蒼穹のファフナー THE BEYOND 7、8、9話 感想(後半)
剣司の決意
子供だったキャラクターが大人になる。その大きな変化を特に感じるのは、一騎と同期では唯一家庭を持っている、剣司と咲良の二人ではないでしょうか。
両親を亡くしたフェイを引き取り、かつては復讐を理由にファフナーに乗った咲良が「復讐に生きないようにしてほしい」願うのは、人の親になった立場だったからこそ出てきた言葉なのかな、と感じました。
剣司もまた「フェイを守るよ!」と訴える衛一郎を見て、前線へ赴く決意を固めるわけです。
名前の通り、剣司、咲良、衞の三人は、剣と盾、そして三人の要という意味があるのだと思います。
衛一郎の言葉によって、剣を鞘に納めていた剣司も、今こそ自分の要である「家族」を守る時なんだと、かつての親友、衛に背を押されたような気持ちになったのかもしれません。
剣司は非常に人間らしく、ファフナーパイロットの中では心身共に大きく成長を見せてくれたキャラクターです。
本来なら主人公がこういったキャラクターになるように思うのですが、いかんせん一騎くんと総士の関係性が物語の主軸になっていることもあり、そういう一人の人間としての成長は、どちらかと言えば剣司の方が解りやすく描かれています。
一騎くんは感情を豊かに表現する性格でもないので、感情移入しやすい剣司は親しみやすくて大好きです!
いなくならないことを心の底から祈っていますが、いつ誰が死んでもおかしくないハラハラドキドキ感が、ファフナーの面白くも闇深いところ。
でも「戦わないとお前達が危ないんだ」という動機が、どことなく道夫さんの最期を思い出すような……。
フラグの乱立に、怖くて泣いちゃいそうです。
総士と美羽
本当にこの二人は可愛いと可愛いで出来た可愛いだな〜〜〜!
ジャムつけて食べたいくらい可愛いんですけど、二人の関係性も前回までとはまた違った地点に進んでいるように思えました。
前回までは総士が色々と必死で、自分の考え方については、美羽を通して、反省したり、改めて向き合う構図だったと思っているのですが、今回からは逆に美羽の方が、総士の考え方やスタンスに驚いたりすることが多いような気がしました。
美羽は、小さい頃から人の心が解ってしまうゆえに、自分を抑制したり、相手のことを考えすぎてしまったりする子で、フェストゥムと闘う時でさえ「ごめん」という気持ちが強く出てしまう。
総士はそこのところ、あっけらかんとしているので、美羽にとっては学ぶところがあるのかもしれません。
お互いに作用し合っているところが、良いコンビだな〜という感じです。
口喧嘩しつつも、美羽と総士は絆を深めているようで、美羽といると素の自分を出せている総士が本当に可愛かったですね!
美羽をはじめとして、総士は海神島で自分なりの人間関係を構築できているようです。
言いたいことが言えなくて、人と距離が出来てしまっていた前の総士とは、まったく違うコミュニケーションを取るBEYONDの総士。
豊かな感情表現や、思っていることは躊躇いなく口にしたり……前の総士がしたくても出来なかったことを、BEYONDの総士は思い切りやってくれているような気がして、見ていて気持ちが良いです。
零央と美三香
前々からフラグを立てまくっていた二人が最後の最後で無事で(アセロラ漬けだけど)本当に、本当に、本当に良かった!!!
展開は僚と祐未のオマージュだと思うのですが、海の底で手を伸ばし合うのが、辛くて辛くて、フェンリル起動しちゃった時は「もうダメだ〜〜〜!零央ちゃんと美三香がいなくなっちゃう〜〜!!」と絶望してた……!
総士、ありがとう!!!
