ランダム化臨床試験 下痢を伴う過敏性腸症候群に対する糞便微生物叢移植療法
ランダム化臨床試験 下痢を伴う過敏性腸症候群に対する糞便微生物叢移植療法
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37667968/
Yuk Kam Yauら、Aliment Pharmacol Ther. 2023.
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要旨
背景 糞便微生物叢移植(FMT)は、過敏性腸症候群(IBS)患者の一部において症状を改善することが示されている。
目的:IBS患者におけるFMTの有効性を評価するために無作為化試験を実施した。
方法 下痢優位のIBS患者56人を、ベースライン時と4週目に十二指腸経由のFMT群とプラセボ群に1対1で無作為に割り付けた。主要アウトカムは、12週目におけるIBS重症度評価システム(IBS-SSS)スコアの50点以上の低下であった。副次的アウトカムは12週目の腹部膨満感の改善と腸内細菌叢の変化であった。12週の追跡後、プラセボ群には非盲検FMTが割り付けられた。
結果 12週目に主要評価項目を達成したのはFMT群で57.1%、プラセボ群で46.4%であった(p = 0.42)。腹部膨満感が改善した患者はFMT群でプラセボ群より多かった(72% vs 30%、p = 0.005)。非盲検延長試験では、65.2%と82.4%の患者がそれぞれ主要評価項目と腹部膨満感の改善を達成した。FMT群の患者の便中マイクロバイオームでは、12週目にルミノコッカス・グナバスのような細菌の減少とローソニバクターのような細菌の濃縮が認められたが、プラセボ群では変化はなかった。機能解析の結果、FMTを受けた患者では硫化水素産生経路が減少し(p<0.05)、それに伴って寄与菌が減少した。FMTに関連した重篤な有害事象はなかった。
結論 FMTを4週間の間隔で2回実施しても、IBS-SSSスコアは有意に低下しなかった。しかし、より多くの患者で腹部膨満感の改善が認められ、これは硫化水素産生菌の減少と関連していた。(ClinicalTrials.gov NCT03125564)。
© 2023 The Authors. Alimentary Pharmacology & Therapeutics発行:John Wiley & Sons Ltd.
参考文献
参考文献
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関連データ
ClinicalTrials.gov/NCT03125564
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