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ミュージカルを観たことない人に薦めたい「1789~バスティーユの恋人たち~」

ミュージカル「1789」を人に薦めるためだけにnoteに登録した。わたしは本気だ。
わたしの主観で楽しいところを詰め込んだ。

1789~バスティーユの恋人たち~とは

東宝主催の帝国劇場にて2016年、2018年の2回上演されたミュージカル作品である。
フランスで作られた作品で、フランスでの上演後、日本では宝塚(女性のみ)→東宝(男女出演)という形で上演されている。
演出は小池修一郎氏が務め、アンサンブル~プリンシパルキャストで50人程の大型作品。
ちなみに、小池修一郎氏のその他の作品としては、大人気演目「エリザベート」「モーツァルト!」の他、香取慎吾・山本耕史出演の「オーシャンズ11」等がある。
本公演では、ルイ16世の治世下、フランス革命の始まりを描いている。
ミュージカル「1789~バスティーユの恋人たち~」公式ページはこちら


1789のあらすじ

ボース地方で農民として暮らしていた青年ロナン。
不作のために税金を払えず、土地を取り上げられ父を殺されたロナンはパリに出ていくが、そこでは貴族達が贅沢三昧、平民たちは飢えており、第三身分(※平民の身分)の議員達が自由と平等を求め叫んでいた……
革命家であるロベスピエール・ダントン・デムーランと出会い、自身も世界を変えるために革命に身を投じる覚悟を持つロナン。
そしてマリーアントワネットの下で王太子の養育係として仕えるオランプとの恋ーーー。
フランスの歴史が大きく揺れ動く中、ロナンの運命やいかに。

とまあ、こんな感じのお話です。
世界史をやってるとちょこちょこ見知った名前があるはず。

ここを観てほしい①農民兄妹

前述の通り、本作品の主人公は"いち農民"である。

彼は歴史上一切名前の出てこない人物で、彼と知り合い、彼に「哲学」を教え、周りの人間たちが歴史上に様々な形で名前を残していく人物になる。
1789年のバスティーユ牢獄襲撃は当然歴史上の出来事で、ロベスピエール・ダントン・デムーラン達はそこから歴史に名を残していくことになる。でも、その革命に参加した多くは名も無き平民で、多分農民だったりパン屋だったり、印刷工だったり……普通の人間だった。
その代表として主人公ロナンが描かれているのである。

このロナン役には俳優の小池徹平さん、加藤和樹さんがダブルキャスト(※同じ役を交互に演じること)でキャスティングされている。

見た目の話でいくと小池徹平さんは身長が167cmで可愛い系、加藤和樹さんは身長が181cmでTHEイケメンって感じなので、パッと見全然違うじゃん!と思う方も多いだろう。
ただこれがダブルキャストのミソで、役者達は同じ役を演じるからと言って必ずしも全く同じにはならないのである。
ストーリーの進行上、同じ行動をするけど、その行動に至るプロセスだったり、台詞や歌に乗せる感情だったり、役のアプローチが違うことも少なくない。

メインキャラでもう1人、メインキャラクターの中にいち農民であるキャラクターがいる。
主人公ロナンの妹ソレーヌだ。

このソレーヌ役を演じるのはソニンさんである。
「カレーライスの女」とかEE JUMPでゴマキの弟とユニット組んだりとか、ハロプロではないけどなんかその周辺で活動していた彼女である。
待ってわたしより若い子はソニンのことわかるのか……?

「ソニンって女優やってんの?」という声も少なくないと思うが、彼女の舞台女優としての実力が半端じゃない。菊田一夫演劇賞など、名のある演劇賞を受賞したり、帝国劇場の作品に何作品も出演したりと活躍めざましい。だいすき。

彼女は主人公ロナンの妹で、最初は貧しい普通の農民の女の子として出てくる。
その後、ストーリーの展開を経て、革命の波の中で変化していくソレーヌ……を思い出すとわたしは今この文章を書きながら泣きそうになる。

