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詩│ネオンに雨が降る夜は

ネオンに雨の街

濡れた舗道には

雨粒が色づいて

花のように

光っている

歩く人々の足跡に光の残像を

弾かせている

雨傘ひとつ広げて

一緒に歩いた

母さんの好きなあの店まで

兄さん距離を置くように
一人、何メートルと前を歩いてさ

行きつけの中華料理屋までの道

ネオンに雨

ネオンに雨

雨傘ひろげた

傘をうつ雨音に

思い出が弾かれて

ガラガラと開ける扉

かぐわしい匂い

食べたくなるなぁ

あのチャーハン、ラーメン

酢豚に餃子

母さんが好きな
かた焼きそばのあんかけ

最後には大学芋を頼むんだ

ネオンに雨

ネオンに雨

兄さん家を出てからも

二人でいったね

頼むメニューは少なくなったけど

母さんは

あの中華料理屋が好きだった

ネオンに雨がふる夜は

曇りガラスに

花びらがにじんでいるみたい

夜空の星雲いろづいて

何故だか

あの母の笑顔を思い出す

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