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月並みに輝けない


祖父の葬儀をすっぽかしてまで(※)
大切にしてきた趣味がある。

自分が物心ついた頃にはやっていた趣味。
学生時代、金がなくて1日1食にしてまで
費やした趣味、サッカー観戦だ。

それがいま、完全にモチベーションを切らしている。

贔屓チームのFC東京の監督としてピーター・クラモフスキーが就任したことが理由のひとつだろう。
もう1つの贔屓チーム、モンテディオ山形の2023シーズン8連敗の引き金となり、個人頼りのサッカーで戦術など皆無に見受けられたサッカーをFC東京で見せつけている。

(ちなみにもう1つの贔屓チーム・モンテディオ山形も今年は死ぬほど弱いが、東京から山形にホームゲームを観に行くくらいにはモチベーションは低くはない。ただ、今年の山形の成績不振はサッカー観戦へのモチベーションが下がっている原因の1つではあるだろう。)


話をFC東京に戻そう。
もちろんFC東京では与えられている駒(選手)に対しての結果は最低限の最低限(ダービー引き分けや天皇杯はまだ敗退していない、など)残していることは評価できるが、それでも、だ。
戦術クラスタではないので、この選手がこうだああだとかっていう深い考察は自分には出来ない。強いて言えば、この選手よりかはあの選手を出した方がいいよね、くらいだし、プレーに対して一連の流れを見て、ああだこうだと言うくらい。
そんな浅い自分でも、「いやいや…」と思う回数は少なくないのだから、FC東京のサッカーに対しての不満が募っているのを理解していただきたい。

加えて、サポーターの質の低さに辟易している。
審判資格を持ってまもなく10年になる。
審判に関わる映像は欠かさず見るようにもしている。

「サポーターさん、何がわかるの?笑」という回数が
あまりにも回数を重ねすぎた。

例えば今年のガンバ大阪戦の、東京の同点ゴール疑惑だ。あんなもん疑惑でもないが、わかりやすく伝えると「疑惑」になるだろう。

おそらく審判に携わる人なら、100人に98人が「エンリケ・トレヴィザンのオフサイドポジションからのプレーに関与」で、オフサイドと唱えるだろう。
マジでアレはJFAの映像資料にはなる気がする。関与タイプのオフサイドって意外とないもんだと思っている。

Twitter上ではどうか?
FC東京サポーターの「オフサイドじゃない!」が一定数いるのだ。
もちろん山田康太のゴールの前、一連の流れがファールやオフサイドを主張する気持ちも分からなくもないけど、それよりもファクトに対して文句を言う連中が一定数いることの方が驚きなのだ。
((あとアレはまた微妙な判定だったと思う))

判定にセンシティブになっているのはわかる。オフサイドのルールが複雑なのもわかる。
ただ、ファクトに対して文句を言うのってどうなの?って思ってしまうのだ。「オフサイド」という事実に「オフサイドじゃない!」って言ってるのだ。

ただ、これが単発ならまだしも、ラフプレーの警告止まりで済むファールを「退場だ!」って騒ぐサポーターにも辟易している。
「あのレフリーはファール取ってくれたのに、このレフリーはファール取ってくれなかった!」
もう笑わせないでくださいよ。人それぞれに異なる価値観があるように、審判にも価値観やフットボール観があります。
「ここまではOK、ここからはNG」
みなさんの日常でもあると思うし、それって人それぞれですよね。
AIに審判をやらせるのであれば、試合のテンポが最低になるのは目に見えている話。草サッカーレベルでさえテクノロジーを使わないと、現代フットボールはやっていけない。
それならば、Jリーグなんか人力では無理なことも増えてきている。
それでも、審判は人間なんですよ。

こんなのがまあ1-2試合に1回は流れてくるTwitter。
FC東京に限らず、選手や審判を晒し者にして、チームや選手に対して誹謗中傷を促し、自分はいいねやリツイートを稼げる最高のコンテンツだ。醜い自己顕示欲だ。
見なければいいのはわかっているし、なら非表示にすればいいのにってのもそう。マジでそれが正解なんだけどね。

何がわかるの?あなたたち。


また、最近何に憧れたのかは知らないけれど(どうせ浦和レッズだろ)、若い子たちがまあまあ大きい旗をたなびかせている。
別にいいと思う。スタジアムのビジュアル的に迫力が増すし、決して悪いとは思ってない。

ただ、個人的には、試合が見えない。
試合が見えないから応援には多少なりとはモチベーションが下がるよね。試合がまるまる見えてる人と比較とするとね。60%の力しか出せない仕様になってるものに、100%の力を出せ!って言うのは、いじめに近いですよね。

その旗振ってる人が、「声が足りない」「全然東京ゴール裏は跳んでない!」って言ってるのを見ると、「いやいやいやいやお前さ」ってなるのだ。旗振ってる人は試合は見えるのよね。
「俺はビジュアルで盛り上げる!お前らは声で盛り上げろ!」的なツイートや発信を見た記憶がないよ、本当に。

ただ、ゴール裏も変わろうとしている中で、これを受け入れられないのは「老害」扱いされてしまうのかな、と。
老害扱いされるのは別に構わない。アップデート出来ずに、時代に取り残されている自分を恨むしかないのだ。
恨みつらみ、劣等感を味わう。自分の社会での立ち位置と重なり、さらに辛くなっているのかもしれない。

こんな三重苦を味わいながらのサポーターって個人的には出来ないナァ、と。
ただ、自分を形成してきたのは間違いなくこの趣味ではあって。
でもそれから目を背けないといけない現実。

現実…?
彼女もいない、仕事もうまくいってない(しかもさらに上手くいかなくなりそう)、趣味もない。
マッチングアプリで知り合って、半年LINEが続いた女からは会話中に疑問形で返したのに既読無視される始末。

現状、何をモチベーションに生きているかわからないような人間だ。この時点でもう相当に辛い。

虚無を噛み締めながら、明日も明後日も満員電車に乗り、着古したスーツと革靴を身にまとい、怒られるために会社へ行くのだ。

新しい生きがいと目標を見つけたいと思っている、社畜の長々とした独り言でした。

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(※人でなしと思われそうだから注釈
コロナ全盛期に祖父がコロナ以外の病気で亡くなったのに対し、俺は当時新宿でバイトをし、電車で片道2時間半の大学通学をしていたため、親族に参列を咎められ、1人東京に残されたので、アウェイに試合を観に行った。すっぽかしたわけでは……ないはず。)