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エッセイ:6行目のつづき*2「読物」

本屋に行くと、
夏のお供になる一冊を紹介する
角川文庫の”カドフェス”
集英社文庫の”ナツイチ”
などが「ご自由にお取りください」
の一言と共に置かれていた。

見つけると必ず持ち帰っているので
例外に漏れず今回も。

帰宅して一息ついてから、
ゆっくりとページをめくる。


ふと、自分はこの紹介を見て
本を購入したことがあるか
ということが頭をよぎった。実はない。

ここで初めて一つの本と出会うこと
がないからかもしれない。

というのも、金曜日は帰り道に小さな本屋へ
寄るのがお決まりになっていて、
置いてある本の表紙や背には
いつも目を通している。

先週は無かったな、配置が変わったな、
などと思うのが良い。

それなら何故持ち帰るのか
ということが疑問だが
結論、わたしはこれを読物の一つとしている。

紹介文を読んでいると、なんというか
書店に並んでいる本の帯を
手に取ってゆっくり読んでいる感覚になる。

本屋で一つひとつ手に取って帯を読む
なんてことはなかなかできないことだ。


特に今夏の角川文庫さんには、
60ページ以上ものボリュームの中に
4つのコラムが挿入されているところに惹かれた。

コラムには、キャッチコピーの
「世界を照らそう」にちなみ
「本は世界とあなたを照らす」に関連した
有名作家の一筆が載っている。

これをご自由にお取りして良いものか、
贅沢な読物だと思う。

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