この兄妹は、当時その辺にいてもおかしくなかったであろう、貧しい農民の兄妹の代表として描かれて、その2人が歴史の動きの中で変化していく様が小池徹平さん、加藤和樹さんのそれぞれのロナンやソニンさんのソレーヌを通して見ることが出来る。

ここを観てほしい②華やかな衣装

ミュージカル初心者は特に、圧倒されるのではないか?というのが衣装。
演出の小池修一郎氏は宝塚の人なので、美しいものを魅せることがとても上手い。
袖や裾の1cmにこだわり、役者達は役を体現するために肉襦袢を着込んで熱いスポットライトの下で歌って踊る。汗がやばい。
今回は特にマリーアントワネットをはじめとするフランス王室の人々が出てくるので、とにかく衣装がすごい。

主人公のロナンは2-3着しか着ないけど。

開始5曲目のマリーアントワネット(凰稀かなめさん/龍真咲さん)の初登場シーン等、華やかで美しくてとても楽しいので要注目である。
ヒロインのオランプ(神田沙也加さん/夢咲ねねさん)の衣装もはちゃめちゃに可愛い。

許されるなら一度衣装だけをひたすら観る回を作りたかった。
普通に内容が楽しすぎて無理。

ここを観てほしい③迫力あるダンス

ミュージカルにおいて、忘れてはいけないのがアンサンブルキャストの皆さんである。
アンサンブルっていうのは、劇中の様々な、所謂モブ(じゃないのもあるけど)をやる俳優さんのことで、作品の規模によって人数が全然ちがう。

1789では、このアンサンブルキャストが多い。
革命ものにおいて、このアンサンブルキャストの人数はかなり重要だと思う(多分)。
民衆と軍隊の戦うシーンなんて人数が多くてなんぼ。

さて、世界史に詳しい人だとご存知かと思うが、「球戯場の誓い」というものがある。
そのシーンで軍隊に抵抗する革命家たちがアンサンブルを混じえて集団でクランプと呼ばれるダンスをする。
これがはちゃめちゃにかっこいい。
とにかく見てくれ。かっこいい。ステージの熱量がビシビシと観客にも伝わってくる、歌はないけれどド迫力のシーンに仕上がってくる。
わたしは2幕冒頭のロベスピエール(三浦涼介)の歌からこのクランプのシーンがとても好き。シンプルに好き。

他にも1幕終わりやクライマックスのバスティーユ襲撃でもアンサンブルさん含めた数の暴力による圧倒的かっこよさがすごい。

ここを観てほしい④楽曲

「ミュージカルの曲って敷居が高そう」
こんなようなことをよく言われる。実際クラシカルな曲調のものも多かったり、生オケ演奏だったり、わたしはもうミュージカルの楽曲を聴きすぎて敷居の高さとかわからんけど、そう思う人もいるのかもしれない。
多分オペラみたいな歌を想像する人も多いのではないだろうか。

1789は"フレンチロックミュージカル"と銘打ってる。なんじゃそりゃ。フランス風ロックミュージカル。

音は敢えて生オケを使わず、エレキギター等の音も入る。生オケでは出せなそうな音が聴こえたりする。

先述した2幕冒頭シーンのロベスピエールの楽曲や、ソニンさん演じるソレーヌの楽曲等、普段ミュージカルを観なくてもかっこいい!と思える楽曲があるはず。
フランス版のPVで主人公ロナンが歌う楽曲

ここを観てほしい⑤俳優がすごい

主人公ロナンを演じるのは小池徹平さん、加藤和樹さんというのは先述した通りだが、その他のキャストもすごい。

ロベスピエール、ダントン、デムーランという歴史に名を残す革命家を演じるのは、三浦涼介さん、上原理生さん、渡辺大輔さんの3人。
マリーアントワネットの愛人だったとして知られる軍人フェルゼン伯爵を演じるのは広瀬友祐さん。
若手の実力ある、そしてかっこいい俳優たちが揃っている。
主人公と併せて、誰かが貴方の性癖に響く。

その他にも宝塚の元トップスターや有名ミュージカルでメインキャストを務めたミュージカル界の大物たちが脇を固め、若手のキャストたちを支えている。

まとめ

とにかく1789を観てくれ。話はそれからだ。

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