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パキスタンのユナニ医学

パキスタンにおいて、ユナニ医学(Unani Medicine)は食べ物や飲み物を含む日常生活のさまざまな場面で使われています。この記事では、パキスタンで伝承されているユナニ医学に由来する伝統的な食べ物と飲み物を紹介します。

シャルバト

シャルバト

シャルバト(Sharbat)は夏に飲まれる爽快感のある飲み物で、さまざまなハーブや果物から作られた甘い濃縮液です。ユナニ医学の定番であり、爽快感と健康増進の効果があり、パキスタンで広く受け入れられています。

シャルバト・エ・サンダル(Sharbat-e-Sandal): 白檀から作られたこのシャルバトは、冷却効果があるため夏に最適な飲み物です。不安感を落ちつかせ、心臓や胃のムカツキを和らげ、暑さによる頭痛を緩和します。

シャルバト・エ・サンダル

シャルバト・エ・バズーリ(Sharbat-e-Bazoori): さまざまなハーブをブレンドしたこのシャルバトは、肝臓の健康と解毒に効くとされており、肝臓強壮剤、利尿剤、尿路疾患、胃酸過多、腎臓障害、尿路感染症などの症状を緩和します。

シャルバト・エ・バズーリ

シャルバト・エ・イライチ(Sharbat-e-Elachi): カルダモンで作られるこのシャルバトは、消化に効果があり、香り豊かで爽やかな飲み物です。食欲増進、消化促進、皮膚の疾患に効くとされています。

シャルバト・エ・イライチ

ハリーナ

ハリーナ(Hareera)は冬に飲まれる栄養価の高い飲み物で、アーモンド、ピスタチオ、サフラン、カルダモン、シナモンなどのスパイスを混ぜた牛乳を沸騰させて作ります。この飲み物は、体を温めて免疫システムを強化する効果がありまます。

ハリーナ

トゥクム・エ・マランガ

トゥクム・エ・マランガ(Tukhm-e-Malanga)はバジルの種のことで、冷却効果があることから、パキスタンでは飲み物やデザートによく使われています。水に浸すと、これらの種は膨らんでゼラチン状になり、ファルーダ(Falooda)やさまざまな飲み物によく加えられます。

トゥクム・エ・マランガ

アルク・エ・グラブ

アルク・エ・グラブ(Arq-e-Gulab)はバラの花びらから作られたローズウォーターです。鎮静効果や抗炎症効果があり、ユナニ医学で広く使用されています。パキスタン料理では、グラブジャムン(Gulab Jamun)やキール(Kheer)などのデザートにも使われます。

アルク・エ・グラブ

サットゥ

サットゥ(Sattu)は焙煎した大麦またはグラムから作られた小麦粉で、パキスタンでは特に暑い夏の時期にエネルギーを補給する伝統的な飲み物です。水、砂糖、塩をひとつまみ混ぜたサットゥは、ユナニ医学では重宝されています。

サットゥ

パンジリ

パンジリ(Panjiri)は、ギーで焙煎した全粒小麦粉、砂糖、ナッツ、ドライフルーツ、スパイスを混ぜて作られたなグラノーラのような食べ物です。産後によく食べられるパンジリは、産後の肥立ち、回復を助け、体を強くすると信じられています。その材料は、ユナニの原則に沿って、温めて栄養を与える特性を持つように選ばれています。

パンジリ

ジョシャンダ

ジョシャンダ(Joshanda)は、甘草、茶葉、ショウガなどのさまざまなハーブを混ぜて作られたハーブティーです。ユナニ医学では、風邪、咳、呼吸器系の問題に効くとされています。パキスタンでは、ジョシャンダは寒い季節に頼りになる治療法で、鎮静効果があることで知られています。

ジョシャンダ

結論

ユナニ医学がパキスタン料理に与えた影響は大きく、これらの食べ物や飲み物は栄養上の利点を提供するだけでなく、現代的な習慣と伝統的な知恵を結び付けています。自然体な健康意識が高まるにつれ、ユナニ医学の伝統は、これらの愛されるレシピを通して称賛され、保存され続けています。