零央ちゃんの戦闘はその世代では一番かっこいいと思ってるので、ルガーランスを振り回して動き回る零央ちゃんがいなくなったらどうしよう……と本当に心配だった。
EXOまでは愛とか恋とか解らないような年齢だったのに、TBEからは二人ともすっかり大人になってて、総士と一騎との特別な絆とは違う「男女の恋愛での絆」がしっかりしてたような気がする。
同化現象で苦しいのに、美三香の呼びかけに応える零央ちゃんの「ああ……!」の声が「めっちゃ無理してるじゃん!」って泣きました。
でもそんなことは美三香も解ってるはずなので、あの時の声掛けは、零央ちゃんに対する「もうすぐ私たちはいなくなるから、その前にめいっぱい無理しよう!」っていう叱咤激励なんですよね。
美三香も強い女です。
生きてても、いなくなっても、二人で一緒にいることが一番大事で、そのための覚悟が出来ている二人に、突然戦争に放り込まれた一騎たちとは違って、物心ついた時から戦争をしているという厳しい現実で育ったんだな、というところも感じさせられました。
それにしても、零央ちゃんは総士を「馬鹿弟子」呼ばわりしたり、とても可愛がっていたことが伺えて微笑ましいですね。
早くアセロラから脱出して、これからも総士の師匠として色々教えてあげて欲しいです。
総士の成長
前回までは幼い部分が前面に出ていて、無闇に相手を拒絶したり、自分を守ろうとして人を傷つけてしまったり、苛々したり、動揺したり、とにかく危うい感じがあった総士も、ニヒトに乗って自信がついて来たせいか、自分の思うように行動して、心に余裕が出て来たような気配がありました。
もちろん、勝手な行動で零央ちゃんに怒られたりもしてますけどね。
あのシーン、すごく子供っぽくて可愛い……!
怒られて「はい……」ってしてるところも素直で良いな〜。
真矢と美羽を元気付けるために料理をしたりと、以前より相手の気持ちを考えられるようになった印象。
一方で一騎との関係は進展がなく、どうしても受け入れられない様子。
それでも一騎の圧倒的な力は素直に「すごい」と思っていて、張り合っている部分もあるみたいですね。
でもまさか「ゴウバインプログラム起動だ!」になるとは思っていなかったので、本当にTBEで総士は楽しませてくれるな〜と思いました。
EXOで総士が「そんなプログラムはない……」とつっこんでいただけに、可愛さがすごい。
総士の戦闘シーンはただかっこいいだけじゃなくて、展開も本当に面白いですね。
ちなみに、あのニヒトのパワーアップシーン、OP曲の「THE BEYOND」が流れて、ちょうど歌詞と展開がものすごくぴったりハマってて、もう本当ファフナーすごくて、失神するかと思いました……!!!
どうか目覚めて欲しいと世界が祈った
→総士の力の解放を望んでるってこと?
切羽詰まった行く末絡まりあった
→切羽詰まった状況で絡まったスサノオとツクヨミの指先のこと?
みたいに解釈できて、その後は歌詞通りの出来事があったわけで、ニヒトが新しい機体になって現れた瞬間に、サビの「終焉を切り裂けカルマ」がくるわけですよ〜〜〜!!
angelaさん!!!!!
ここまでの歌詞と曲って普通作れますか???
たまたまそう出来上がったとしても、それをあそこまで素晴らしい演出に持っていけますか???
ファフナーって戦闘シーンも世界観もストーリーも100点満点なのに、音楽まですごくされたら、視聴者は言うことないですよ。
こんな素晴らしい作品を生み出しくれて、関係者各位ありがとうございます……。
幸せ……。
そして今回、一番成長したと感じるところは、ニヒトを変化させたことで力を使い果たし、存在と無の地平線に迷い込んでしまった総士が、前の総士の幻影を見るシーンです。
もはや情報の名残のようになってしまっている前の総士の録音音声に、「黙れ!それは僕の名前だ!」ときっぱりと決別していますね。
私はこの言葉に胸を突かれたような思いがしました……。
無印やEXOの総士が大好きすぎて、まだどこかでTBEの総士の中に、前の総士の面影を探しながら見ている自分が居たんですよね。
でも総士のこの台詞で「もうこのキャラクターは違うんだよ。そういうキャラクターとして描いているんじゃないんだよ」と諭されているような気がして。
本当にごめんね、総士。
根っこで似ているところはあっても、君は君であって、前の総士とは本当に違うんだよね。
全く違うキャラクターなんだよね。
知ってるつもりだったけど、解ってなかったんだな。
心がどうしても傷のある総士を求めてしまう……。
でもそれも、いつかはなくなるのかもしれない、と思わせるような、総士の大好きなシーンの一つになりました。
