詩│ポケットの中には
ザッザッと刈り取られた
黄金が 揺れていた黄金が
くったりと横たわる
さらさらとそよいだ青葉が
揺れていた青葉が色を変え
はらはらと舞いおちる
思い出が思い出が横たわり
ゆっくりゆっくり舞いおちて
私を肥やすかは知らぬが
夏鳥秋鳥柿畑
巡る命の声 喜びうたう輪となりて
真昼の熱が西にかえりて茜の輪
映る朱色 髪に瞳に彼岸花
落ち葉くるくる
いも焼き薫り
収穫を祝う秋の輪となる
やがて地に落ち言の葉は
心を肥やすか吾しらぬ
焚き火、こたつにストーブと
みかん、みかんの黄色が素敵
暖を囲む冬の輪よ
薪を割る音
山より降りて
一刻一刻と響く
熱をまだ持つ吾を知り
薪をわるよに問いかける
思い出が思い出が横たわり
ゆっくりゆっくり舞いおちて
何を肥やすかは吾知らぬ
ただ薪を割るよな時を知り
まだ脈うつ吾を知る
ふいに風にのり聞こえし君の歌
風が吹けば落ち葉が落ちて
土肥やし 土が肥えれば
ゆっくり 実のるよ
命の豊穣
朽ちても巡るよ
ポツポツポトリと
また種を撒くよと
寂しくも春風のように笑う
君のポケットの中は星でいっぱいだった
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