What About "Unreleased" ?
いきなり2000年代のBrandyの楽曲に関して触れましょう。
Brandy自身、2000年代に入ってから最初のアルバムで通算3枚目のアルバム"Full Moon"からのリードシングルの"What About Us"
これはリアルタイムで聴いていた1曲ですね。
98年リリースの前作"Never Say Never"より4年ぶりの新作リリースとあってかレーベルもかなりプッシュしていたのもあって当時はどのラジオ局を付けてもかなりヘビロテだったのをよく覚えてます。
ただ個人的には好みではなかったです。(ド直球)
掛かりすぎて飽きたみたいなトコもありましたが、どうもバッキバキの電子音のガチャガチャしていて、モタついたビートがどうも好きになれなくて自分には刺さらなかったです。
(プロデュースは馴染み深いRodney Jerkinsなんだけどね。)
とはいえ時代背景的にここいら辺からサンプリングクリアランスのコストを抑えられる面などを踏まえつつ、「クラブで映える・踊れる」的な側面から、TimbalandやThe Neptunes、Swizz Beatzらが作り上げたサウンドとは別のこんな電子音主体なトラックがどんどんメインストリームのHipHopシーンも含めて、どんどん主流になって行きましたねえ。
が、そんな中。
90年代後半から00年代後期まで猛威を奮った、当時の人気で品薄のプロモ(レーベルのプレス前も含め)やミックステープとかに入ってるフリースタイルやガチの流失音源といった当時や今でもレアな音源をどこよりも速くまとめて出していた有名ブートシリーズの"The Killah Kuts"よりこの曲の2曲のRemixが収録された1枚が突如として切られました。
1曲目はオケはそのままにNasのラップが乗ったRemix。
曲の冒頭でNas が「The Official Remix」と言ってますが結論から書くと2曲共リリース無しのお蔵入り音源です。
何故お蔵入りか?というともう一曲のRemixである"Steve 'Silk' Hurley Old Skool Remix"がモロに原因かと思われます。
それはオケにRick James/Mary Janeを要所要所で組み換えてますがスネアやハイハット等の付け足しはなく原曲を大胆にブツ切りにしているだけの「本当の意味でそのまま使い」というエグさからサンプリングクリアランスが降りるワケが無かった。というのが容易に想像出来ます。
ただ、これが無茶苦茶にトラックと歌のシンクロ率の高さが異常でかなり出来が良いです。
というかハマり過ぎてて今で言うところのマッシュアップ味すら感じます。
書かずともオリジナルよりこのリミックスの方がメチャクチャに好きです。
そしてお蔵入り = ブートが擦られる = 流失音源という図式が考えられがちで、この2テイク共に例に漏れず長い事ブートオンリーかと思われていますが、実はこの2曲はちゃんとレーベルから切られたプロモCDのみの音源が出どころになります。
やはりサンプリングクリアランスの関係かこのプロモCD自体が関係者配布くらいの流通量らしく、余りにも貴重過ぎるが故にこのKillah Kutsの音源を元に違うBrandyのブートコンピが作られたという逸話があるようです。