同性からの糞便微生物叢移植が潰瘍性大腸炎患者の症状に及ぼす影響


要旨
同性からの糞便微生物叢移植が潰瘍性大腸炎患者の症状に及ぼす影響

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37725892/

シュウ・シャンほか、Pol J Microbiol. 2023.
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引用

要旨
潰瘍性大腸炎(UC)患者に対する同性からの糞便微生物叢移植(FMT)の臨床効果を比較することを目的とした。合計272名の潰瘍性大腸炎患者が前向き臨床試験に組み入れられ、それぞれFMTまたはプラセボを投与された男女の患者からなる4つの異なるグループが組み入れられた。FMTは、健康な女性または男性の青年の腸内細菌叢を、同性の患者に胃カメラで3回(1回/3週間)送ることによって行われ、プラセボは同量の生理食塩水が用いられた。腹痛、下痢、濃い血便、腸粘膜病変、Mayoスコアを測定した。自己評価不安尺度(SAS)と自己評価抑うつ尺度(SDS)を評価した。腸内細菌叢の変化は16S rRNAシークエンスにより検出した。FMTはプラセボ群と比較して、UC患者の下痢、腹痛、粘膜病変、Mayo、SAS、SDSのスコアを減少させた(p<0.05)。男性患者の腸内細菌叢ではClostridialesとDesulfovibrionaceaeが優勢であり、FMT後に減少した。一方、Prevotella属、Lactobacillus属、Bifidobacterium属は男性群で増加した。女性患者ではFMT前にEscherichia-Shigella、Desulfovibrionaceae、Staphylococcaceaeの存在量が高く、FMT後には減少した。一方、Porphyromonadaceae、Prevotella、Lactobacillus、Bifidobacteriumは女性群で増加した。対応するプラセボ群では、これらの菌種に有意な変化は見られなかった。FMTは男女患者のUC症状を改善したが、これは異なる腸内細菌叢の変化と関連している可能性がある。

キーワード:前向き臨床研究、糞便微生物叢移植、腸内細菌叢、性差、潰瘍性大腸炎。

© 2023 Shu Shang et al.

参考文献
文献
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