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Photo by
thekingofmouse
秋の夜長は飾りを外して【短歌18首】
嵐が過ぎたら
寂しいけれどおだやかな
秋は不思議な風が吹く
衣替えしたみたい
毎日きみに伝えし大切と言う言葉
大切なネジが失くなったみたいだ
もう同じものは見つからないだろう
下手な歌をうたい少しずつ治してきたんだ
言の葉が肌に馴染むように
砂漠に横たわるスフィンクス
夢より月牙泉を私にください
ばっかみたいな純情はやっぱりどこへいってもばっかみたい、もういいや
まあね、まあねと混ぜるクリームシチューの季節になりました、もういいや
こんな悲しみなんてとささくれだたせた
せせらわらった 汚れっちまった
澄んだ雨音がささくれにしみた
少しだけキレイに眠れたんだ
秋の夕陽は真横から金に染まったハンカチで
瞼を頬を包んでくる
秋風にあるがままに吹かれたい
なんの飾りもいらなくなるほど
部屋の壁に夕陽が写す揺れる影絵は
秋からの上映会
秋空は青雲
雲間からの光りさえも淡い海の輝き
とくとくとカーテンに流れる
光の欠片 あの人は私の心を優しく砕いた
欠片になれ星になれ飾りじゃないものになれとあの歌がいう
秋の青空
快い日溜まりの微笑み最後の美しさを忘れない
衣替えの週末だ一輪挿しに
好きな花を買ってかえろう
あなたへの想いは飾りじゃなかった
自然に息ずく流涙の森