糖尿病マウスにおけるメラノイジンの血糖降下作用と腸内細菌調整作用






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研究論文

糖尿病マウスにおけるメラノイジンの血糖降下作用と腸内細菌調整作用

https://scijournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jsfa.14000

蘇昌達,毛肇傑,祁培培培,韓嘉欣,夏小紅,耿元浩,王霞,韓才静,張鳳翔


初出:2024年11月11日

https://doi.org/10.1002/jsfa.14000


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論文概要
















要旨

背景

ゴマ油の水抽出は、大量のメラノイジンを生成する伝統的なプロセスである。しかし、これらのメラノイジンの特徴や生理活性機能についてはほとんど知られていない。

結果

電子舌分析、蛍光発光分光分析、フーリエ変換赤外分光分析の結果、ゴマ残渣由来のメラノイジン(MELs)は、タンパク質骨格とヘテロ芳香環構造を持つ褐色の高分子化合物であり、苦味があり、強い酸化的・還元的環境では不安定であることが示された。MELはin vitroでα-グルコシダーゼ、α-アミラーゼ、膵リパーゼに対する阻害作用を示した。これらのMELは、2型糖尿病(T2DM)マウスの体重減少を緩和し、空腹時血糖値を初期値の54.73%(500 mgkg-1 day-1 )まで低下させ、肝臓と骨格筋のグリコーゲンレベルを上昇させ、血中脂質レベルを低下させ、肝臓を保護した。ウェスタンブロット解析の結果、MELはIRS-1/PI3K/AktおよびAMPK経路を介してPEPCK、FBPase、G6Paseなどの酵素活性を阻害し、ヘキソキナーゼ(HK)およびピルビン酸キナーゼ(PK)の酵素活性を上昇させ、肝臓の解糖能力を高め、肝臓のグリコーゲン合成を促進し、T2DMマウスの血糖値を低下させた。さらに、MELはT2DMマウスの腸内におけるファーミキューテスとバクテロイデス(F/B)の比率を低下させ、ラクトバチルス、コプロコッカス、ルミノコッカスなどの有益な細菌の相対的存在量を増加させ、プロピオン酸含量を減少させた。

結論

メラノイジンは、IRS-1/PI3K/AktおよびAMPKシグナル伝達経路を活性化し、T2DMマウスの腸内細菌叢の不均衡を改善することにより、T2DMを制御することができる。© 2024 化学工学会.


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