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iF Design Award(iFデザインアワード)受賞レポート


はじめに

こんにちは。
アスエネのプロダクトデザイナーの堀です。

この度、アスエネがiF Design Award 2024(iFデザインアワード2024)を受賞しました。

「iFデザイン賞」は、1953年に設立された国際的なデザイン賞で、ドイツの「レッドドット・デザイン賞(red dot design award)」、アメリカの「IDEA賞(International Design Excellence Award)」と並び、世界三大デザイン賞のひとつに数えられる権威ある賞です。

ここでは初挑戦の落選からの再挑戦、最終的に受賞するまでの軌跡を綴っていきます。
また、アスエネが目指す、世界観も伝わると嬉しいです。

 iF Design Awardを決断した日

「アスエネ」は、複雑だったCO2排出量算出業務をカンタンにサポートする、CO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービスです。
2021年のサービス開始から、機能展開や連携、多くの関係者の支援のもと、2023年7月に日本におけるCO2排出量見える化サービスの累計導入社数 No.1となっています。(調査発表)

次のステージである”世界No.1”を目指すなかで、デザインでも世界を目指したいと思いました。

“世界3大デザイン賞を獲りたい。”

そこで選んだのが、iF Design Awardでした。
世界で最も長い歴史を持つ非常に権威のあるデザインアワードです。
受賞すればアスエネにとって大きな飛躍の一つとなります。

iF Design Awardの審査方法は5つの要素で構成され、それぞれが重要な判断材料となります。

  • Differentiation(差別化)

  • Form(造形)

  • Function(機能)

  • Idea(アイデア)

  • Impact(影響度)

これらの得点が平均値を上回らないと、最終審査に進むことができません。
デザインコンペの中でも難易度が高いとされています。

世界デザイン賞へ初挑戦

2023年度。
過去受賞した他社を調査を行いました。
アイデアを出し合い、ラフからビジュアルやディスクリプションを練り上げました。
初めての英語エントリーで苦戦しつつも、海外を意識したデザインにも挑戦しました。

エントリー内容がまとまり、いざ応募。
しかし、結果は一次選考で落選。
フィードバックを見ると、ファイナリスト平均に対しわずかに4点足りない惜しい結果でした。

悔しい反面、決して届かない数字ではない。
自分たちのサービスをもっと魅力的に伝えれば必ず獲れる、そう確信しました。

とても高い壁だと思っていた”世界”への道。
来年こそ絶対受賞すると決意しました。

1年後の再挑戦

2024年度。
まずはコンセプトの見直しのため、去年のフィードバックでどこが足りなかったのかを詳しく分析しました。
その結果、最も課題となったのが”Differentiation(差別化)”でした。
一方、Idea(アイデア)や、Impact(影響度)は大きく平均を上回っているため、より差別化の観点で、他との違い・強みが伝わることが必要でした。

アスエネは、他にはない唯一のワンストップでマルチプロダクトとしての実績と自信があります。
アスエネの持つ強みをビジュアルに盛り込みました。

エントリービジュアルの抜粋1
エントリービジュアルの抜粋2

何度も内容を見返し、その日に良いと思っても翌日見ると何かが足りない。
そんな日々と向き合いながら、ようやく印象に残るエントリー内容に仕上がりました。
何度もビジュアルとディスクリプションを見直し、業務の合間で1ヶ月ほどブラッシュアップを続けていました。

無事エントリーも完了させ、一次通過を待ちます。

一次選考発表日

一次選考の日。
結果は通過、まずは安堵しました。

プレ審査として暫定スコアが算出されました。
スコアを見ると、全ての項目で基準を超えていました。
”Differentiation(差別化)”の課題はクリアしましたが、まだ安心できません。

さて、本命の最終審査ですが、一次と同じ方式で別の審査員で判定が行われます。
最終審査までの期間、エントリー内容をアップデートすることが重要です。
そして、受賞は応募者の得点を基準に決まります。

