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YouTube革命〜メディアを変える挑戦者たち〜

先日韓国の友人から面白い話を聞いた。
友人は大学で日本語を教えていて、生徒たちに調べものをする時どうやって情報を知るのかを聞いたところ、彼らは“YouTube”と答えたそう。“ググる”のが一般的とは思いますが若い人たちはどうも違うらしい。
韓国で生まれたまとめサイトNAVERは動画検索に要員の募集をしているそうで、文字ではなく、映像で情報を調べる流れは広がっているのかもしれません。
そんな今回の推薦書は“YouTube革命〜メディアを変える挑戦者たち〜”です。


著者のマーニー・ペイヴァンは共産主義のチェコスロバキアで1970年生まれ。国家統制されたラジオ、放送局、映画、そしてバンドが許可なしに演奏するのも違法だった祖国での経験から、無料ですぐに世界中の映像にアクセスできるYouTubeに無限の可能性を感じていると綴られています。
毎月15億人が訪れ、毎分400時間を超える動画がアップロードされるYouTubeも、最初の投稿は動物園のゾウの19秒動画から始まっていた。そのパワーはキャッチフレーズの“ブロードキャスト・ユアセルフ”に現れていて、既存メディアの想像力を軽く超え様々なチャンネルが生まれ人気を博している。新製品の開封の儀を配信するチャンネル、ゲームを実況するチャンネル、映画に出てくる料理を実際に再現するシェフのチャンネル、車中泊を如何に快適に過ごすかを追求しているチャンネルなどなど。


そんなYouTuberたちが人気者になっているが、彼らは有名になることの意味を根底から変えているとありました。それはマイケルジャクソンやマドンナのように崇拝されることではなく、現実にいる友達のような存在。偽りのない人間であり、近づきやすいと思われることの重要性は高まる一方だと。
YouTubeの世界では、人々が観たくなるものは何かではなく、そのクリエーターの他の動画を観たくなり、“Like”ボタンを押し、あたたかいコメントを書き込み、次の動画を見逃さないよう会員登録して、さらにお気に入りのYouTuberを応援したくなるという気持ちにさせることが重要であると書かれていく。ジェイZやマドンナの名声をもってしても、オンラインでスターを追いかけるファンを獲得するのは難しく、ファンをつけるにはまずチャンネル運営を成功させるために長期間に渡る努力が必要で、頻繁なアップデート、親しみやすいクリエーターが求められているとあった。


またYouTubeで成功しているコミュニティのほとんどは、賞賛型のコミュニティだそう。全体として、好きなものを見に集まるファンたちであり、意地悪な見方を煽ったり怒りをぶつけたりはしない。自分の内にある否定的な感情を動画で表現させるようにすれば、怒りは長続きしないと伝えていた。ネットと言えば炎上の場というイメージが強かったがそれはごく一部であり、多くのコミュニティはその逆であるとあった。
また“オタクなファンは、じつのところ社交的”とまとめられている章の中で、“オタクは社交スキルに欠け、現実の人間と付き合えないからネットの中で生きる退屈な子などではないと思えるが、むしろ何かに対する愛情を、見ず知らずの人にまで公言し、その情熱にファンがつくほど一生懸命な人間。”とあって疑う余地がなかった。スティーブ・ジョブズはコンピューターオタクだし、ジョージ・ルーカスだって映画オタクだった。
この世界はオタクが変えて行くというと大げさだけれども、やっぱり好きなことをしている人を否定はできないし、何より魅力があるのではないでしょうか?


最後に人気ユーチューバーに聞いた、YouTubeを成功させるコツを。
“そうだな、YOUTUBEには、きみにしかできないことを投稿することかな。他の人がすでにやっていることをしたら、ただの二番煎じになってしまう。”

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