種蒔く人

身体に優しい食事と
力がみなぎる、魂が踊る楽しみと
心をオープンにして過ごす
自分だけの密かな時間

朝を迎えたら
太陽におはようと告げ

寝癖をほどほどになおしたら
着心地の良い服で肌から快適に
袖を通したらいよいよ外の世界へ出発だ

でもドアを開けるか開けないかは
大した問題ではない

大切なのは
今日素敵なことがあるようにと
前を向くこと

スキップの仕方を覚えてるなら
軽い足取りで今日を過ごせるはず
もし忘れてしまっても大丈夫
人生に一直線の道は存在しない
散歩のつもりで今日を歩き出してみよう

何か変化があったらそれだけでいい
変化は恐ろしいものではない
進化の過程で必ず起きること

今日1日が上手くいかなかったとしても
その変化をどう捉えるか
素敵なことにつながるように
ちょっと見方を変えてみて

そうはいっても
元気が出ないときもある
でも大丈夫
君はひとりじゃない

何回でも伝えよう
今日素敵なことがあるようにと
前を向くこと
探しにいくことだ
その人生はきっと冒険だ

何もない大地なら
足跡を残してくるだけでもいい
人類の
大きな一歩になるだろう

もしぬかるみに足をとられたら
足もとに種を蒔こう
時間がかかっても大丈夫

ひょんなことから手に入れた
贅沢な時間を丁寧に過ごしてみよう
君の勇気とユーモアが肥やしとなり
その土地にまた
他の誰かが畝を作るだろう

収穫の時期を待ち望んでいた人々は
喜びに胸を膨らませることだろう

それでも
何ひとつ変化のない日々に胸が締め付けられる夜も
また目覚めてしまったと絶望に伏す朝もあるだろう

何度でもやってくる毎日に襲われ
心だけ取り残される感覚は耐え難い

身体をなんとか起こして
空を見上げて、雲を掴む
青く澄んだ空気を吸い込んで
長い溜息は硬く閉じた胸をほぐす

大丈夫
目を瞑れば輝く星にもきっと手が届く
また太陽とともに明日を迎えよう

2020年4月14日