消えた成人式

私は昨年2021年の1月に成人式を迎えるはずだった、2000年生まれのいわゆるミレニアムベイビーの世代です。

私の成人式は開催の直前に中止されてしまい、振袖は着たもののごくわずかな友人と写真を撮ったのみで、同窓会も集まる機会も失われました。

私は当時周りの大人や先輩などから「いつか笑い話になる日が来るよ」と言われ、そうなのかと思い1年間過ごしてきました。

そんな中、私のアルバイト先に今年成人を迎える子がいることに気づき、「成人おめでとう」と声をかけたとき

「雪が降るかもしれないから～…」

と言われ「成人式があることがありがたいんだよ。雪が降っても行った方がいい」と口では言いつつも、心では「成人式やりたかったなあ」と悔しいような羨ましいような感情が芽生え、「私は成人式なかったからさっ」と明るく言い残してその場を後にしました。

もちろん、成人式がなかったからと自治体が代替の措置を取ってくださり、昨年中に再会の機会や場所、時間を得ることはできました。

しかし、その場に集まった同級生は私を含めたったの6人。
（そのうち私含め4人は仲良しのメンバーでした）

とてもじゃないけど成人式の代わりにはなりませんでした。

きっと私はこの先「成人式」と聞けばできなかった日のことを思い出し、毎年先輩の成人式を見て楽しみにしていた日々を思い返し、そこにあったかもしれない再会の機会を逃したことを悔やみ、あてもなく悲しくなるのだろうと思います。

「私の成人式を返して」とは言うつもりは全くありません。

開催しなかった理由は感染症の拡大を防止して、成人する人やその家族、友人を守るためであったことは明確だからです。

でもこの思いが笑い話になるのは当分先のことになるだろうと思います。

私たちの世代だけができなかった成人式。

思い出すだけで涙が出そうです。

晴れ着を着て、友人と思い出を残し、笑顔で再会することを本当に楽しみにしていました。

だから、今年もその先も、成人する人への成人式は必ずしてほしいと思っています。

開催される成人式に参加することは自由です。参加しない自由もあります。

でも開催されないものは参加できません。

集まって話すだけでも挨拶を交わすだけでもいいから。
そんな機会もう2度とないかもしれないから。

せめて成人式が開催されますように。

成人を迎えた皆様、本当におめでとうございます。

#成人の日をむかえて