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高い夏空 風の谷


短歌十首


梅雨明けの
真っ赤な夕日がゆらめく時に
蝉時雨は胸にせまって



君のうた
波打ち際の泡のよう
オールフリーで酔わせてくれます



竹ゴサに
洗濯物が正座をして
夏の午後は眺めて眠る



お盆に
バニラアイスの買い置きを
白桃、メロンに白い恋人




誕生日
リンリン鳴らして帰るよ
花と私は自転車に乗って



何処へ行こうとあの谷に吹く
風には乗ってみたいとおもう黄昏




君の歌は虫笛か
すぐ赤くなる私の眼を青くする



恐ろしいと
真っ青をのみこんだ君の血潮が
むらさきいろのそら



君の傷に
吾、黄金の糸をだせたなら
風のように降りたって


カーラジオから
サンタ・ルチア カーブを
曲がり道開け南国の空


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