自己の確立は総士の発起点ですから。
一騎の現在
EXOでの激闘を経て、ほとんど人間ではなくなってしまった一騎くん。
戦闘では、それはそれは凄まじい力を見せてくれて、信頼出来る戦力になっているわけですが、いざファフナーを降りると途端に浮世離れしていて、視聴者にとっては一番感情移入できないキャラクターとして描かれていますね。
無印とEXOでの一騎くんを見ている身としては、TBEの一騎くんは人が変わってしまって、というより、存在そのものが変わってしまって、人間らしいところも、会話も、表情も乏しく、寂しい限りです。
戦闘すると眠るという設定でしたが、7〜9話ではちょこちょこ出て来てくれましたね。
千鶴を亡くした史彦の悲しみを感じ取って「父さん……」と呟いたり、ちゃんと慰めに来たり、真矢との会話だったり、完全に感情を失っているわけではないということも解りました。
ただし、やはり前の一騎くんとはすっかり違ってしまっているんだ、と感じる部分は随所に見られましたね。
「父さんなら悲しみを乗り越えられる。優しさだけ残せる」というような言葉には慈愛が満ちていましたが、どこか達観した印象も受けます。
自分の感情から寄り添って言っているのではなく、迷える羊を導くような、一歩引いた台詞……。
まるで、ミール(神)が人間に向けて言っているように思えますね。
真矢と史彦が会話している間も、自分は口を挟まず、何故か俯いて座っていました。
一騎くんの表情が完全に見えないのは、なんだか気になるところ。
以前の一騎くんなら、母親を亡くしても気丈に振る舞おうとする真矢を心配して、寄り添うくらいはしたはずです。
まるで身近な人がいなくなっても、それはそういう運命だったんだと、全てを受け入れ終えてしまっている人のようです。
わざわざ声を掛けに来るくらいだから、根本的に人を思いやることが出来なくなったわけではないのでしょうが、どことなく「あれ?一騎くんはみんなほど千鶴さんがいなくなったことが辛くないのかな?」と思えて悲しくなりました。
そして、真矢との会話のシーンで、身体能力的にも随分変わってしまっていることが判明しましたね。
先に史彦に「お前に戦わせてしまっている。そんな身にしてまで」というようなセリフがあったことから、周囲は今の一騎くんの身体がどんな状態なのか、了解しているのでしょうか。
真矢を見る一騎の視界がチラリと映るシーンがありましたが、一騎くんの視界は周りが暗くなっていて、普通よりも狭いことが解ります。
見えるものもモノクロで色が無く、聞こえも悪いのか、音が少しかすれていました。
体温もないようで、寒空の下で真矢が吐く息が白くなっているにも関わらず、一騎くんは喋っても吐息が白くなりません。
外気温と呼気が、ほとんど変わらない温度と言うことですね。
普通の人間なら死んでいてもおかしくないような現象ですから、やっぱり一騎くんは、もはや人間の形をした別の存在というわけです。
せっかくそばに置いてある缶コーヒーにも手を付けていませんでした。
真矢は寒そうに缶を抱えていたのにです。
史彦の懺悔に「自分の意思で選んだ」ことを伝えて、なるべく気に病まないようにしていたり、戦闘を続けようと決意を固めている真矢に「甲洋や俺みたいになることはない」と優しい言葉を掛けたりもしていますが、もう以前のような人間らしさは無くなっていることを表現するシーンは、今までよりも丁寧に描かれているように思えます。
それでも真矢は、一騎くんの前だけでは普通に笑ったり、寂しい顔をしたり、前と変わらない素の自分を出せているのです。
総士や美羽には冷静な態度を取る彼女にとって、一騎くんはどんなに変わってしまっても昔からの友達で、好きな人なのです。
飲食を必要としない一騎くんに、缶コーヒーを用意したのもきっと真矢でしょう。
彼女は当たり前のように一騎くんを人間扱いしてくれています。
今ではフェストゥムにさえ「化け物!」と呼ばれたり、島民とはあまりコミュニケーションが取れていない一騎くん。
「遠見は俺のこと、覚えていてくれる?」という一騎くんとの約束を、ずっと抱えてくれている彼女に、涙が止まらないシーンでした。
きっと一騎くんがこの約束を忘れてしまったとしても、真矢だけは一騎くんが普通の人間として、悩んだり、泣いたり、笑ったりしていたことを覚えていてくれるのでしょう。
一騎くんには、そんな風に真矢を取り残すような存在にはなって欲しくないと強く思ってしまいます。
痛みを調和する存在として、ただ島を守るマシーンのようにはなって欲しくないのです。
