詩│バスの中で揺れる心とキーホルダー
もうすぐ君が乗ってくる時間だ
毎日乗るバスで私は
君を見かけてから
この時間が近づくと胸が高鳴るよ
君は私を見ても知らんぷりだから
君が付けていたアニメのキーホルダーはなんなのか
必死で視線をそらせながら
チラ見をし そしてその一瞬で
凝視もするという
技を磨いていた
だて眼鏡もかけて
そしてやっとわかった
魔法少女マドカ☆マギカ
だった
少女趣味なのかしら
ちょっと動揺しながらも
夕方洗濯物の揺れる合間から
見る空のように
あのキーホルダーのように
君の心を揺らすものを
知りたかった
見終わった後
なんじゃこりゃという驚きと
静かで深い感動に包まれた
それからは
あのキーホルダーを付けて
すくっと立っている
その姿を見るだけで涙がでそうに
なった
安易に君に近づいてはいけない
けど もう 隠せない程の
思いにただ バスから見る
黄昏に目を閉じて
光りの残像に感謝した
そうだもう卒業式が近づく
だからもう
君の降りるバス停で思いきって
降りよう
だからもう
その後 泣きながら歩いて帰るかも
しれなくても
だからもう 考えないんだ
砕け散るかもしれないとそう
思いながら
バスのドアから
飛び降り
ただあなたまで
砕けそうにながら走った
そうそれが青春に見た
君の驚きながら振り向く顔と黄昏色だった
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