さようなら Yesterday【短歌十首】
さようなら昨日までの私、ありがとう背中にあたたかな陽だまり
冷たい北風に向かって軽く軽くなって駆け出したくなる想い
響き合ったのはいったい何だったかを感じる夜空に
秋空に風に乗る子らの笑い声ポニーテールを登るカマキリ
松ぼっくりをみてパインが食べたいという君は
常夏の光
冬の月光 ひとり旅優しく照らす一本道を影と歩む
不在という平和しか見つけられなかったあの部屋に幸多かれと
オーバーサイズの上着を纏って振り向かず北風を切ってゆくだけ
カーテンを透き通しゆく朝の光の滲む速度の涙かな
北風にふわふわのススキの穂が光るあたたかな手を振るように