純氷(じゅんひょう)

48時間凍らせた純氷(じゅんひょう)

永い悪夢に息が出来ないほどの
あなたの思いが流れつく海の果て

南極まで運んで

かき氷にしたい

黄色のシロップを沢山かけて

その涙を凍らせてあげる

残酷な天使の命題に
うなされたあなたのその真っ赤な舌を
悪魔的な黄色に染めてあげる

時にはラズベリーの赤

時には秋空のスカイブルー

抹茶白玉は落ち着く味

でも今日だけはレモンイエローに

解かせて凍えて染め上げる

そんな気分になったんだ

眩しい日差しに照らされた

真夏の蝉しぐれが聞こえた気がした

あの夏を思い出す

真っ青な空

文化の日

レモンの氷をカラコロと

鳥たちのさえずりは互いの為だと

聞き入る真昼に

不死鳥の夢が儚げに、空を舞う