど常にテレビの音・誰かが流す音楽が聴こえてくる。家の外に出ても、自然よりもコンクリートの方が多いので、今ほど自然の音を楽しめないのだよなあ。
なので、たとえこの「ひとりぼっち海外暮らし」のハードな状況下でも、個人的には今の静かな生活の方がいいかも、って思っちゃうのです。
自分の好きな音楽や声を聞く時間は大好き。だけど、自然や暮らしの音をとおして五感を研ぎ澄ませ、自分の「今、この瞬間を楽しむ」にフォーカスする時間も大切だな~と、特に最近は感じています。
限られた時間だからこそ楽しみたい、という気持ちも大きいのかもしれない。けれど、それ以上に「自然や暮らしの中から聞こえる音」の心地よさを再認識しているし、今後も大事にしていきたいなって。
そんなこんなで、最近はぶっちゃけ音楽を聴く時間よりも、なにもかけずに窓を開けっぱなしにしながら作業をしている時間の方が多いこの頃。
でも、今まで音楽をたくさん発掘してきたよかったなあ、と思うのは、自分のムードや気分にあわせて「今はこれを聴きたい」と直感で曲を指定できるところです。昔から友人に「あなたにはこれ」とおすすめするのも好きだったし。
わたしにとっての音楽って何だろう?と考えることはよくあるけれど、なんだろうね。でも、いつでも心に寄り添ってくれる存在だということには、変わりない。
(トップの写真は、ヴィリニュス旧市街にある、バルト音楽を扱うお店)
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