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【教育移住・留学】大学・大学院で最優秀成績を残すと何かメリットがあるのか? ~ Dean's Houner List とPhD

気づいたら前回書いてからもう半年が経ってしまいました。
このペースで暮らしていると1年なんてあっという間ですね。

日本はもうすぐ冬至だと思いますが、こちらは21日は夏至です。緯度の高いメルボルンは Day Light Saving もあって日が沈む時間はなんと8:41pm、月末にかけてさらに長くなります。日が沈んでも空はまだ明るく、9:30pmぐらいまで明るい(!)。夜にスポーツ教室が開かれていることが多いメルボルンでは、遅くまで明るいのが嬉しい人も多いと思いますが、気をつけないと生活リズムがどんどん崩れていきます。子供達は Term4 が終わって夏休みに入って朝起きなくなるので、余計に生活が夜にシフトしていく・・・学校は偉大です。

夕方5時の段階でまだ午前中かのような明るさ
21:00 でもこの状態


ところで先日、2年通った大学院を卒業しました。幸運なことに H1(いわゆる Distinction。Weighted Average Mark 80以上)で終えることができ、世界の大学ランキングで13位(オーストラリアでは1位)の大学で、学業成績 トップ 3% の学生が選ばれる Dean's Houner List にも選出してもらうことができました。指導してくれた Faculties, ともに学び、ハイスコアを目指してくれた Cohorts, そしてこの生活を支えてくれた家族に心から感謝しています。

しかしながら率直なところ、(授業は面白いですが)この成績はまあ大したものではないと思っています。みなさん実感があると思いますが、そもそも生徒全員が高い成績を目指していません。hard working で優秀な学生だとしても8割ぐらいの人はベストなキャリアに繋げることが時間投資の優先順位の第一で、ネットワーキング、インターン、ケースコンペや課外活動などに勤しむ学生が多く学業はただパスすれば良いのです。企業側も Just pass, just graduate と公言しています。肌感覚ですが、学業成績でトップを目指している学生は全体の1割というところです。競争はありますが、成績面でのレースに参加している選手はそんなに多くありません。

加えて、確かに海外の大学は課題の量がタフで簡単に卒業できませんが、それでも結局大学側としては大勢に Fail されると困るわけで採点基準は甘い。世界大学ランキング上位といっても、(ランキングの基準が単純な学力の高さとは異なることもあり)実態はそんなものです。結局のところリサーチの道にいかないとハイレベルな知的探究はできないことが良くわかりました。

では学業成績でトップレベルを目指すメリットは何かあるのか?
なぜ高成績を目指したのか?

それは全員付与の奨学金で本人どころか子供達の学費まで全額がカバーされ、さらに給与相当の毎月の生活費まで自動的に付与されるオーストラリアの PhD Program、つまり博士課程に入るのに WAM 80%以上が基本的に必要だということです。

え?博士?と違和感を覚える方もいるかもしれません。最近風向きが変わりつつあるものの、日本では度々話題になっているように博士キャリアは不人気です。博士になるよりも Google や Amazon に好待遇で入社したほうが稼げるからですね。しかし海外では事情が異なり、博士号保持者は企業においても優れた専門家として扱われ待遇もキャリアも悪くありません。博士課程そのものも仕事の1つとして認識されているため、給与相当の報酬が支払われる傾向にあります。

そして何より、教育や移住の文脈で考えたときに、博士過程に合格した人は全員本人の学費が全額無償かつ子供達の学費まで無償(International Student の子供の学費は日本よりはるかに高額です)、年間300万程度の生活費も支払われる上に本人も家族も自由に働くことができる、という制度は大きいでしょう。一千万単位で(!)支出が変わってきます。博士課程卒業に3〜5年ほどかかりますが、逆に言えばこの条件で3〜5年オーストラリアに住み続けることができ、その後もワーホリなどのケースと比較してよりよいキャリアに繋げることができる。学問的探究が好きな人で、かつ家族と海外に長く住みたい、移住したいという人にとっては悪くない選択肢です。

私はこれを狙っていたこともあって WAM 80以上を目指していました。そして幸運にも80以上に達することができた上に、先生方にも PhD コースをおすすめいただくことができ、おそらく入ろうと思えば入れる状態になっています。これから長期にわたってオーストラリアで暮らしていくのであれば、個人的にはベストな選択肢です。独身なら絶対このまま PhDに進んだと思いますが、残念ながら家族の事情でそうはいかなそうなんですが・・・

まあ私の個人的な事情はさておき、大学で高成績を取っておくと上記のような選択肢も生まれますよ、というのが今回の話題でした。

改めて、先生方、ともに学んでくれた仲間、そして家族に心から感謝をしています。

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