きのこの摂取は、腸内環境に応じて腸内短鎖脂肪酸と免疫グロブリンAを増加させる。無作為化比較試験
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ORIGINAL RESEARCH(オリジナル研究)論文
Front. Nutr.
栄養と微生物
doi: 10.3389/fnut.2022.1078060
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食用キノコと腸内細菌叢
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きのこの摂取は、腸内環境に応じて腸内短鎖脂肪酸と免疫グロブリンAを増加させる。無作為化比較試験
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnut.2022.1078060/abstract
西本雄一郎1、河合純也2、森浩一郎2、Tenagy Hartanto1、小松かおり1、工藤徹1、福田真二1、3、4、5、6*(以下、敬称略
1メタジェン株式会社、日本
2北斗製作所、日本
3慶應義塾大学先端生命科学研究所、日本
4神奈川産業科学技術大学院大学、日本
5筑波大学、日本
6順天堂大学医学部、日本
仮受理されました。最終版は近日公開予定です。
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背景 きのこ類には食物繊維が豊富に含まれており、食物繊維の摂取により短鎖脂肪酸(SCFA)濃度が上昇することが報告されている。また、SCFAsは免疫グロブリンA(IgA)の産生を促進することが報告されており、全身免疫への関与が示唆されています。
目的 本研究の目的は、きのこ摂取が腸内IgA量に及ぼす影響を評価することである。また、腸内細菌叢と腸内メタボロームを網羅的に評価し、IgAとの関連について探索的に解析することを目的とした。
方法:健康な成人(n = 80)を並行群間試験に登録した。参加者は、キノコを含む食事またはプラセボ食を1日1回、4週間摂取した。腸内細菌叢プロファイルは、細菌の16SリボソームRNAエンコード遺伝子の配列決定により評価した。腸内メタボロームプロファイルは、キャピラリー電気泳動飛行時間型質量分析計(CE-TOFMS)を用いて解析された。
結果 きのこ摂取により、摂取4週目のIgA値は対照群に比べ増加する傾向があった(p = 0.0807; Hedges' g = 0.480)。また、きのこ摂取群は対照群に比べ、酪酸やプロピオン酸などの腸内SCFA濃度が有意に高かった(p = 0.001 and 0.020; Hedges' g = 0.824 and 0.474, respectively)。腸管IgA量の変化と腸内環境のベースラインの特徴との相関分析により、腸管IgA量の増加は、ベースラインのSCFAsレベルと正の相関を示した(SpearmanのR = 0.559 and 0.419 for butyrate and propionate, respectively)。
結論 きのこの摂取は、一部の被験者において、腸内SCFAsおよびIgAを有意に増加させた。腸内IgA濃度の増加は、ベースライン時のSCFA濃度が高い被験者でより顕著であった。この知見は、きのこが腸内環境を変化させるが、その効果の強さはやはりベースラインの腸内環境に依存することを示す証拠となる。本試験は UMIN000043979 として www.umin.ac.jp に登録された。
キーワード:腸内細菌、腸内メタボローム、短鎖脂肪酸(SCFAs)、免疫グロブリンA(Ig A)、キノコ類
Received:2022年10月24日; Accepted:2022年12月21日。
Copyright: © 2022 西本、河合、森、秦野、小松、工藤、福田. 本論文は、クリエイティブ・コモンズ表示ライセンス(CC BY)の条件の下で配布されるオープンアクセス論文である。原著者またはライセンサーのクレジットを表示し、本誌の原著を引用することを条件に、他のフォーラムでの使用、配布、複製が許可されます(一般的な学術慣行に従って)。これらの条件に従わない使用,配布,複製は許可されない。
お問い合わせ先 株式会社メタジェン 福田慎二博士(鶴岡市
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