一騎くんをそんな風にするつもりで、総士があんな約束をしたとも思えません。
一騎くんが総士との約束をどう果たして、地平線の彼方で再会するのかは解りませんが、それまでに元の自分を失わずにいてくれるよう祈っています。
ところが、皆城総士という存在には別格に感情的になりがちな一騎くんもいます。
存在と無の地平線に踏み込んでしまった総士を迎えに行った一騎くんは、総士の背後に、かつて自分と一緒に島を守っていた戦友であり、親友だった皆城総士を目撃してしまいます。
戦闘の時でさえ、ザルヴァートル化で叫んだだけで、ほとんど表情を変えてこなかった一騎くんが、傷のある総士を見ただけで、はっきりと目を揺らがせて、寂しそうに、切ない笑みを浮かべます。
そして今までになく優しく柔らかに、
「帰ろう?総士」
と、今の総士に声を掛けるのです。
この言葉に、一騎くんの全ての葛藤や想いが詰まっている気がして、愛に溢れている声が切なくて、ボロボロと涙が……。
地平線に入り込みそうになると、決まって甲洋と操が止めにくるものだから、一騎はいつまでたっても役割を全う出来ません。
それもこれも総士とした「可能性を未来に導く」約束のせいなのですが、一騎くん自身はEXOで、すでに自分の気持ちは出してしまっています。
「自分も総士と一緒に地平線を越えたかった」というところです。
あの悲しい笑みを見る限り、一騎くんはまだその気持ちが残っているようです。
それでも総士との約束を果たすために、総士を追って無へ還るのではなく、TBEの総士を連れ戻すことを選択しました。
一騎の中では、傷のある皆城総士はいまだに絶対的な存在なんですね。
どれだけ自分が総士に付いて行きたかったとしても、総士の意思を尊重するのが、真壁一騎という男なのでしょう。
総士もそれが解っていたから、一騎にとんでもない約束をふっかけたのだし、一騎も文句も言わずにそれを受け入れています。
総士がやれと言ったらやるし、やれると自分でも思っているのでしょう。
EXOまでの総士の苦しみを、誰よりも理解していたからこそ出来るのです。
他を隔絶したような互いへの絶大な信頼と、想像を絶するような総士への献身。
だけど、一騎は一騎で、自分がどうなっても真矢だけは自分を覚えていてくれるから、とそれを選べた一面もあるような気がします。
逆にそうじゃないと真矢があまりにも報われない。
相変わらず、総士への感情がおっきいですね。
この一騎くんの反応で、ますます前の総士と今の総士は別のキャラクターなんだ、という念押しをされた気がしました。
一騎くんが感情を揺さぶられるほど繋がりが深いのは、前の総士だけで、今の総士はあくまでその彼の願いのために守り、導かなければならない存在なんですね。
前の総士のように寄り添って共に歩む相手ではなく、引っ張って送り出してあげなければならない相手だから、どうしたって同じ立場にはなれない。
今の総士には、本当の意味で寄り添うことが出来ないからこそ、あんな優しい声が出たのかもしれません。
正直、これを書きながら泣いています。
機体について
私はロボットアニメは他の作品も見るのですが、ファフナーほど機体萌するアニメはないな、と毎回実感しています。
私は女性ですが、蒼穹のファフナーシリーズには女性ファンが非常に多いと驚いています。
そして、同じくらいにロボットが好きだという女性ファンも多いような印象です。
ガンダムシリーズなども、SEEDからキャラクターヴィジュアルを大きく変え、髪色や目の色を多様にして、画面のカラフルさを演出したために女性がとっつきやすくなり、女性ファンを増やしたという背景があったりしました。
またエヴァンゲリオンでは、印象的なイケメンを登場させて、すぐ殺す、という荒技で、女性視聴者の心を掴みました。
このように、女性でもロボットアニメは見ますし、好きな人は多いです。
でも「登場するロボットそのものが好きなんだ!」という女性はあまり見ない印象です。
でもファフナーではロボットも人気がある。
何故か?と考えた時に、2つの理由があるのではないかと思いました。
これはパンフレットにも少し話が書かれていましたが……。
・ファフナーのメカデザインは曲線が多い
・機体そのものがキャラクターになるよう描かれている
この2つの点が、女性にそう思わせているのでは、と感じます。
まず女性は曲線に縁が深い生き物で、月経周期など、ぐるぐると何度も繰り返すサイクルを体内に持っています。
身体つきも曲線を描く箇所が多く、男性の直線的なシルエットとは大きく違いますね。
曲線が自分に身近な存在だからこそ、曲線の多いファフナーには親しみを抱きやすいのではないでしょうか?
