最近読んだ本-2-「ここはすべての夜明けまえ」他3作

ここ数か月で読んだ本の感想をまとめて書いていきます。
暇だったら読んでください。


1,「ここはすべての夜明けまえ」間宮改衣


SFであり、純文学の要素もある私の好きなジャンルだった。
性的虐待など苦手なシーンもあったけど、SFだからかすんなりと読めた。
不意打ちで出てくるギャグも好きだった。
シリアスなシーンに挟まっているから余計に笑えた。
死生観にも言及されていて、作中の下記の発言についてはいろいろ考えさせられた。

死にたいのに生きつづけなきゃいけないなんて拷問だろう、生まれることは選べないんだからせめて死ぬ権利くらいはすべての人間に保障されるべきだと思う。けど融合手術は言ってしまえば死ぬ権利の剥奪だ。俺はずっとお前が嫌いだった、おまえのせいで母さんが死んだと思っていたから。でもおまえだって選べるなら別に生まれてこないよな。生まれたくて生まれたわけじゃないだろう。自分が死にたいと思うようになって、やっとわかった。勝手に生まれさせられて生涯を搾取されて、本当に気の毒だと思う。すまなかった。

P63

主人公の好きな曲↓

2,「ゲームの王国」小川哲

ポル・ポトの隠し子である少女と片田舎で生まれた天才少年が共産主義に支配された社会の中にゲーム性を見出していき、少女は政治の世界へ、少年は真に公平なゲームを追及していく。そんな2人は、やがて宿敵として邂逅する。
個人的には物語の筋を上記のように解釈しました。
ゲームに対しての哲学的な考察が面白く、さすが東大大学院で哲学を学んだ作者だと感心しました。
歴史小説は何度か司馬遼太郎を読もうとして幾度も断念したことがありますが、歴史改変系SFは好きだなと思いました。
Kindle paperwhiteを手に入れたので、今度は、「地図と拳」を読もうと思います。

3,「悪い夏」染井為人

面白くなかった。ミステリーというには驚きがなく、ノワールというには恐ろしさがなかった。
これが映画化されるのかと嘆息した。

4,「テクノ・リバタリアン」橘玲

一応、投稿主はプログラマの端くれであるし、父の影響で橘玲の本は何冊か読んできたので、書店で購入。
読んでみて、ITや数学の天才たちのようにあそこまで才能に恵まれたら人生楽しいだろうなと思ったが、自分には才能ないんだなと落ち込んだしまった。
高校生の頃にこの本を読んだら多分、私はテクノ・リバタリアンになりたくて数学だけを猛勉強しただろうが、今は「このままの自分でええか。地に足つけて、基本情報技術者の勉強でもやるか」と落ち着いている。
精神的に成長したのか、はたまた老いたのか・・・。
(こんな感想しか書けず申し訳ない。)


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