あらゆる審査員に伝わるよう、アスエネの”造形・機能”の要素を追加しました。

追加要素のブレインストーミング

「これで落ちたら、もう受賞できないんじゃないか」と思うくらいにやり切りました。
ここに至るまでに何度も調整を行ってきました。
残すところ最終発表のみ。

最終発表

いよいよ結果発表の日。
届いた結果メールを開くと、

受賞メール

受賞しました。

最終スコアでも、懸念していた”Differentiation(差別化)”の評価をいただき、全てにおいて高いスコアを獲得しました。
さらに見ると、2024年のサービスデザイン部門は67件が受賞し、日本からの受賞は6件のみだそうです。

社内で報告すると、祝福ムードで盛り上がりました。

社内での報告の様子

また、グッドデザイン賞に続き、デザイン部門では2回目となるプレスリリースも発表することができました。

社内での報告の様子

一度は落ち、サービスの魅力を絶対伝えると誓ったあの日からの受賞。
ようやくリベンジを果たすことができました。
そして何より、サービスに関わっているすべての人へ最高の贈り物ができました。

受賞の余韻は続きます。

受賞式に向けてドイツへ

受賞から3ヶ月。
iF DESIGN AWARD NIGHT 2024に向け、ベルリンへと向かいました。
会場に着くと、多くの受賞者で賑わっていました。

受賞会場
会場内の様子

72の国と地域から集まった1万件を超える応募の中、参加は40カ国以上の約2,000名
会場内は様々なブースが設けられ、活気に満ちていました。

社名を見つけた瞬間

受賞した企業名一覧で会社名を見つけたときは、グッとくるものがありました。
受賞の実感が湧いたところで、授賞式の開幕です。

受賞式開幕

豪華なライトアップと共に、iF DESIGN AWARD NIGHT 2024が開幕しました。

オープニングの様子

今年のiF Design AWARDのキーワードは「サステナビリティ」

オープニングの後は特別ゲストとして、デザイン界の生きる伝説と言われるインダストリアルデザイナーのDieter Rams(ディーター・ラムス)氏が登壇しました。
ブラウン社などで記憶に残る数多くの製品を、世の中に出した功労者です。
彼の話はとても興味深いものでした。

デザインに凝るのではなく、つまり「Less, but better(より少なく、しかしより良く)」
そして、「デザインを信じろ。世界を変えるのは、想いを込めたプロダクトだ」と。

良いと思うものを追求していくこと。
そして、要素を盛り込むだけがデザインではないこと。

デザイナーとして今後の考えに影響を受けた一夜となりました。

翌日。
この日はiF主催のカンファレンスに参加しました。
デザインは、未来に向けた変革をどのように促進できるか、についてのAIやサステナビリティといった要素の学びがありました。

カンファレンスの様子

ドイツでの時間はとても刺激的な経験となりました。
また、デザイナーとしても、改めてプロダクトデザインについて向き合う機会となりました。

こうして、iF Design Awardへの挑戦は完結しました。

まとめ

夢にまでみていた、世界への挑戦。
2年に及ぶ挑戦でしたが、かけがえのない時間となりました。

そして、一度失敗しても、それにチャレンジできたこと
可能性はないとせず、再挑戦させてくれた環境に感謝しています。

iF DESIGN AWARD 2024の盾

後日、受賞の盾も届きました。

世界の評価を得ることは1つの目標でしたが、ゴールではありません。
世界的に評価してもらった以上、より一層、デザインシステムの価値を確固たるものにし続けていきたいと、あらたな目標もできました。

これで、iF DESIGN AWARDの受賞レポートは終わりです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

さいごに

アスエネは日々、成長をつづけています。
先日はコーポレートサイトのリブランディングを行い、会社のミッションをデザインに反映しました。(https://corp.earthene.com/)

ASUENE新キービジュアル

“世界は本気で変えられる。”

私たちは、世界の未来を本気で変えようとしています。変えます。
サービスはもちろん、デザインでもその想いを体現していきます。

ぜひ、今後もアスエネを見守っていただけると嬉しいです。

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