また、機体そのものがキャラクターであるという点も大きいです。
個人的な意見になってしまいますが、私はロボットの砲台が重々しく動いてエネルギー弾が飛んでいって敵を撃滅するだとか、緻密に設計された巨大な機械がパイロットの操作によって、ウィーン……ガシャンと動き、剣を振り回す、といった可動自体には特に何も感じません。
ところが、男性的にはそれこそがかっこいいと感じる点のようで、無機質で機械的だから良いのだという意見が何人からかあったことに驚いた経験があります。
変形したりするところも大好きらしいですね。
ついでのように教えてもらったのですが、男性は女性のように月経サイクルなどの体内のリズムがないので、機械などの整ったものを見ると安心するのだそうです。
何より「強そう」なこと自体が、すでにかっこいいのだとか。
不思議ですね。
ファフナーはもちろんロボットなのですが、見ている限り、そんな機械的な動作はあまり感じません。
乗るのではなく、ファフナーになるという「体感操縦式」設定があるからですね。
この設定のおかげで、ファフナーは単なるロボットではなく、中に乗っているパイロット自身の動作の癖であったり、感情によるボディランゲージだったりを表現できるわけです。
9話では総士の乗るマーク・ニヒトに頭突きされて、痛がる美羽、そしてそれに連動するマーク・ザインのアクションがありました。
マーク・ザインは一騎の専用機だったわけですが、安全のために美羽が乗ることになっています。
一騎くんが乗っていた時のザインは精悍な印象でしたが、今回は美羽が乗っているために、動きが一々女性的であったり、穏やかであったり、非常に可愛らしいです。
ただ動いて戦うだけよりも、途中途中で表現される感情やコミカルな動きは、ロボット戦闘シーンを見慣れていない女性にとっては「今戦場で何が起こっているのか」を理解する手助けになっているような気がします。
また、多くの機体が一度に入り乱れるロボットアニメものは、どの機体にどのキャラクターが搭乗しているのか見失ってしまいがちな時、キャラクターを見分ける重要なポイントになっていると、私自身実感しています……。
「それくらい解っとけよ」と笑われてしまうかもしれませんが、女性はどうしても、男性のようにロボットジャンルを見慣れるという機会が持てない人も多いですからね。
普段料理をしない人に、レタスとキャベツを見分けろと言っても、答えにまごついてしまう。
それと一緒です。
男兄弟がいる女性はもっと違うかもしれませんが、男性ほど機械に惹かれるのか?というと、そうとも言えない部分があります。
ガンダムを見ている時の私は、きちんと見ているはずなのに、どうしても機体の名前が覚えられなかったり、誰が乗っているのか解らなくて、話が理解しにくい時がありました。
Zでザクが連邦の機体として使われていた時は、非常にややこしくて苦労したものです。
ファフナーでは機体の名前や形がうろ覚えでも、固有色だったり、動きだったりで「ああ、こういう動きをするならあのキャラクターの機体だな」と見当がつくので、とても助かるのです。
そのおかげで戦闘シーンでもきちんと楽しめますし、戦いのかっこよさ、機体そのもののかっこよさ、そして興奮を味わうことが出来ています。
ついには武器もかっこいいと思えるようになったのは、ファフナーの様々な設定のおかげだと言わざるをえません。
だからファフナーでの戦闘シーンは毎回ものすごく楽しみなのですが、この「ロボットでの戦闘シーンで楽しめる」ということ自体が、私にとっては新鮮な体験で好きなのです。
今回の、スサノオのSDPを封じられた上での戦闘には、手に汗握る高揚感を覚えたものです。
「蒼穹のファフナー THE BEYOND」残すところ、あと3話ですが、クライマックスへむけて、キャラクターたちの物語と一緒に、圧巻の戦闘シーンを期待していきたいと思います。